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転生したら村人だったのに、なぜか全スキル使えました  作者: コンペイ党


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第95話 完成への追い込み


クイックレジの開発が進む中、フェアまでの日数は着実に減っていった。


「よし、複数商品の計算速度、かなり改善されたな」


ニコラスが試作機を操作しながら報告する。


「はい、魔法陣の処理経路を見直したおかげです」


ソフィアが満足げに頷いた。


「入力ミスの修正機能も、実際に使ってみて、かなり直感的になったと思います」


エミリーが実演しながら説明する。間違った数字を入力しても、簡単な操作で訂正できる仕組みが、スムーズに機能していた。


「外装も、ほぼ完成形だな」


フェリックスが、シャルロットの手がけた最終デザインを眺めながら言った。操作パネルが見やすく配置され、店舗の雰囲気を損なわない、上品な仕上がりになっていた。


「でしょう!? 使いやすさと見た目、両方にこだわったのよ」


シャルロットが誇らしげに胸を張る。


「あとは、耐久性のテストだな。長時間の使用に耐えられるか、確認しないと」


ニコラスの言葉に、皆が頷いた。


「エミリーのお母様のお店で、また実地テストをお願いできますか?」


ソフィアの問いに、エミリーは快く頷いた。


「はい、母もきっと協力してくれると思います」


その週末、五人は再びエミリーの母親の雑貨店を訪れ、クイックレジの実地テストを行った。


「まあ、また新しい魔道具なのね。今度は、どんなものかしら」


母親が興味深そうに装置を眺めた。


「レジ業務を補助する魔道具です。合計金額の計算や、お釣りの計算を自動で行います」


「それは、本当に助かりそうだわ。毎日の計算、地味に大変なのよ」


早速、実際の業務に組み込んでのテストが始まった。


「あら、本当に正確に計算してくれるのね」


母親が驚いたように装置を見つめた。


「複数の商品を一度に計算する時も、問題ないですか?」


エミリーの問いに、母親は何度か操作を試しながら答えた。


「うん、スムーズだわ。これなら、忙しい時間帯でも、安心して使えそう」


テストを進める中、いくつかの細かい改善点も見つかったが、全体としては、非常に良好な結果だった。


「これなら、フェアでの発表にも、十分な完成度だと思います」


ソフィアの言葉に、皆が安堵の表情を浮かべた。


「エミリー、あなたのお店での経験が、こうして本当に役立つものを生み出してるのね」


母親の言葉に、エミリーは嬉しそうに微笑んだ。


「はい、皆さんのおかげで、形にすることができました」


テストを終え、片付けをしている最中、母親が改めて五人に向かって言った。


「本当に、いつもありがとう。あなたたちの発明、うちのお店にとって、本当に心強い味方だわ」


「こちらこそ、貴重なテストの機会をいただき、ありがとうございます」


ニコラスの言葉に、母親は温かい笑顔で頷いた。


夕暮れの雑貨店を後にしながら、五人はそれぞれ、フェアへの期待を膨らませていた。


「よし、これで、あとは最終調整だけだな」


「はい、フェアまで、あと少しですね」


エミリーの言葉に、皆が力強く頷いた。新しい発明の完成が、また一歩、確かなものになっていった。


帰り道、シャルロットがふと空を見上げて言った。夕暮れの空には、既に一番星が瞬き始めていた。


「もうすっかり冬の気配ね。フェアの頃には、きっと寒くなってるわ」


「そうだな。当日の展示、防寒対策も考えておいた方がいいかもな」


肌を刺すような夜風に、季節の移ろいを、二人は肌で感じ取っていた。


「私、暖かい上着、何着か用意しておくわ」


「シャルロット、気が早いって、また言われそうだな」


ニコラスの軽口に、シャルロットは少しむっとした様子を見せながらも、どこか楽しげだった。


「準備は早いに越したことないのよ!」


「わかったわかった、その通りだよ」


シャルロットの几帳面さに、ニコラスは苦笑いを浮かべながらも、素直に頷いた。


賑やかなやり取りに、フェリックスが笑いながら口を挟んだ。夕暮れの寮への道に、四人分の笑い声が、心地よく響いていた。


「そういえば、フェア当日、俺たちの他にも、色んな発明家が出展するんだよな。どんな人たちがいるのか、楽しみだな」


フェリックスの言葉には、これまでの経験に裏打ちされた、確かな期待感が滲んでいた。


「はい、他の方々の技術、色々見て回りたいです」


ソフィアも興味津々な様子で言った。新しい知識への探究心は、彼女の何よりの原動力だった。


「もしかしたら、俺たちの技術と組み合わせられそうなもの、見つかるかもしれないですね」


エミリーの言葉に、ニコラスも頷いた。他の発明家との出会いが、どんな刺激をもたらしてくれるのか、想像するだけで胸が高鳴った。


「そうだな。新しい出会いも、楽しみの一つだ」


そう言って微笑むニコラスの表情には、この一年で積み重ねてきた自信が、確かに滲んでいた。


夕暮れの道を歩きながら、五人はそれぞれ、フェア当日への期待を膨らませていった。長かった開発の道のりも、いよいよ大詰めを迎えようとしていた。これまで乗り越えてきた数々の困難が、確かな自信となって、皆の背中を押していた。


第96話へ続く


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