↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら村人だったのに、なぜか全スキル使えました  作者: コンペイ党


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
88/128

第88話 ストックアイズ、完成


改良を重ねた試作機を携え、五人は再びエミリーの母親の雑貨店を訪れていた。


「よし、それじゃあ、最終テストを始めよう」


ニコラスの号令のもと、複数センサー方式に改良された装置が、店内の各所に設置されていく。


「今回は、棚の奥まで、しっかりカバーできてるはずです」


ソフィアが自信ありげに言った。


「実際に試してみましょう」


エミリーの母親が、普段の業務さながらに、商品の出し入れを行っていく。


「あ、ちゃんとカウントされてます! しかも、前より反応も早い気がするわ」


母親の言葉に、皆が安堵の表情を浮かべた。


「シールに軽く触れただけでは反応しないか、確認してみましょう」


エミリーが慎重に、商品を手に取って戻す動作を繰り返した。


「誤作動、なさそうですね」


「よし、これなら実用レベルに達してるな」


続いて、賞味期限管理の機能も、改めて確認された。


「期限が近づいた商品、しっかり点滅で知らせてくれてます」


母親が感心したように装置を見つめた。


「これがあれば、もう見逃す心配もなくなりそうね」


すべてのテスト項目を終え、装置の性能に問題がないことが確認されると、教室中に安堵の空気が広がった。


「やった……! ついに完成だ!」


フェリックスが両手を上げて喜びを表現する。


「本当に、長い道のりでしたね」


ソフィアが感慨深げに呟いた。


「シャルロットの外装デザインも、本当に評判いいですよ」


エミリーの言葉に、シャルロットが誇らしげに胸を張った。


「当然でしょ! これでもデザインには自信あるんだから」


賑やかな喜びの声に包まれる中、エミリーの母親が、しみじみとした様子で言った。


「本当に、素晴らしい発明ね。うちみたいな小さなお店にとって、これほど心強い味方はないわ」


「お母様に、そう言っていただけて、本当に嬉しいです」


ニコラスの言葉に、母親は目を潤ませながら頷いた。


「エミリー、あなたは、本当に素敵な仲間たちに恵まれたわね」


「はい、心からそう思います」


エミリーが誇らしげに微笑んだ。


その日の夕方、皆でバルトロさんのもとを訪れ、完成の報告をすると、彼も感慨深げに頷いた。長い道のりを共に歩んできたバルトロさんの表情には、心からの祝福が滲んでいた。


「これで、ストックアイズも、正式に商品化への準備が整いましたな」


「はい、おかげさまで」


「量産計画は、こちらで早急に進めさせていただきます。発売時期については、また改めてご相談いたしましょう」


「よろしくお願いします」


バルトロさんのもとを後にし、夕暮れの道を歩きながら、五人はそれぞれの想いを語り合っていた。


「これで、また一つ、大きな目標を達成できたな」


ニコラスの言葉に、皆が満足げに頷いた。


「次は、どんな発明に挑戦しましょうか」


ソフィアの問いに、フェリックスが楽しげに答えた。


「それは、また皆で考えればいいさ。俺たちなら、きっと、次のアイデアもすぐに見つかるだろ」


「そうね。この五人がいれば、怖いものなしだわ」


シャルロットの言葉に、エミリーも力強く頷いた。


「私も、これからも、皆さんと一緒に頑張りたいです」


夕暮れの空を見上げながら、五人はそれぞれの決意を胸に、また新しい一歩を踏み出そうとしていた。


帰り道の途中、ニコラスとシャルロットは、少し皆から離れて歩いていた。


「今回のプロジェクト、本当に大変だったわね」


「ああ、でも、その分、完成した時の喜びも大きかったな」


夕暮れの光に照らされたシャルロットの横顔は、いつもよりずっと穏やかで、優しい表情を浮かべていた。


「エミリーのお母様が、あんなに喜んでくれるとは思わなかったわ」


シャルロットの言葉に、ニコラスも頷いた。あの涙ぐんだ母親の表情を思い出すと、今でも胸が温かくなるのを感じた。


「実際に困ってる人の役に立つものを作れるって、本当にやりがいがあるよな」


「うん、私もそう思う」


しばらく並んで歩いた後、シャルロットがふと立ち止まった。夕暮れの風が、彼女の髪をふわりと揺らした。


「ねえ、ニコラス」


「なに?」


「これからも、こうやって、一緒に色々なものを作っていけたらいいなって思うの」


思いがけない言葉に、ニコラスは少し驚きながらも、優しく微笑んだ。


「ああ、俺もそう思ってる」


「そう。じゃあ、これからもよろしくね」


「こちらこそ、よろしく」


夕焼けに染まる空の下、二人はしばらくの間、穏やかな沈黙を共有していた。遠くから、フェリックスの呼ぶ声が聞こえてくる。


「おーい、二人とも、何置いてかれてるんだよ! 早く来い!」


その声に、二人は顔を見合わせて、思わず笑い合った。


「今行くわよ!」


慌てて駆け出すシャルロットを追いかけながら、ニコラスは、この賑やかで温かい日々が、これからもずっと続いてほしいと、心から願っていた。仲間たちと共に歩むこの学園生活は、まだまだ、たくさんの物語を紡いでいくのだろう。夕暮れの空に、五人分の笑い声が、いつまでも響き渡っていた。




第89話へ続く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。