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転生したら村人だったのに、なぜか全スキル使えました  作者: コンペイ党


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第97話 技術革新フェア、本番


フェア当日、朝から会場は、熱気に満ちた活気で包まれていた。


「よし、皆、気合入れていくぞ!」


フェリックスの号令のもと、五人はそれぞれの持ち場についた。ニコラスとフェリックスが説明担当、ソフィアが実演、シャルロットがデザイン説明、エミリーが接客と、これまでの経験を活かした布陣だった。


「開場でございます!」


司会の声とともに、会場の扉が開かれる。待ちわびていた来場者たちが、次々と会場になだれ込んできた。


「いらっしゃいませ! こちら、魔力を使わない魔道具の数々でございます!」


ニコラスの声に、早速数人の来場者が足を止めた。


「これがマナレス・ランプか。噂には聞いていたが、実際に見ると、本当によくできているな」


一人の壮年の男性が、感心したように装置を眺めた。


「実際に点灯を体験されますか?」


ソフィアが丁寧に実演を行うと、男性は驚いたように目を見開いた。


「本当に、魔力を一切使わずに光るのだな。これは画期的だ」


隣のブースでは、ストックアイズとクイックレジの連携機能に、多くの来場者が興味を示していた。


「これ、うちの店でも導入できないか、詳しく聞かせてもらえるかい?」


商人らしき男性の問いに、フェリックスが張り切って対応する。


「もちろんです! こちらの資料をご覧ください」


賑わうブースの様子を見ながら、シャルロットが満足げに呟いた。


「今回のデザイン、かなり評判いいみたいね」


「ああ、シャルロットの外装デザイン、本当に評価されてるな」


ニコラスの言葉に、シャルロットは誇らしげに微笑んだ。


昼過ぎ、少し落ち着いた時間帯に、昨日交流したローランドが、再びブースを訪れた。


「皆様、改めまして。昨日はありがとうございました」


「ローランドさん! わざわざお越しいただき、ありがとうございます」


「実は、皆様の技術に、大変興味を持ちましてな。もしよろしければ、今後、共同での研究などいかがでしょうか」


思いがけない提案に、五人は顔を見合わせた。


「共同研究、ですか……」


「ええ。私の持つ魔力理論の知見と、皆様の実践的な発明力を組み合わせれば、さらに面白いものが生まれるかもしれません」


「それは、ぜひお願いしたいです」


ニコラスの言葉に、ローランドは満足げに頷いた。


「では、詳細は後日、改めてご相談いたしましょう」


そんな嬉しい出会いもありながら、フェアは順調に進んでいった。夕方、閉場時刻を迎える頃には、皆、疲労の中にも、確かな充実感を滲ませていた。


「今日は、本当にすごい一日だったな」


フェリックスが額の汗を拭いながら言った。


「はい、想像以上の反響でした」


ソフィアの言葉に、皆が頷いた。


「ローランドさんとの共同研究の話も、本当に嬉しい提案だったな」


ニコラスの言葉に、エミリーも笑顔で頷いた。


「私たちの発明、こんなに多くの人に認めてもらえるなんて、夢みたいです」


片付けを終え、会場を後にする道すがら、五人はそれぞれの想いを噛み締めながら、王都の夜景を眺めていた。


「この一年、本当に色々あったけど……今日という日を迎えられて、心から良かったと思う」


ニコラスの言葉に、皆が深く頷いた。グラント商会、クレイン商会との騒動を乗り越え、数々の発明を成し遂げてきた五人にとって、この技術革新フェアは、確かな一つの到達点であり、そして同時に、新しい未来への出発点でもあった。


宿への帰り道、シャルロットがふと立ち止まり、夜空を見上げた。


「なんだか、感慨深いわね。あの実習室で、初めてティーポットを作った時のこと、今でも覚えてるわ」


「ああ、懐かしいな。あの頃は、まさかこんな大きな舞台に立つことになるなんて、想像もしてなかった」


「本当に。皆で少しずつ積み重ねてきたことが、こうして形になったのね」


ソフィアも、しみじみとした様子で頷いた。


「エミリーさんと出会ってからも、色々ありましたね」


「はい……。最初は、皆さんにご迷惑をおかけすることばかりでしたが」


エミリーが少し照れくさそうに言うと、フェリックスが明るく笑いながら言った。


「そんなの、もう全部過去の話だろ。今のエミリーは、立派な俺たちの仲間だ」


「フェリックス様……ありがとうございます」


温かい言葉の応酬に、五人の間には、これまでにない、確かな一体感が漂っていた。


「さて、今日は疲れただろうし、しっかり休もう。明日からも、また新しい挑戦が待ってるからな」


ニコラスの言葉に、皆が笑顔で頷いた。


「次は、どんなものを作ろうかしら」


シャルロットの問いに、フェリックスが楽しげに答えた。


「それは、また皆で、ゆっくり考えればいいさ。俺たちなら、きっと、次のアイデアもすぐに見つかるだろ」


王都の夜空に輝く星々を見上げながら、五人はそれぞれの想いを胸に、宿への道を歩いていった。長い一日の終わりに、確かな絆と、これからへの希望が、静かに満ちていくのだった。この物語は、まだ、終わらない。


第98話へ続く


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