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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
三章 ノチアの為の工房作り

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51 ドラゴン乱れる空

「もう、しつこい! いつまでいるのよ」


 ドールを出てダイアに差し掛かると、またしてもドラゴン騎士に遭遇した。

 しかも、前回よりも人数が多く三体いる。

 私は相手から見えずらい様に、姿勢を出来るだけ低くしてゴウオウにくっ付く。


 ゆっくり森から歩くことは出来ない。

 私は思い切って低空飛行をしてもらい、タイミングを見てゴウオウから飛び降りる。

 高速で迫る地面に肝を冷やしながら、魔力で全力で気流を作り速度を殺す。

 気分はムササビだったが、やってみると凄く怖かった。

 収穫の終わった藁の山に着地すると、頭上をドラゴン達が通過していくのが見えた。

 できる確信はあったけれど、もうやりたいとは思わない。

 驚いて様子を見に来た農民に、フードから顔を出して無害をアピールする。


「おったまげた。嬢ちゃんいま振ってきたよなー」

「あはは、見間違いですよー」


 苦しい言い訳をしつつ、ゴウオウにはドラゴンを誘導して振り切ってもらおうようにお願いする。


 ダイアの街に近い位置に降りたので、ここからは徒歩だ。

 マントから足を出してから小さく纏めれば、見た目はただの袋だ。

 マントの中に着ている服は、平民に見えるように質素な男物にした。

 前回は、歩いている所をデュークに見つかってしまったので、上から見ても目立たないようにするためだ。

 帽子で髪を隠して、何食わぬ顔で歩いていれば、私とはバレないだろう。

 そのままダイアの街に向かって歩き出す。


 たぶん、この姿のままで館に行っては問題になるので、前回ポーションの講演をやった広場の近くにある、アイラの研究用の施設を目指す。

 普段はそこにいることが多いと言っていた。


 施設の入り口まで行き帽子を脱ぐと、関係者の一人が私に気が付いたようで、酷く驚いた顔で迎え入れてくれた。

 他領地の令嬢が男物の平民の服で尋ねてきたら、誰だってそうなるので、私は心の中で謝った。

 案内されたお客様用の一室で待っていると、アイラが出迎えてくれたが、やはり酷く驚かれた。


「ノチア、どうしましたのその恰好は!」

「ドレス姿だと目立つと思って」

「だからってそんな……。ふー。ノチアらしいな」


 アイラが背筋を伸ばして聞く姿勢を取る。

 私はドールでラーメンの麺を手に入れた事、そして完全なラーメンの完成をアイラと分かち合いたいことを打ち明けた。


「君の気持ちはわかったよ。うれしいな! 全力で協力しようじゃないか!」

「ドール領側の受け入れはルキラが進めてくれているから、アイラは荷物を載せた馬車を、ドールに向けて先に出発させて欲しいの」

「ノチアのゴウオウに一緒に乗るんだね! なんてすばらしいんだろう。でも大丈夫かな、恐れ多い気がするよ」

「ルキラもそう言っていたけど、大丈夫よ。二人で乗れることもその時に確認したわ!」

「……待ってノチア! 僕以外を先に乗せたのかい?」

「えっ、ええ、ルキラを乗せて海を見に行ったわ」

「――っ! ノチア、今日はダイアに泊まって行くよね?」

「えっと……今日中にラウメに帰ろうかと……」

「泊まって行くよね!」

「うっ、うん」


 何故かアイラに圧を掛けられてダイアで一泊することになってしまった。

 どちらにしろ、上空にはまだドラゴンが警戒するように飛んでいるので、今日中にラウメに帰るのは危険かもしれない。

 アイラの服に着替えさせられた私は、ダイアの館に連れていかれてお風呂に入った後、寝るまでルキラについてアイラに根掘り葉掘り聞かれることになってしまった。

 アイラがルキラに興味を持ってくれたのはうれしい。

 ぜひ二人には仲良くなってもらいたい。


 次の日、アイラに馬車で外に連れて行ってもらって、道端で丸まってゴウオウを呼ぶ。

 ゆっくり乗る暇はないだろうと思った事と、アイラを乗せる場所が警戒されないためである。

 ゴウオウを呼ぶと、そのまま鷹が獲物を仕留める時のように、滑空して手で私を捕まえて、止まらずに空に舞い戻る。


「このままで良いからラウメまでお願い」

「OKだよん。辛くなったら言うっしょ!」


 背中には乗りなおさずに荷物のように運んでもらう。

 振り返ると、追いかけてくるドラゴンは五体に増えていた。


「完全にマークされてるじゃない。このままラウメに戻っていいのかなー」

「なら、ちょっと寄り道するよん」


 ゴウオウが霊峰ファナの方に向かって飛ぶ。

 ドラゴン達も追いかけてくるが、ファナに一定以上近づいたところで雷雲が現れて視界が悪くなった。

 激しい雷雨が起こり、ドラゴン達が慌てて引き返していくのが見える。


「これで大丈夫だよん」


 ゴウオウが軌道をラウメに戻し、ファナから離れると雲が霧散していった。


「ゴウオウでの移動も限界なのかなー」


 面倒ごとには巻き込まれたくないけど、ゴウオウを大手を振って乗れるように、話をしてしまうのも有りなのかもしれない。


「とりあえず、明後日にアイラと合流してから考えればいいか」


 慎重を期すために、ラウメにも丸一日滞在してからアイラを迎えに行く計画にした。

 せっかくラウメに帰るのだから、些末な事は忘れて弟妹成分の吸収に努めよう。

 私はルーナとソラーレの顔を思い浮かべて、考えるのを後回しにした。


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