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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
四章

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68 料理対決に向けて

「真面目に考えんか! ……しょうがないのぅ。もし、そなたが勝ったのなら、わらわがそちの一つ願いを叶えてやろうではないか」

「フラウに叶えてもらいたい願いなんて……お味噌の作り方を教えてって言ったってわからないでしょ?」

「お味噌? ああ、前にノチアが言ってた豆を使って作る調味料かえ? そんな物で良いのか?」

「わかるの!」

「建物の中の書物は、ほぼ全て読んだ頭の中に入っておるからのぅ」

「えぇー。それなら私たちは何のために解読してたのよ」

「知識を得たいのならば、努力は必要じゃろぅ?」

「正論だけど、フラウに言われると釈然としないわ」

「とにかく、本気で挑むのじゃ!」


 料理対決は逃れられそうもないが、予想外に味噌の制作方法がわかりそうだ。

 かりに負けてしまっても、どの本に載っていたかくらいは教えてくれるだろう。


(せっかくだし、前に計画していた食材探しをしよう)

「シリオス様。料理勝負は三品対決にしましょう。勝負を一週間後にして、その間に料理を決めて食材を集めるのです」

「わかった。料理は何にするんですか?」

「そうね。一品目は野菜を使った料理。二品目はお肉を使った料理。最後がデザートでどうですか?」

「それでかまわないよ」

「では、一週間後に」


 私は何を作るか考える。

 料理が出来ない私でも作れるもの。


(まずは、サラダを挟んだサンドイッチね。お肉の料理はチャーシューに挑戦して、チャーシューメンがいいわ。あとは、デザートだけど……)


 甘味。

 この世界での甘味と言えば、果実や甘い野菜をペーストにしたり生地に混ぜ込んだクッキーだ。

 輸入品の入ってくるアハトなら砂糖を見つけられるかもしれないが……。


(ケーキとかレシピが解らないのよね)


 お菓子は分量が命だと聞いたことがある。

 パティシエなんているかどうかもわからない。

 砂糖があっても零からお菓子を作るのは現実的ではないだろう。


「考えるより行動ね。アイラ、ルキラ、私を手伝ってくれる?」

「「もちろん」」


 そうと決まれば食材探しだ。

 私はさっそくゴウオウに乗って、アハトに飛んだ。

 シリオスもドラゴンを使うようだが、速さが全然違うので、少しズルしている気分だ。


「これはルキラ様、アイラ様、ノチア様、ようこそおいでくださいました」


 アハトに着いてオンリー商会に行くとアルティが迎え入れてくれた。

 オンリー商会は食材をメインに取引している。

 さらに、前回のゴウオウの捺印式で発言力を強めたことで、実質的なアハトの商会のトップに君臨している。

 ここならすべての食材の情報が入るだろう。


「ルキラ様、すこしお耳に入れたき事がございます」

「何かしら?」


 話の内容は、ガストル領の動きだった。

 街道の計画はすでに広く流れている。

 その中で商人たちに高い通行料を敷いていたガストルの商人離れが起きるのではないかと噂されているのだ。


「新しい街道が出来た場合、ガストルを通る商人の数が十分の一以下になるかもしれないと言われています」

「商人は通るだけでそこにお金の流れが生まれるからね」

「ぐふふ。それが減る事は領にとっては致命傷になりかねないわね」


 ガストルは街道の計画が広まった時点で通行税を出来るだけ下げたが、すでにそれでは収まらないほどのヘイトが溜まっていた。


「街道の建設は陛下の許可のもとに行われているので強硬な手段はとらないとは思いますが、気を付けてください」


 食材を買いに来ただけなのに思わね危険性を知らされる結果になった。


「だからって、いまから出来る事も無いし。料理対決に集中よ」

「ははは、実にノチアらしいね」


 サンドイッチに使う葉物野菜やバターは用意できる。

 チャーシューの肉もアハトでわざわざ買うものではない。

 ならば、せっかく海沿いの町なのだ。

 探すのはカツオと昆布、あとは魚醤だ。


「アルティさん。水で煮て味を出すような、海の食材ってありますか?」

「煮て味を出す? メアルトとツヴァッシュですね」

「あるの! じゃあ、魚を使ったしょっぱい調味料は?」

「それなら、この店にはありませんが、エントの村で見かけたことがあります。そこでならメアルトとツヴァッシュを使った料理も食べられるかもしれませんよ」

「エントの村ね。ルキラ」

「ぐふふ。地図はあるわ。向かうとしましょう」


 カツオと昆布が手に入った事でテンションが上がった私は料理対決の事をそっちのけで食材探しを始めた。



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