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転生したら村人だったのに、なぜか全スキル使えました  作者: コンペイ党


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第106話 記念展示の準備


卒業式までの残り少ない日々、五人は記念展示の準備に、精力的に取り組んでいた。


「よし、展示するもの、全部並べてみたぞ」


空き教室の机いっぱいに、保冷魔道具、マナレス・ランプ、ストックアイズ、クイックレジが、順番に並べられていく。


「こうして並べてみると、本当に壮観ですね」


ソフィアが、感慨深げに呟いた。


「一つ一つ、思い出が詰まってるものばかりだもんな」


フェリックスも、しみじみとした様子で頷いた。


「それぞれの開発秘話、パネルにまとめましょう」


エミリーの提案に、皆が賛同した。


「保冷魔道具は、実習室でのティーポット作りがきっかけだったわね」


シャルロットが、当時を思い出しながら言った。


「あの頃は、まさかここまで発展するなんて、想像もしてなかったな」


ニコラスも、懐かしさを噛み締めながら頷いた。


作業を進める中、シャルロットが、展示用のパネルに、丁寧な文字で、それぞれの魔道具の開発エピソードを書き込んでいった。


「グラント商会との騒動も、正直に書いていいのかしら」


シャルロットの問いに、ニコラスは少し考えてから答えた。


「うん、俺たちが乗り越えてきた困難も、大切な軌跡だと思う。正直に書こう」


「わかったわ」


シャルロットは、丁寧に、しかし力強い筆致で、これまでの物語を綴っていった。


「エミリーのお母様のお店での実地テストのエピソードも、入れたいですね」


ソフィアの提案に、エミリーは少し照れくさそうに頷いた。あの頃の緊張感と喜びが、今でも鮮明に蘇ってくるようだった。


「はい、ぜひ。あのテストがあったからこそ、今のストックアイズがあるので」


作業は、日が暮れるまで続いた。少しずつ、展示の全体像が、形になっていく。


「よし、今日はここまでにしようか」


ニコラスの言葉に、皆が頷いた。


教室を出て、帰り道を歩きながら、フェリックスがふと思い出したように言った。


「そういえば、展示の最後に、俺たちからのメッセージも、添えたらどうだ? 後輩たちへの」


「それ、いいアイデアだな」


ニコラスが、感心したように頷いた。


「何を書こうかしら」


シャルロットの問いに、エミリーが、少し考えてから言った。


「困難があっても、仲間と一緒なら、きっと乗り越えられる、という感じは、どうでしょうか」


「それ、まさに俺たちの一年そのものだな」


フェリックスの言葉に、皆が笑顔で頷いた。


「じゃあ、明日、皆で言葉を考えようか」


ニコラスの提案に、皆が賛同した。


夕暮れの空の下、五人はそれぞれの思い出を胸に、残り少ない学園生活を、大切に過ごしていくのだった。


「卒業式まで、あと少しね」


シャルロットの呟きに、ニコラスは、少し寂しさを滲ませながらも、力強く答えた。


「ああ、でも、終わりじゃない。新しい始まりだ」


その言葉に、皆が、それぞれの想いを込めて頷いた。


翌日の放課後、五人は、後輩たちへのメッセージを、改めて話し合うことにした。窓から差し込む冬の陽光が、教室を柔らかく照らしていた。


「やっぱり、挑戦することの大切さ、伝えたいよな」


フェリックスの言葉に、ソフィアも頷いた。彼女の瞳には、あの頃の自分自身への想いも、重なっているようだった。


「はい、最初は小さな発見からでも、積み重ねれば、大きな成果に繋がるということを」


「私は、素直になることの大切さも、伝えたいわね」


シャルロットが、少し照れくさそうに言うと、皆が微笑ましそうな視線を向けた。かつての彼女を知る者ほど、その言葉の重みを、しみじみと感じ取っていた。


「エミリーは、どう思う?」


ニコラスの問いに、エミリーは、しばらく考えてから答えた。


少し間を置いてから、エミリーは静かに続けた。「わたしは……一人で抱え込まずに、誰かを頼ることの大切さを、伝えたいです。わたし自身、皆さんに頼ることで、初めて前に進めましたから」


その言葉に、皆が、温かい表情で頷いた。かつて涙を流しながら謝っていた彼女の姿を思い出すと、この成長が、どれほど尊いものか、誰もが実感していた。


「よし、それじゃあ、これまでの意見を、一つの文章にまとめてみよう」


ニコラスが、皆の想いを一つ一つ拾い上げながら、羊皮紙に、丁寧に言葉を綴っていった。


「挑戦すること。素直になること。そして、仲間を頼ること。この三つが、俺たちの一年を支えてくれた、一番大切なことだったと思う」


出来上がった文章を読み上げると、皆が、満足げに頷いた。短い言葉の中に、この一年の全てが凝縮されているように感じられた。


「うん、これで決まりね」


シャルロットの言葉に、皆が笑顔で応えた。言葉数は少なくとも、そこには、一年間の全てが、確かに込められていた。


こうして、後輩たちへのメッセージも、確かな形になっていった。学園生活の集大成となる記念展示の準備は、こうして、着実に進んでいくのだった。卒業式という大きな節目まで、残された時間は、わずかになっていた。


第107話へ続く


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