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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
六章

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111/113

111 交渉

 急に響いた声に驚くが、周りに私たち以外がいないことはわかっている。

 十中八九、ゴウオウの言っていた私たちの様子を見ている者だろう。

 私はそのまま話が出来ないか、心の中で語り掛けてみる。


(主様って言いましたか? あなたは竜本人では無いということですね?)

『左様。私は主様に長年仕えし、眷属である』 

(見極めているとおっしゃいましたが、竜はその場にいるのですか?)

『左様。現在も私のお側で控えておられる』


 ラウメまでわざわざ様子を見に来ていると言った。

 そこまで三姉妹の様子を気にしているのならば、新たな巫女が出る期待はもてそうだ。


(それは巫女として気にかけていると言う事でしょうか?)

『少し違うな。元よりずっと主様はドーリッシュの者を我が子の様に思い、見守ってきた。それはこれからもかわらんだろう。しかし、それでも巫女はこの数十年選ばれてはいない。全ては主様のお心次第だ』

(理由はあるのでしょうか?)

『わからぬ。主様には何か深いお考えがあるのだろう』

(……長年仕えていると言ってもその程度なのね)

『むあ! そんなわけあるか! このナーボスは主様とつぅかぁだ!』

(あっ、しまった……)


 心の声で話しているので、つい私が思った落胆までそのまま伝わってしまった。

 声の相手を怒らせてしまったようで言葉遣いが乱れている。

 つぅかぁが何かはわからないが、意思は汲めていると主張したいのだろう。

 しかし、この反応は逆にチャンスに出来るかもしれない。


(申し訳ありません。もちろんナーボス様はつぅかぁです)

『当然である!』

(そんなつぅかぁなナーボス様ならば、主様が快くお会いしてくださる条件をご存じですよね?)

『…………とっ、当然だ……』


 強引だが竜と話せる機会がもてそうで、私はバレない様にガッツポーズを取った。

 シア達やナーボスと話して思った事は、竜の意思を自分たちで勝手に解釈していると言う事実だ。

 言葉を貰えないのでしょうがないのかもしれないが、竜の沈黙に周りが空回りしている感が否めない。

 このままでは竜を抜きにして独り相撲をしているだけだ。

 言葉を交わさなければ不幸になると思う。


(その方法は何ですか?)

『主様を喜ばせたいのならば酒と宝石だ』

(……あなたが欲しいのではないのですよね?)

『むあ! 馬鹿にするな! ナーボスの望みはいつだって主様がお喜びになる事だ』

(当然でしたね。申し訳ありません)


 思いのほか俗っぽい要求につい疑いが出てしまった。

 しかし、ナーボスから伝わってくる感情は本当に喜んで欲しいと言う思いだった。


(ではお酒と宝石を用意します)

『ふん! ただの酒と宝石では駄目だぞ?』

(それは……)

『自分で考えろバーカ!』

「バーカって、私情じゃない!」


 私の不用意な発言で怒らせてしまったようで、要求が上がってしまった。

 思わず出た言葉を聞いたのか、言い争っていたシアたちが私を見ている。


「竜に会う許可が貰えそうだわ」

「余計! 頼んでない! それは私の仕事」

「竜に直訴したのですか! それは迷惑では無いのですか」


 私の発言を聞いてフランとディアが噛みついてきた。


「私が頼んだのです! それでいつお会いになられるのですか?」

「それはまだわからないわ。条件があって……」


 シアに聞かれて答える前にディアを見る。

 まずはディアの勘違いだけは正しておくべきだ。


「その前に言っておきたいの、竜はドーリッシュの人々を見限ってはいないわ。わざわざラウメ近くまであなた達の様子を見に来ていたのですもの」

「じゃあなんで巫女を選んでくれないの?」

「それは私にもわからない。でも、ちゃんと話し合わないといけない事は確かだわ」


 竜が見守ってくれていた事実に三姉妹の顔が綻ぶ。

 提示された会うための条件を満たす為には姉妹の力が絶対に必要だ。


「会うために用意する物があるの。それはお酒と宝石よ」

「竜様の好きな物を送るのですね?」

(本当に好きな物だったんだ……)


 竜と長年寄り添って来たドーリッシュの人間ならば、特別なお酒や宝石にも心当たりがあるだろう。

 私はただのお酒や宝石では駄目だと言われたことを伝える。


「それは……領地から持ってきた代々の巫女様の日記を確認してみる必要がありそうですね」


 シアが持ってきたと言う日記を見る為に、宿泊している館に向かう事になった。


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