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240.黒豹と黒猫はおなじネコ科の仲間

ご無沙汰してすみません!


 

「にゃーん!」


 どうも! 黒猫になったリサです。

 先ほど苔茶ポーションのがぶ飲みをして、またこの姿になりました。

 今回はちゃんと変身を目的に飲みましたので、計画通りなのですが。


「じゃぁ行こうか。リサの準備はいい?」


(はーい! 今日はよろしくね)


 そうお返事をして、ロアの肩にちょこんと乗った私。

 今日はまた皆と一緒に地下迷宮へと探索しに来ています。

 でもどうして迷宮に入るのにわざわざ黒猫に変身したのかって?

 ・・・それはね、私の足が仲間の誰よりも遅くて体力も無くて、前に地下迷宮を探索した時には文字通り皆の「足を引っ張って」いたから・・・。


 背が高く足の長いゾフィさんやロアとは歩幅コンパスからして違うし、あと猫妖精ケット・シーさんたちにも素早さとか身軽さでも全く勝てない。もうね、それは全面的に認めます。 

 前回の時も探索していた時に、皆が気を遣って足の遅い私に足並みを合わせてくれているのは、さすがに私も察していたのですよ・・・。


 そこで私は考えた。もし人間の姿でなければ、それこそ猫さんになればもっとペースアップが出来るのでは?と。

 そんな思いつきで今回は黒猫に変身したという訳なのです。


 実はこれ、最初はロアさんからの提案によるものだった。

 確かに子猫ちゃんの姿なら、もし足場の悪いところでもロアに負担をかけずに運んでもらえるというメリットがあるのだ。

 人の姿だったら抱っこもおんぶも大変だろうけど、子猫サイズであれば話は別だからね。なんだったらロアのポケットに入る事だって出来ちゃうのだから。


 私は最初、子猫になったら自分だけ楽をさせてもらうようなのでほんの少し悩んだけど、足手纏いなのは事実なので・・・まぁ、そんな話し合いを経て結局この姿に至った訳です。


 あとロアは今、私と同じで隙あらば子猫ちゃんを抱っこしたい症候群なんだそうで・・・。

 それもあってか今回やたら熱心に変化を勧められた。「ぼくが抱っこして迷宮を進めばリサは体力が温存出来て、ぼくは子猫を抱っこできるから、ウインウインだよね?」って言われたけど、ウインウインってこっちでもある言葉なの?

 あ、私が以前に使ってた言葉・・・? そっか。こちらでも理解されているようで何よりです・・・。


 でもロアだって私に負けず劣らず、普段からハチワレちゃん達を抱っこしたり構い倒している気がするけどなぁ。それでも足りない?

 だけど子猫ちゃんからしか摂取できない栄養素があるのは事実・・・栄養不足は由々しき事態よね。

 やはり栄養のバランスってだいじだからね。タンパク質、脂質、ビタミン・ミネラルに子猫ちゃん。皆さんもどうぞバランスよくご摂取ください。



 そうこうしているうちに、私たちは地下迷宮の洞窟にある分岐点にまでやってきた。


「では、我々が行先を決める『しっぽ占い』の準備をしましょうぞ」


「「「「はーい」」」」


 ミケネーさんの号令で子猫ちゃん達がかわいらしい()()()で円陣を組み、4本のしっぽが絡み合う。

 前回はヴィーちゃんがそのしっぽを掴む役目だったけど、今日は私がやってみる事になったので、私は目を瞑りロアに支えてもらいながら手を空中で泳がせ、しっぽを探す。


(うーんと・・・あ、これ!)


 手に触れたしっぽをきゅっと掴むと、それはガオ君のしっぽだった。


「やった、僕のしっぽだ! じゃぁこっちだよ!」


 そう言ってガオ君のおてては、洞窟の道のひとつを指したのだった。



 その道は前回のように魔法具が無くてもほのかに明るくなっていて、もともと歩くのには何も問題が無かったのだけど、今の私が猫さんの目を持っているせいか、人間の時よりもずいぶんと明るく感じる。


 道なりに私たちが進んでいくと、更にだんだんと明るくなってきた。これは目的地が近いのかもしれない。



「おっと・・・道が少し上り坂になってきましたね。それに伴い洞窟の天井もだんだんと低くなってきたような・・・」


 先頭を歩くゾフィさんからそんな報告があったけど、確かにゾフィさんもロアも頭が天井に付きそうだ。


 さらに進むと、かなり急こう配になってきた。ちょっと山登りに近いかもしれない。

 これは私が人の姿だったら、間違いなくバテているやつだ。今回は子猫の姿で運んでもらって正解だったと、ロアの肩に乗りながらしみじみと思う。



「ゾフィ、この辺は何か甘い匂いがしますぞ・・・? しかもこれは以前どこかで嗅いだ匂いのような・・・」


 ミケネーさんが過去の記憶を辿るような話し方で、それが思い出せないもどかしさを感じているようだった。


「あぁ、本当ですね・・・私でも匂いを感じます・・・むぅ、確かにこれは以前どこかで・・・」


 ゾフィさんもミケネーさんと一緒に考え込んでいるけど、私にはこの匂いは記憶にないけど、お花の匂いだろうか。


 子猫さんたちも「僕は知らない」とか「わからないわ」とか口々に言っているし、ネオさんも首を傾げている。

 ちょっとクセのある甘さというか・・・パウダリーな甘さとでも言ったらいいかなぁ。


「・・・あっ!」

「もしや・・・!」


 ゾフィさんとミケネーさんが同時に声をあげた。


「これは紫香蝶の匂いでは?!」

「そう、その鱗粉の匂いですぞ!」


 どうやら蝶々の匂いらしい。蝶々って甘い匂いがするんだ・・・?と私が頭の中で考えていた時、ゾフィさんが慌てたように振り向いて声を張り上げた。


「みんな、息を止めて!!」


 ・・・え?

 息を止める・・・?

 訳が分からないうちに、ゾフィさんの風魔法で周囲を包まれた。


「できるだけ息を止めて、来た道を戻りますよ! 走って!」


 そうゾフィさんが叫んだと同時に、辺り一面が薄紫色の靄に包まれた私たちは、走り出すもパタリパタリと一人ずつまるでスローモーションを見るかのように倒れたのだった。




(・・・はっ!)


 ここはどこだろう・・・目の前の知らない景色に呆然とする。

 眼前の景色はまさにジャングルと言ってよいような、熱帯雨林の様子を呈していた。

 そして大きな長い葉っぱの見慣れない植物の間をユラユラと、私は何者かに運ばれているようだった。


 焦るきもちを押さえこみ、少し冷静になったところで今の状況を考える。

 どうしてか分からないが私は誰かに咥えられ、どこかに移動をしているようだった。


 咥えられ・・・?


 そう、私はいま首筋を咥えられて虚無の状態だった。自分の手足がぶらんぶらんしているのは力が抜けている・・・いや、力が入らないのだ。


 そうして揺られて運ばれているうちにだんだんと記憶が戻って来た。

 あぁ、思い出した! 鉄砲水のような大量の水に流されて辿り着いた場所で、私は大きな黒ヒョウにぱくりと咥えられたのだった。



 あの時私たちは洞窟を進んでいた途中で甘い匂いに囲まれ、何かの蝶々の鱗粉がどうのとかで・・・そう、ゾフィさんが風魔法で空気を遮断する結界を作ってくれたのだけど、すでに鱗粉を吸ってしまっていた私たちは次々と身体の自由を奪われ、その場に倒れこんだのだ。


 次々に仲間のみんなが倒れ、ロアも体の自由を奪われてしまったようで、膝をついていた。

 おそらくその蝶の鱗粉が痺れを誘発したのだろう。意識はあるのに体の自由が効かなくなっていた所をなんというタイミングか、その洞窟に大量の水が突然流れ込んできて私たちはそのまま流されてしまったのだ。


 その水の勢いたるや凄まじく、あっという間に私たちを地下迷宮のどこかの空間に押し流し、そして辿り着いたのがこの熱帯雨林に違いない。


 はぐれてしまった皆は無事だろうか。

 そしてあれからどのくらい時間が経ったのか・・・

 ロアやヴィーちゃんに急いで念話を送ってみたけど反応は無かったから、もしかしたら気を失っているのかもしれない。


 それに何故、わたしは咥えられ運ばれているのか・・・という最初の疑問、そして考えたくなかった答えに辿り着いてしまった。皆はだいじょうぶだろうか・・・



 グルルルルルル・・・


 頭上から恐ろしくも猛々しい唸り声が聞こえる・・・!


 うん、夢じゃないな・・・。私はどうやらあの黒ヒョウに咥えられて、いまだ運ばれている最中のようだ。

 私の結界は害意がある者は弾く仕様だったと思うけど、この黒ヒョウにその結界は効いていないようだから、いますぐに食べられちゃうとかは無いみたいだ。だけどこれって、子供の為にエサを巣に持ち帰る状況だったりしない・・・?


 うわぁマズイ! はやく【転移魔法】を使って逃げなくちゃ!

 ・・・でもどこに転移しよう? 今は皆の居場所も分からないのに・・・。


 そう考えていた矢先、すぐ近くからとても愛くるしい鳴き声が聞こえてきた。思わず視線を向けると、大きな葉を編んだように組み上げた巣の中に、ちいさなまだ目も開いていないような黒ヒョウの赤ちゃん数匹がミィミィと鳴いていたのだった。


 生まれたてでまだ目が開いていないのにも関わらず、お母さんが近くに来たのが分かるのか赤ちゃん達は一生懸命に顔を上げて前脚を動かしている。

 それにしても黒ヒョウの赤ちゃんって大きいな?! 頭も大きく、脚も太くて、さすが大型肉食獣!という体の大きさで驚く。間違いなく今の私よりも大きい・・・!


 私は先ほどまでの恐怖を忘れ、思わずその光景を眺めていると、私を咥えていた黒ヒョウが巣の中に入ってゆき、そのままゴロリと横たわった。


 すると黒ヒョウの赤ちゃんたちが我先にとお母さんのおっぱいに突進し、お乳を吸い始めたのだ。

 チュッチュチュッチュと一生懸命にお母さんのおっぱいを吸う様子はあまりにも可愛らしく、思わず見入っていたら、なんと私までその仲間に加えられてしまった。わぁ、左右に大きな黒ヒョウの赤ちゃん・・・。


 ・・・もしや私、同じ赤ちゃんだと思われて、この黒ヒョウのお母さんに拾われた・・・?


 私の想像が合っているというばかりに黒ヒョウのお母さんが前脚でぐいぐいとお乳を勧めて来る。


(いや、私いまは確かに子猫ですけれど、ちゃんと乳歯も生えているのでおっぱいは大丈夫なんですよ・・・)


 そんな私の心の声は当然黒ヒョウのママさんに伝わるはずもなく、私は彼女の赤ちゃんと一緒に面倒を見てもらうという状況になってしまったのだった。





本当に久しぶりの投稿になってしまい、申し訳ないです・・・!

気長にお待ちくださった方、また読みに来てくださった方、どうもありがとうございます。


3月は公私共に外せない予定が詰まってしまい、結果1ヶ月もお休みをしてしまいました。すみません。

これからはペースを戻していきたいと思いますので、またおつきあいくださると嬉しいです。

これからもよろしくお願いいたします<(_ _*)>




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