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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
三章 ノチアの為の工房作り

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26/63

26 山の麓にて

 それから数日、デッカの指示で工房を作らされた後、冒険者ギルドに頼んで山で陶器に最適な土を採取しに来ていた。

 デッカは鍛冶を始めるみたいで今回は来ていないので、メンバーは私とアイラとメンマ、ダグとポポン、そして護衛のテスラさんの五人と一匹だ。


 ラウメ領は西と東の両方に山があり(西は正確にはエリス大森林だが)今回来ているのは東の山の霊峰ファナだ。

 ポポンの見立てでは、こっちの方が良い土が採れるらしい。


「ダグ見て、これも凄い良い土だよ」

「本当だす。これで三種類目の土だすよ。ラウメ領の土がこんなに良いなんてビックリだす」

「うう~。かわいいっす。かわいいっすー」


 ダグとポポンが楽しそうに土を採取してる後ろでテスラさんが悶えていが、それは別にダグとポポンの事を言っているわけではない。

 山に来ると言うことで、普段は館で運動不足になっているメンマを連れてきたのだが、なんとテスラさんがメンマに一目惚れしてしまったのだ。


 今もネコ吸いならぬメンマ吸いをしている最中だ。

 メンマも可愛いと言われることは満更でも無いようで、苦しゅうないっと言った感じで吸わせている。


「テスラさん。ダグは戦えないんだから、ちゃんと警戒もしてね?」

「わかってるっすよ~。護衛任務は完璧にこなすっす。んん~。す~、は~」

「大丈夫さノチア。いざとなったらボクが編み出した必殺の技で守ってみせるよ」

「⋯⋯アイラ様も護衛対象だからね?」


 私は、山に行くと聞いてから気合が入っているアイラに突っ込みを入れる。

 今日は、ポーション作りでずっと外に出ていないアイラの気分転換も兼ねている。

 麓の浅いところの探索なので、雰囲気としてはピクニックみたいなものだ。

 みんなリラックスして採取している。


 ピーピンバードがいなくなった事で、周囲に鳥たちが戻ってきたて、山はとても賑やかだ。

 日差しは柔らかく、風がとても心地よい。

 緩やかな斜面から見下ろせば、太陽の光を反射してキラキラ輝くグロス湖が遠目に見える。


「気持ちがいいねー。弟達が生まれたら、皆でもう一度一緒に来たいよ~」


 この世界ではあまり狩り以外の目的で山に入ることはない。

 せっかく景色のいい場所もあるので、余裕が出来たら整備しても良いかもしれない。


「そろそろお昼ご飯にしましょうか?」

「おっ、いいね。今日のお弁当には例のあれが?」

「うん! アイラが完成させてくれた醤油を使って、ついに完成したチャーシューの試作品が入っているよ!」


 そうなのだ。

 ケイシーさんに協力してもらい、アイラの作ってくれた醤油を使ってチャーシューを作って持ってきたのだ。

 試作品なので形も味もまだ本物には程遠いけれど、アイラと一緒に食べて、これから更にレシピの完成度を上げていくつもりだ。


「ノチアの手作りを食べられるなんて光栄だよ。どれがノチアの手作りなんだい?」

「これとこれかな? ほとんど、ケイシーさんにやって貰っちゃったから完全な私の手作りじゃないけどね」

「そんなの構わないさ」

「メンマーもおいでー。メンマ用のご飯もあるよー」


 私がメンマを呼ぶとちょこちょこと駆け寄ってくる。

 メンマは草食なのでお弁当は別だ。

 そして、草食なはずなのだがツバレッサの角だけは大好物なので、今日のは特別にツバレッサの角を薄くスライスしたのが入れている。

 メンマが目をキラキラさせながらお弁当箱を覗き込む。


「あっ、不味いっす」


 テスラさんが私の前にシールドを展開した。

 一匹の鳥がお弁当を狙って飛んできたのだ。

 そして、あろうことかメンマのお弁当を加えて飛び立ってしまった。


「メッ、メメー!」

「あっ、待って!」


 メンマがそれを見て、後を追う様に走り出してしまう。

 幼体とは言え、グレート・メイはプライドの高い生物。

 やられたままには出来なかったのだろう。

 私の静止を聞かずに山を駆け上っていってしまう。


 私も追いかけようとするが、テスラさんに手を捕まれてしまう。

 護衛はテスラさんしかいない、私が追いかけてしまってはアイラやダグを護衛できなくなってしまう。

 テスラさんの苦悶の表情を見て、私は力を抜いた。


「大丈夫だよー。ほらー」


 私達のやり取りをみていたポポンが魔法で小屋を作る。

 アイラもダグもすぐに中に入った。


「私達は大丈夫ですわ。ノチアは気になさらないでメンマを追ってあげて」

「⋯⋯うん。ありがとうアイラ!」


 テスラさんを見ると、まだなにか言いたそうな顔だったが頷いてくれた。

 メンマが心配なのはテスラさんも同じなのだ。


「護衛としては失格っすけど、メンマも助けなきゃっすね。気合いれて付いてくるっすよノチアっち!」


 私はテスラさんと共に山を駆け登っていく。

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