96 王都の劇場
「アイラ、凄い似合ってる!」
「ありがとうノチア。でも、これはやり過ぎなんじゃないかな?」
「ぐふふ。まさに闇を切り裂く男装の麗人ね」
ルキラの言う通り、アイラの化粧は凛々しさを強調するような凛とした雰囲気に仕上げられている。
目元のシャドーで少し大人っぽく艶やかに、頬のチークは控えめでシェードでより輪郭のシャープさが際立ち涼しげだ。
アイラの巻いた髪と反発しない程度にイケメンに仕上がっている。
気づけば後ろの店員さんが、こちらに向かってサムズアップをしていたので、同じく返す。
「それじゃあ、行こうか」
「次に行くところは決まっているの?」
「ああ、一昨日セリティに会っただろ? 彼に口利きしてもらってバルコニー席を確保してもらったんだ。王都に知り合いがいないから諦めていたんだけど、助かったよ」
「いつの間に……」
アイラの抜け目のなさに感心してしまう。
私は偶然会えたことに喜んでいただけだが、アイラはその機会をしっかり生かしていた。
しっかり化粧品を乗せた馬車はカントリーハウスに返し、別の馬車を呼んで劇場に向かう。
セリティの用意した席は専用の入り口がある方でそちらに馬車が止まる。
「なんだか緊張するわね」
「ぐふふ。席には私達しかいないから大丈夫よ」
案内をされた階段を上っていくと、バルコニー席に着く。
席は私たちの為に用意してくれているようで、凝った装飾のされたフカフカな三人掛けのソファーが置かれていた。
壁には絵画が飾られていて、テーブルには軽食と茶用のセットまで置かれている。
「明かりは着きっぱなしなのねってる!」
「ありがとうノチア。でも、これはやり過ぎなんじゃないかな?」
「ぐふふ。まさに闇を切り裂く男装の麗人ね」
ルキラの言う通り、アイラの化粧は凛々しさを強調するような凛とした雰囲気に仕上げられている。
目元のシャドーで少し大人っぽく艶やかに、頬のチークは控えめでシェードでより輪郭のシャープさが際立ち涼しげだ。
アイラの巻いた髪と反発しない程度にイケメンに仕上がっている。
気づけば後ろの店員さんが、こちらに向かってサムズアップをしていたので、同じく返す。
「それじゃあ、行こうか」
「次に行くところは決まっているの?」
「ああ、一昨日セリティに会っただろ? 彼に口利きしてもらってバルコニー席を確保してもらったんだ。王都に知り合いがいないから諦めていたんだけど、助かったよ」
「いつの間に……」
アイラの抜け目のなさに感心してしまう。
私は偶然会えたことに喜んでいただけだが、アイラはその機会をしっかり生かしていた。
しっかり化粧品を乗せた馬車はカントリーハウスに返し、別の馬車を呼んで劇場に向かう。
セリティの用意した席は専用の入り口がある方でそちらに馬車が止まる。
「なんだか緊張するわね」
「ぐふふ。席には私達しかいないから大丈夫よ」
案内をされた階段を上っていくと、バルコニー席に着く。
席は私たちの為に用意してくれているようで、凝った装飾のされたフカフカな三人掛けのソファーが置かれていた。
壁には絵画が飾られていて、テーブルには軽食と茶用のセットまで置かれている。
「明かりは点きっぱなしなのね」
劇場では真っ暗にするものかと思ったが、意外にも明かりを落とされてはいるものの、どこか明るかった。
舞台が始まれば静まり返り、オーケストラの演奏と共に劇が始まる。
内容は創世の物語だった。
「えっ、話し声?」
創世の物語が終わると、明るさが元に戻り周りから談笑が聞こえてきて、私は驚いてしまう。
なぜなら、いま舞台の上では少女の歌が歌われ始めているからだ。
「たぶん、劇の間の休憩みたいなものなんだろうね」
「でも、あんなに一生懸命。それに歌声だって綺麗なのに……」
「ぐふ、支配人の観客も意図をくみ取ってしまって歌に集中してないみたいね」
食事をしている音まで聞こえてきて、なんだか悲しくなったが、現代で言う所のテレビを見ながら食事している感覚なのだろうか?
習慣と言うなら納得するしかないが、舞台の上の少女が少し気の毒だった。
やるせない気持ちで私たちが見ていると、舞台の少女と目が合ったような気がした。
その後、もう一公演を見て劇場を後にすることになった。
次の日、アイラとルキラは用事があるので、私は個人で王都のお店を回る事にした。
一人ではさすがに危険と言われてしまうので、護衛にステラを呼んでいる。
「ノチアッち。今日はどこに行くんっすか?」
「王都にラーメン屋があるか再度確認したいの。それで、内容なら庶民向けの店を出せる立地を探したいわ。最終的には王都でラーメンを流行らせて、王国中にラーメンを広げるのよ!」
「ノチアっち……ブレないっすね~」
ステラを連れ立ってラーメン屋を探してみるが、洗礼の時と同じように見つけられないどころか、それらしい店の情報も聞けなかった。
「やっぱり、王都にはラーメン屋なんて無いのね」
「あっ、あの! すみません」
「あっ、あなたは……」
気が付けば昨日の劇場の傍まで来ていた私に、誰かが声をかけてきた。
声の方を向いて確認すると、それは昨日の舞台の少女だった。
私は警戒を解いても良いアピールをステラにして少女に話しかける。
「どうしたの? 私に用があるの?」
「あの、昨日一緒におられた方はキャストですよね? 私、ファンになりました。公演絶対に見に行きますってお伝えください!」
「えっ……もしかして、アイラの事かな?」
なんと、昨日の一瞬でアイラは彼女の推しになってしまったようだ。




