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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
四章

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81 ゆっくりでいいよ

 プリンの判断が全てのクライネの価値観に繋がると言われた私は、プリンに教えることをアイラとルキラに相談した。

 しかし、話し合った結果、結局はフラウに言われたように、一緒にいて少しずつ教えていくしかないと言う結論に至った。


「久しぶりのフェロンはどうだった?」

「わっ、懐かしい? 今までに感じた事のない感覚だったよ」


 育った後のフェロンのサンプルを洞窟に取りに行く時に、一緒にプリンと合流する。

 フラウの言葉を聞いた後で、あらためて見てもプリンはプリンだ。

 まだ短い間だが、私とラウメで過ごした時から何か変わるわけではない。


「プリンは、もっとワガママをいって良いと思うの」

「わっ? ワガママ? どうしたの急に」

「なんでもない。これからプリンの好きな物を見つけていきましょうね」

「わっ、わかんないけどわかった」


 クライネは本来、我儘を言わないと言う。

 初めに会った時、フェロンを飽きたと言っていた時点で、プリンは他のクライネから切り離されていたらしい。

 多すぎても困るが、まずはプリンのしたい事、して欲しい事を探して伸ばしていけばいい。

 ちなみに、ルーナとソラーレのプレゼントの時に、プリンも同じように欲しがったのは、欲と言うより個が無いクライネの『みんなと同じように貰う』というのが当たり前の感覚からの発言であったようだ。

 もしあの時に私が拒否していたとしても、プリンは気にせずに受け入れていたはずだと言われた。


「じゃあ、ダイアに戻ろうか。フェロンの研究もしなければいけないし」

「そうね」


 ダイアに戻った後は屋台の完成とフェロンの研究で慌ただしく日々が過ぎて行った。

 そんな中、ルキラにドールから仕事を頼みたいと連絡が入った。


「ノチア、一緒に来てくれる?」

「もちろんよ。ルキラにはいっぱいお世話になっているし、私に手伝えることがあるなら何でも言って」

「もちろん僕もついて行くよ」

「そうね。もう私たちは三人で一つよ」


 ドール領に行って、領主のサーフ伯爵の話しを聞くと、今度アハトで重要な取引があると言う事でドール領の代表としてルキラに顔を出してほしいそうだ。

 細かい取引は職員や文官がやるので、ルキラの仕事はあくまでも領主一族として取引を重要視している、という姿勢を示す為だけのようだ。


「まだ、人見知りしちゃうけど、ノチアとアイラがいれば大丈夫よね」

「もちろんよ」

「大船に乗ったつもりでいればいいさ」


 ルキラが自分に言い聞かせるように呟いた声に同意するように私たちはルキラを励ました。


 アハトは街道の整備によって通行税が下がり、流通が良くなったことで大賑わいになっていた。

 オンリー商会のアルティの案内で、今回の取引先のグランザント王国の商船が来るまでに案内を受ける。

 初めて港を案内されたが、船の停泊する港は独特の形をしていた。

 船が何艘も連結されたように並んでいて、その上に板が敷かれて沖の方まで伸びている。


「どうして海の奥の方まで桟橋が伸びているのかしら?」

「それは、商船が海の魔物を避ける為に、船をシードラゴンに船を引かせているからですね。シードラゴン同士は近づきすぎると、縄張り意識からストレスになって暴れる事もあると言うので、沖に船を止めて荷下ろしの時に船で受け取りに行くようになっているのです」


 その後は、領主の滞在用の館に戻り夕食を取った。

 食事の内容はアハトで手に入る新鮮なお魚がおもで、プリンはカワウソのような見た目通りにお魚をいたく気に入って食べていた。

 お箸を器用に使って食べている姿がなんとも愛らしい。


「わっ、これはいいものだ!」

「ほらプリンこっちも食べて。はい、あーん」

「わっ、あーん」


 次の日、グランザント王国の商船が来たので、いよいよ商談の開始だ。

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