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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
二章 器を求めて

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19 ドワーフとノーム

「それは間違いなくゴウダン剣マーク23! お前さんいったいそれをどこで手に入れたんじゃ!」

「ゴウダン剣マーク23? この剣が?」

「そうじゃ! この木の根の巻き付いた様な鍔のデザインは、間違いなくゴウオウを斬るためにワシ達が力を合わせて打った剣じゃ!」


 ババンっとでも言うようにおじさんがポーズをとった。


「ゴウオウを斬る剣だからゴウダン剣ってこと? 確かにこれはゴウオウから貰った剣だけど⋯⋯。使ってた人が捨てたって言ってよ? あっ、返すね」

「捨てた! やつめが、自分は勇者などと言っておって斬れんかったのを剣のせいにでもしたのか! 役立たずのくせに性根も腐っとる!」 


 そう叫ぶと、おじさんはその場で地団駄を踏み始めた。

 おじさんの身長は私より少し高い程度だが、腕の太さは成人男性よりも確実に太い。

 これは⋯⋯


「ドワーフ?」

「なんじゃ嬢ちゃん、ドワーフを見るのは初めてか? そんな珍しいもんでもないだろうに。まあワシほどのイケメンはそういないじゃろうがな! がーはははっ」


 いちいちリアクションも声も大きい人だ。

 私は剣を腰から外し差し出した。


「おじさん、はい」

「おじさんではないわい。ワシにはデッカという名前がついておる。それに構わん、その剣は嬢ちゃんにやる。その剣を越えるような剣を打って、次こそはゴウオウをギャフンと言わせてやるんじゃ」

「本当? 私はノチア。凄く使いやすい剣だったから譲ってくれて嬉しいわ」

「ほほう? 嬢ちゃんのような身長でその剣を扱えるとはのう。もしかして嬢ちゃんもドワーフかい?」


 デッカがヒゲを触りながら私の全身を見た。

 失礼な。確かに今の身長ならデッカとそこまで変らないが、八歳なのだからこれから伸びるのだ。

 私が若干、身長のことを気にしていると更に声がする。


「デッカー。やっと追いついたー」

「遅いわ、ポポン。鈍臭いぞ」

「ポポンはのんびりが良いんだよ~」


 ポポンと呼ばれた少年は私より小さかった。

 ヒゲが無いけどこの子もドワーフなのだろうか?

 のんびりした口調と同じのんびりした顔をしている。

 私より小さいので、思わず頭をよしよしと撫でたくなってしまったが、我慢した。


「じゃあ、私達はこれでもう行くわね」

「わっ! 待って。その手に持っている器はなに!」


 そう叫ぶとポポンが素早く私の前に回り込んだ。

 先程までののんびりからは想像できない速さに、私は瞬きする。


「これ? これはダグが作った陶器の器よ?」

「ダグ? 誰? 後ろの子? 君が作ったの?」

「おっ、おい。ポポン?」


 今度はダグの手を取った。

 相変わらず早い動きだ。

 デッカも心無しか狼狽えている。


「凄いね。丁寧に練ったんだろうね、すごい土が喜んでいるよ。それにこの形、まるで土と会話して、なりたい形に導いたみたいじゃないか。指先がなんて繊細なんだ。こんなに薄く出来てるのに偏りがなくてしっかり結合してる。それから⋯⋯」


 ポポンは早口でまくし立てると、デッカが額を押さえて「また始まったわい」と呟いていた。


「君のことが知りたいな。もっと見せてよ! 次の作品はいつ? どこに住んでるの?」

「おっ、おい。ポポン! ワシの剣を打つ⋯⋯」

「うるさいなデッカ! 文句があるならもう工房に一人で帰りなよ」

「えええ~」


 デッカはその後は口を噤んだ。

 ポポンの暴走を止められないと悟ったようだ。

 ダグが私に助けを求めるようにこちらを見る。


「ごめんなさいポポン。ダグはこれから私の領地で工房を開くの。だからそのための手続き急がなきゃいけないのよ」

「工房? わかったポポンもついてく。ポポンはノームのポポンて言うんだ、あなたは?」

「ダッ、ダグって言いますだ」

「ダッダグ! よろしく!」


 あれよあれよと言うままにポポンが付いてくることになり、デッカも渋々賛成した。

 まさかドワーフの職人も来てくれる事になるとは思わなかった。

 言い方が悪くなってしまうが、エビでタイを釣った気分だ。

 私は小さくガッツポーズをした。

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