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転生したら村人だったのに、なぜか全スキル使えました  作者: コンペイ党


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第30話「中間試験の結果」


中間試験を終えた数日後、結果発表の日がやってきた。掲示板の前には、朝から生徒たちが列をなしていた。


「うわ、緊張するな……」


ルーカスが落ち着かない様子で、貧乏ゆすりをしている。


「あなた、剣術は問題ないでしょう。座学の方が心配なんじゃないの?」


シャルロットが的確な指摘をすると、ルーカスは苦い顔で黙り込んだ。


やがて掲示された結果表を前に、生徒たちがそれぞれ自分の名前を探し始めた。周囲からは、歓声や落胆の声が入り混じって聞こえてくる。


「よし、赤点は回避した!」


ルーカスが安堵の声を上げる横で、フェリックスも自分の成績を確認し、満足げに頷いた。


「実技、去年よりしっかり点数取れてるな」


「転んだ割には、健闘したよね」


ニコラスがからかうようにそう言うと、フェリックスは唇を尖らせた。


「その一言、忘れてくれないか」


「無理な相談だな、それは」


以前フェリックス自身が言った台詞をそのまま返され、フェリックスはがっくりと肩を落とした。周囲からは、小さな笑い声が漏れた。


「私も、無事に平均点は超えられたみたい」


ソフィアがほっとしたようにそう言うと、シャルロットも自分の名前を確認し、優雅に微笑んだ。


「私も問題なさそうね」


そして、結果表の最上部に記された名前を見て、誰もが自然と頷いた。


「ローウェル、また学年トップか」


エドワードがそう呟くと、ニコラスは苦笑しながら頭をかいた。


「まあ、いつも通りって感じだね」


「その『いつも通り』が、僕たちにとってはとんでもないことなんだけどな」


ルーカスが呆れたようにそう言うと、周囲にまた笑いが広がった。


「ちなみに、エドワードは何位だったんだ?」


フェリックスが尋ねると、エドワードは僅かに得意げな表情を見せた。


「二位だ。今回は、剣術の実技で満点を取った」


「さすがだな」


ニコラスが素直に称賛すると、エドワードは満更でもなさそうに頷いた。


「まあ、一位の座は、そう簡単には譲らないつもりだがな」


「その意気込み、嫌いじゃないよ」


そんな軽いやり取りの中に、確かなライバル心と、それを超えた友情のようなものが滲んでいた。


試験結果の発表を終えた放課後、グレイソン先生が教室に立ち寄り、一つの知らせをもたらした。


「皆、聞いてくれ。来月、学園全体で行われる、恒例の『武芸大会』の開催が決定した」


その言葉に、教室がにわかにざわめいた。


「武芸大会って、あの、全学年参加の?」


ルーカスが興奮気味に尋ねると、先生は頷いた。


「そうだ。学年を問わず、希望者が参加できる、剣術と魔法、それぞれの部門でのトーナメント戦だ。上位入賞者には、王家からの記念品も贈られる、由緒ある行事だぞ」


その説明に、教室の空気は一気に熱を帯びた。


「これは、腕試しには絶好の機会だな」


エドワードが闘志を滲ませながらそう呟く。


「僕も、出てみようかな」


ニコラスがそう言うと、フェリックスが驚いたように目を見開いた。


「お前が出たら、優勝候補どころか、圧倒的な一番人気になるだろうな」


「そうかな。でも、色んな人と手合わせできるいい機会だと思って」


「その余裕、逆に怖いんだけど」


ルーカスが苦笑いを浮かべながらそう言うと、教室にはまた温かな笑い声が広がった。


学園二年目、中間試験という一つの節目を越え、次なる大きなイベントへの期待が、少しずつ膨らみ始めていた。窓の外に広がる青空の下、六人の視線は、自然と同じ未来へと向けられていた。


その日の夕食の席、話題は自然と武芸大会のことに集中した。


「俺、絶対剣術部門にエントリーするからな」


ルーカスが意気込みながらそう宣言すると、フェリックスが横から茶々を入れた。


「お前、この間の実技試験で転んだばかりだろ」


「あれとこれとは話が別だ! 大会は真剣勝負なんだから、気合いの入り方が違う!」


「気合いだけでどうにかなる問題でもないと思うけど」


シャルロットの冷静な指摘に、ルーカスは言葉を詰まらせた。


「ソフィアは出場しないんですか?」


ニコラスが尋ねると、ソフィアは少し照れくさそうに首を振った。


「私は、応援に回ろうと思います。皆さんの活躍、しっかり見届けますから」


「頼りにしてるよ、ソフィア」


そんな和やかな会話が続く中、エドワードだけは静かに、これからの一か月の鍛錬計画を、頭の中で組み立て始めているようだった。


「一位の座は、そう簡単には譲らないと言ったばかりだからな」


その真剣な横顔に、ニコラスも思わず気合いが入るのを感じていた。


食事を終えて部屋に戻る道すがら、ニコラスはふと夜空を見上げた。学園に入学してから一年以上が経ち、多くの出来事を経験してきた。友との出会い、ライバルとの対立、そして静かに動き続ける貴族社会の思惑――そのすべてが、自分をこの場所へと導いてきたのだと、改めて実感する。


(次の大会でも、きっと新しい何かが見えてくるはずだ)


そんな予感を胸に、ニコラスは静かに寮への道を歩いていった。


(第31話へ続く)


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