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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
三章 ノチアの為の工房作り

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64 神社の敷地の中

 私は大豆の味の豆を使って豆腐を作る事をアイラとルキラに提案した。

 とくにルキラはスライム麺を作る過程でいろいろな調理法を研究していたようで、私のあいまいな説明から、かなり現実的な料理法まで落とし込んでいた。


「もっとじゃ? もっと撫でるのじゃ」

「魔王の尻尾、こうやって触ると三本しかないのね。揺れていたからもっと多いと思ったわ。あっ、よくよく触ると小さな尻尾がもう一本隠れてるわ」

「むぁ~。その尻尾は駄目なのじゃ~」


 料理下手な私は途中から話について行けなくなってしまって、ゴウオウを撫でていた。

 すると魔王も撫でろと寄ってきたので撫でながらアイラとルキラを眺めていた。

 今は大豆もどきを水に漬けてふやかした上で潰しているようだ。

 それを見た私は、重大な事実に気が付いた。


「あっ、豆腐にするならニガリが必要じゃない!」


 ニガリは海水から取れた気がするが今はここにはない。


「なんじゃ、ニガリと言うのは?」

「その名の通り苦い水よ。あの豆を潰した液体に入れると固めることが出来るのよ」

「苦い液かえ? あんなものが欲しいのか? それならあるぞ」

「えっ、本当に?」


 魔王が立ち上がって神社の中に入っていくので後に続く。

 外から見ても大きかったが、中に入ってみると、荒れ果てているがかなり広い。

 建物の内部には中庭があり、中央には水がなみなみと満たされた人口の池(?)のようなものがある。

 その前で魔王が止まった。

 

「これじゃ、飲んでみよ」

「水は透明で綺麗ね。毒とか入ってないわよね?」

「わらわはそのようなものは入れん。眷属も飲んだが腹すら壊しておらんぞ」


 良く見ると湧き水のようにそこから湧き出している。

 少し怖かったが、掬って舐めてみた。


「――っ、確かに苦い。けど、料理に使って大丈夫か調べる必要はありそうね」

「これに関する書物が残っておったぞ。たしかあそこじゃな」


 中庭の内部にある部屋に入り、本を加えて戻ってきた。

 広げてみると、古い言葉で書かれているのか読むことが出来なかった。


「こんな物があるなんて。魔王は読んだことないの?」

「興味ないのー。そんな物を読むくらいなら、日向で昼寝をするわい」

「とりあえず、これを持って戻りましょう」


 戻ってみると、鍋に火を入れ豆乳の状態にまでなっていた。

 しかし、ニガリが無いので固めることに苦戦しているようだった。

 私が持ってきた本を見せると、意外にも一番反応したのはデュークだった。


「これはずいぶん古い言葉ですね。まさかこのような古文書に出会えるなんて」


 デュークは今でこそ騎士になっているが、元は宮廷の文官を目指したようで、この古い本にも興味があるようだ。

 時間はかかるが解読を任せて欲しいと申し出てきた。

 私は、とりあえずはニガリについて書かれた部分を探してもらい、真っ先に解読してもらう。

 即席なので、部分部分だけの解読になったが、やはりあの水がニガリで間違いないようだ。

 それどころか元々この地域では、あの大豆を食べる為に色々な調理法が編み出されていた事までわかった。


「魔王……うーん。いつまでも魔王呼びも変かな? 良かったら名前を教えてくれる?」

「わらわか? わらわはユングフラウじゃ。フラウで良いぞ」 

「私は……」

「わかっておる。ノチアじゃな、これからはそう呼ばせてもらおう」

「じゃあ、フラウ。許可を貰ったから街道の整備を始めたいの。連絡を取りに行っても良いかしら」

「ならば、デュークとか言う者に任せよ。わらわの眷属を一緒に行かせれば十分じゃろ?」

「デュークはそれでもいい?」

「はい。では行ってまいります」


 デュークがドラゴンに乗り飛び立った。

 残った私たちは、作った豆乳を飲んだ後、建物の中を探索して他の本も調べることにした。

 私の目標は味噌の作り方が書いてある書物を見つけることだ。

 建物の中は、古いわりに風化はしておらず、部屋によっては人がさっきまで住んでいたような綺麗な部屋まであった。


「綺麗ね。魔王が掃除しているの?」

「知らん。眷属が勝手に掃除しておるのじゃろう。わらわは外で寝ておる。終わったら起こすのじゃ」


 一瞬、フラウの態度と悲し気な表情が気になったが、まずは目の前の事に集中だ。


「よーし! 味噌の作り方の書いてある本を見つけるわよ!」 

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