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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
三章 ノチアの為の工房作り

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41 胃の痛い食事会

 ダイアの街に着くと、そのままポーションの講演の会場に移動する。

 会場は外に設置されていたが、それもそのはずだ。

 会場に着いてみれば溢れんばかりの人がアイラを待っていた。

 ダイアの中心にある広場には百人をゆうに超える人が集まっている。


「こんなに集まっているなんて⋯⋯」

「凄いでしょ? 王国中からポーションの制作者が集まって来ているんだ。これでも人数を絞っているくらいさ」


 アイラの到着が告げられたのか、眼の前の人たちが二手に別れて道が出来ていく。

 そして、中央に一段高い舞台が用意されている。

 アイラは怯むこと無くゆっくりと歩を進め、壇上に立った。


「私のこと色々言うけど、アイラだって凄いじゃないの」


 周りに集まった人達は、当たり前だが年上ばかりだ。

 中央に立つアイラに研究者達が挑戦者のような強い視線を向けている。

 そんな視線に、アイラは真っ向から挑むように視線を返した。

 そして、次々にポーションの生産に対する研究の成果と独自の見解を話し始める。


「まさか⋯⋯つまり⋯⋯」

「しかし⋯⋯ならば⋯⋯」


 その度に、あちらこちらで議論のざわめきが上がる。

 その後も、私にはまるで理解できない高度な話が続く。

 最後の話しが終われば、今度は割れんばかりの拍手だ。 

 まだ、足りないのか帰ってくる途中のアイラに質問しようとして騎士に止められている人まで出ていた。

 私はやりきった顔でまっすぐ帰って来るアイラを迎えた。


「お疲れ様アイラ。すごく格好良かったわ」

「ノチアにそう言ってもらえると嬉しいですわ。本当は逃げ出したい気持ちでいっぱいでしたの」


 それはそうだろう。

 アイラだってまだ十二才なのだ。

 そんな歳でこれだけの事が出来る令嬢が、いったいどれだけいるだろうか?

 私は思わず抱きしめてしまった。


「なっ、ノチア?」

「アイラ、本当に凄かった。私はとても誇らしいわ」

「もう、ノチアったら⋯⋯」


 その後は、馬車に乗り直して帰った。

 緊張があったのだろう、アイラは少ししたら私の隣で眠ってしまった。


「アイラ、色々ありがとう。今日はお疲れ様」


 館に着いた後は、お風呂で汗を流してサリアさんとメリナさんと話して過ごした。

 そして、夕食になったのだが⋯⋯。


「アイラ、どうしてデューク様がいるのよ」

「むしろ、あのタイミングで館に向かっていたのに、なぜ居ないと思いましたの?」


 私が小声で抗議するが、確かに言われてみればそうである。


「ノチア嬢」

「はっ、はい」

「ノチア嬢は竜の願いを叶えたと聞きました。私のグロンドを前にしても怯えていなかったのは、すでに竜と対峙していたからなのですね」

「竜の願い?」

「ピーピンバードの討伐ですわノチア」

「あっ、ええ、出会った竜がとても理知的な方だったので、私も怯えずに済みました。初めての出会いが良かったのです」

『理知的! ノチアはワシの事わかってるんよ』

「ゴウオウ!」

「どうしたのですかノチア嬢」


 急にゴウオウに話しかけられて、大きな声を出してしまった。

 何も聞こえない周りの人達がビックリして目を瞬かせている。


「申し訳ありません。料理がとても美味しかったものですから」

(ちょっと、ゴウオウ! 話しかけるにしても状況を考えてよ!)

『マジすまん。ワシ竜だから空気読めないんよ』


 私が表情を取り繕ってゴウオウに文句を言っていると、アイラが話を反らしてくれた。


「そういえば、なぜデューク様はわざわざダイアまで?」

「それは、ソラチに王都で流行りの写本をサリア嬢に贈りたいと頼まれましてね。⋯⋯っと言うのはあくまで建前なのです。本当はダイアに来る回数を増やそう祖父が取り計らったのです。シュリン伯爵には何度も訪問を許していただき感謝いたしております」


 デューク様がシュリン伯爵に頭を下げた後は、アイラが会話を上手く誘導することで穏やかに終了した。


 次の日になって、アイラに見送られてドールへと馬車で出発する。

 もちろん私は、途中で教えてもらった場所からゴウオウに乗ってラウメに帰る。


「ゴウオウ、今日もお願いね。ところで、昨日のドラゴンには会ってないわよね?」

「会ってないよん。会ってもあんなの余裕でぶっちぎるじゃんよ」

「お願いだから見つからないようにしてくれる」

「いくらノチアのお願いでも、それは出来ないんよ。気をつけるけど、竜はドラゴンから隠れたりはしないんよ」


 ゴウオウから絶対に譲らないと言う意志が伝わってきた。

 下手に無茶を言ってドールに行かないなんて言われてしまっては嫌なので、私が折れるしか無かった。


「なんとか無事に帰れたら、デッカに頼んで正体を隠す仮面でも作ってもらうしかないかなー」


 どうか、鉢合わせませんように。

 そう願いながら、ラウメに向かって私は飛んだ。


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