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転生したら村人だったのに、なぜか全スキル使えました  作者: コンペイ党


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第86話 実店舗テスト


週末、五人はエミリーの母親の雑貨店を訪れ、ストックアイズの実地テストを行うことになった。


「お母さん、今日はよろしくお願いします」


エミリーが丁寧に頭を下げると、母親は笑顔で迎えてくれた。


「こちらこそ、楽しみにしてたのよ。あなたたちが作った魔道具、実際に見られるなんて」


早速、店内の一角に、試作機のセンサーが設置された。


「よし、それじゃあ、実際の商品にシールを貼っていこう」


ニコラスの指示のもと、皆で手分けして、店内の商品に魔法陣シールを貼り付けていく。


「これ、意外と大変な作業ですね」


ソフィアが慎重にシールを貼りながら言った。


「量産する時は、もっと効率的な貼り方も考えないとな」


「はい、確かに」


しばらく作業を続け、主要な商品への貼り付けが完了すると、いよいよ本格的なテストが始まった。


「よし、実際にお客様がいらっしゃった時の動きを、確認してみましょう」


エミリーの提案で、まずは店員役のシャルロットが、実際に商品を手に取り、レジへと運ぶ動作を再現した。


「あ、ちゃんとカウントが減ってる!」


センサーに接続された表示盤を確認していたフェリックスが、興奮気味に声を上げた。


「本当だ、これなら在庫管理が楽になりそうですね」


エミリーの母親も、感心したように装置を眺めていた。


「これ、賞味期限の管理機能も、試してみてもいいかしら」


「もちろんです。こちらの商品、期限が近いものを選んで試してみましょう」


期限が近い商品にシールを貼ると、装置のランプが黄色く点滅し始めた。


「これは分かりやすいわね! 目視で確認する手間が、大幅に減りそう」


母親の言葉に、皆が嬉しそうに顔を見合わせた。


しかし、テストを進める中で、いくつかの改善点も見えてきた。


「あ、この棚の奥の商品、センサーの感度が届いてないみたいです」


ソフィアが確認しながら報告する。


「センサーの配置、もう少し工夫が必要かもな」


「あと、お客様が実際に商品を選ぶ時、シールに触れてしまって、誤作動することもありますね」


エミリーの指摘に、ニコラスも頷いた。


「シールの耐久性と、誤作動対策、両方見直す必要がありそうだ」


「なるほど、実際に使ってみないと分からないこと、たくさんあるんですね」


ソフィアが感心したように呟いた。


「実店舗でのテスト、本当に貴重な機会だったな」


フェリックスの言葉に、皆が頷いた。


テストを終え、片付けをしている最中、エミリーの母親が皆に向かって言った。


「今日は、本当にありがとう。この魔道具が完成したら、うちのお店でも、ぜひ使わせてもらいたいわ」


「もちろんです。完成したら、真っ先にお持ちします」


ニコラスの言葉に、母親は嬉しそうに微笑んだ。


「エミリー、あなた、本当にいい仲間に恵まれたわね」


「はい、私もそう思います」


母親の言葉に、エミリーは誇らしげに頷いた。


夕暮れの雑貨店を後にする道すがら、ニコラスは今日得られた課題を、頭の中で整理していた。


「よし、これらの課題、次の作業でしっかり解決していこう」


「はい、頑張りましょう」


実店舗でのテストを経て、ストックアイズの完成へ向けた道のりは、また一歩、確かなものになっていった。


帰り道、シャルロットがふと思い出したように言った。


「そういえば、今日のお母様、すごく優しい方だったわね」


「はい、いつも私を支えてくれる、大切な母です」


エミリーが嬉しそうに言うと、ソフィアも頷いた。


「エミリーさんの真面目さ、お母様譲りなんですね」


「そ、そんな、照れます……」


顔を赤らめるエミリーを見て、フェリックスが茶化すように言った。


「なあ、エミリーも、そろそろガレスとのこと、報告した方がいいんじゃないか?」


「な、なんの話ですか!?」


「いやいや、皆薄々気づいてるって。剣術の指導、順調なんだろ?」


「そ、それは、ただの指導であって……!」


顔を真っ赤にして反論するエミリーの姿は、以前の怯えた様子からは想像もつかないほど、生き生きとしていた。


慌てるエミリーを見て、シャルロットがくすくすと笑った。


「あら、私たちのこと、散々からかっておいて、自分のことは誤魔化すのね」


「ち、違います! 本当に、ただの……」


「はいはい、わかったわかった」


賑やかなやり取りに、皆が声を上げて笑った。夕暮れの道を歩きながら、それぞれの新しい関係が、少しずつ、確かな形になっていくのを、ニコラスは温かい気持ちで見守っていた。


「よし、今日の反省点、まとめておこう。次の作業日までに、改善案を考えてくる」


「はい、私も色々調べてみます」


「私も、外装の耐久性、もう少し見直してみるわ」


それぞれの決意を胸に、五人は夕暮れの道を、それぞれの寮へと歩いていった。今日の実店舗テストで見えた課題は、決して小さなものではなかったが、それを乗り越えることこそが、より良い発明への道筋になると、皆が確信していた。ストックアイズの完成は、もうそう遠くない未来に見えていた。




第87話へ続く


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