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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
三章 ノチアの為の工房作り

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61 霧の中の出会い

 ドラゴン達に合わせて低空を飛ぶ。


「トカゲども遅いじゃんよ」


 ゴウオウのつぶやきに前を飛ぶドラゴン達が身を震わせるのがわかり、私は優しく撫でる。

 ゴウオウなりの私の緊張を解くための冗談だとわかった。


「ゴウオウ様。これより霧のエリアに入ります。さらに速度を落としますので、どうか今しばらく御辛抱ください」

「ほら、ゴウオウ言われちゃったじゃない」


 私が笑いかけるとゴウオウが鼻を鳴らした。

 霧に突入すると、速度を落とす。

 降りられるような固い地面は見えないのでホバーしながら進んでいく。

 真っすぐ飛んではいるだろうが、霧で進んでいる方向があっているのか確認できない。


「前に降りられそうな場所が見えてきました」


 デュークの声の後に草の茂って場所が見える。

 かなり広いので、ドラゴンを休ませる意味でも降りる様だ。

 降りると同時に一定の距離を取って騎士が私を囲む。

 沼地の中なので、危険な魔物や生物に不意を突かれないためだ。


「念のため、ノチアは乗ったままでいるじゃん?」

「わかったわ」


 警戒しながら奥へと進んでいく。

 すると、声が響いてきた。


『人間よ! 何用で来た』


 涼やかな声だが圧力がある。

 まるで初めてゴウオウに会った時みたいだ。


「魔王じゃんよ」

「魔王!」

「我々は、土地の調査をするために来ました。むやみにこの地を荒らす事は致しません」


 ゴウオウの発言に私が聞き返すと、デュークがすぐに声に対して返答をする。

 しかし、その後に返答はなかった。


(そういえば、この世界は魔王がいるんだったっけ)


 魔王と言っても人に害をなす様な者ではない。

 それぞれの魔物を統べている者を便宜上で魔王と呼ぶのだ。

 ドラゴンも魔物なので、ゴウオウが本気を出してドラゴンを支配すれば、ゴウオウはドラゴンの魔王と呼ばれるだろう。


「魔王がいると言うことは、ここは魔力スポットなのですね。……これは困りました。王国では魔王の権利を保護していまし、争うわけにはいきません」

「話だけだも効けないかな? 敵意が無い事をアピールすれば……」

「ごめんノチア。ワシの所為で警戒されたのかもじゃん」

「それは……仕方ないよ」


 確かに、相手にしてみたら、戦車に乗ってきたようなものかもしれない。

 警戒するなって言う方が無理がある。


「でも、問答無用で帰れとは言われてないし」

『うせよ! 汚らわしき人間が!』

「あっ?」

『ひっ、ま、まあ、話を聞いてやらんこともない』


 ゴウオウの威圧を受けて、霧が晴れていく。

 するとそこには、古い建物が立っていて、田園風景が広がっていた。

 ガストル領の銀鉱山の根本付近から続く段々畑だ。

 綺麗な水が流れ、水車かゆっくりと回る風景は、どこか日本の田舎を彷彿とさせるて、私は懐かしい気持ちになる。


「して、何用で参ったのじゃ!」


 私の前に大きな金色の尻尾が多い狐が舞い降りた。

 二メートルはありそうな体はフサフサの毛に覆われていて、撫でたら気持ちが良さそうだ。

 デュークが私を守るように、狐の魔物と私の間に入って割って入る。


「この度は、このムーハス湿原に街道を通すことになりました。そちらの領土を侵害するつもりはありません。どこまでの範囲内を通ってもよろしいか、お尋ねしたいのです」

「街道? 街道とはなんじゃ?」

「道でございます。あちらにあるような」


 デュークが荒れ果てた道を指さす。


「? あの石で固くなってる部分か? なんの意味があるんじゃ? あそこは寝心地が悪いぞ?」

「道は人が通るためにあります。道が出来れば、そこを人が行きかいます。そうしますといろいろな物も行きかいます」

「おお、食べ物もかえ? 最近芋ばかりで参っていたのじゃ!」


 狐の魔物が興味を持ったように尻尾を揺らした。


(ああー。凄く触りたい。どうしよう)


 難しい話は丸投げして、私は揺れる尻尾を見つめていた。


「では、街道を作る許可を?」

「条件がある! お主らでわらわを喜ばせられる様な物を持って来よ。お主らにとって大事な物じゃぞ。食べ物でも良いぞ? 美味いやつじゃ!」

「大切で美味しいなんてラーメンって事じゃない! あなたもラーメンを愛する人なのね! 任せて! すぐ持ってくるわ! いいえ。材料を持ち込んでここで作りましょう!」

「ふぁ! 尻尾を掴むでない! わかったから尻尾を離すのじゃ! 聞いておるのか小娘!」


 街道のためにラーメンを求めるなんて、良い魔王じゃない。さっそくアイラとルキラを呼ばなくっちゃ。

 やっぱりラーメンは世界を救うのね!


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