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凄い加護を貰いましたが、私の夢はラーメンですよ女神様!  作者: 千両
五章

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101/113

101 早駆け

「出店はここの範囲でお願いします。屋台の貸し出しもしていますが、どうしますか?」

「お願いします。選べるようなら、屋台の設備を確認したいのですが?」

「構いませんよ。登録の後に案内いたします」


 貸し出される組み立て式の屋台を確認したが、王都だけあって設備の自由度は高くラーメンを販売するのに十分な設備が揃っていた。


「問題は材料ね。味噌ラーメンを出すなら味噌は不可欠よね」


 大会の開催は三日後だ。

 さすがにラウメやダイアに戻っている時間は無い。

 そこで私はシリオスを頼ってみる事にした。

 シリオスの領地は王都よりなので、ゴウオウで無理をすれば三日の往復は可能だ。

 料理対決をした流れで、シリオスのウーファ領でも味噌の開発をしていたのが、役に立った。


「あとはシリオスを説得できればいいだけだけど……」


 ――――


「もちろんオーケーですわ。またノチア様の伝説の始まりですわね!」


 シリオス達の宿泊しているタウンハウスの場所を聞いて説得に行った私を迎えたのはフェリシアのそんな言葉だった。

 シリオスは大貴族だけあって、さまざまな情報がつねに入ってくるようになっていて、私の事情も大体掴んでいた。

 すでに私の言いたいことを先回りしていた事がフェリシアの出迎えの言葉で分かった。


「これがウーファ領で味噌を手配する旨を書いた手紙だよ。こんなことしか協力できなくて申し訳ないね」

「いいえ。助かったわ! ちゃんとお礼をしたいけど、急がなきゃいけないの。ここでゴウオウを呼んでもいい?」

「ゴウオウ様に乗るのですね。私も一緒に……」

「コラ! フェリシア。遊びじゃないんだよ」

「ふふふ。今度ゆっくり出来るタイミングで乗せてあげるわよ」

「約束ですわよノチアお姉さま!」


 フェリシアと約束を交わした後にゴウオウを呼ぶ。

 馬車で王都まで来たのでゴウオウと会うのは久しぶりだ。

 私の呼びかけに反応したゴウオウはすぐに私の前に降りてきた。


「ノチア酷いじゃんよ! ワシの事なんて忘れてたじゃん!」

「忘れてないわよ。でもごめんなさい。久しぶりねゴウオウ」


 ゴウオウが甘える様に顔をこすりつけてくる。

 少し合わなかっただけで、甘えん坊にでもなってしまったようだ。


「ノチア臭いじゃん!」

「ええ! 酷い! そんなに臭いかしら」


 久しぶりだというのに酷い事を言われてしまった。

 失礼過ぎる。

 馬車での移動時は別だが、私はちゃんと毎日お風呂に入っている。


「これからウーファ領まで飛んでもらうけど、お風呂に入っている時間は無いわ。それでもいい?」

「そういう臭いじゃないじゃんよ。……まぁ、乗るじゃん」


 臭いと言われてもこれからウーファまでの往復を強行しなければならない。

 そのことを言うが、ゴウオウが濁すように返事をして、乗るように促してきた。


「それじゃあ、行って……」


 振り返ってフェリシアを見ると、跪いて祈るように涙を流していた。

 なんだか、この反応にも慣れてきた気がする。


「ノチアお姉さま。ご武運をお祈り申し上げます」

「ありがとうフェリシア。行ってくるわね」


 フェリシアに挨拶を済ませてウーファ領へと飛び上がる。

 馬車と違って直線で進めるが、今回は時間との勝負でもある。


「ゴウオウ全力でお願い」

「本当? ワクワクが止まらないじゃんね!」


 嬉しそうに喉を鳴らしたゴウオウが加速していく。

 ゴウオウに乗っても普段は契約のお陰であまり受けない風の影響が徐々に出てくる。

 私は未知の加速に必死にしがみついて耐えた。


「ノチア大丈夫?」

「ええ、でも全力まで出させてあげられなくてごめんね」

「気にすることないじゃんよ」


 結局、加速の途中で私の限界が来てしまって、それ以上の加速が出来なかった。

 改めて竜と言う存在の凄さを思い知らされた結果だ。


「でも、無理したおかげでもうすぐ着きそうね」


 手紙と一緒に渡された地図で確認すると、すでに半分ほどに来ていた。

 八時間ほど飛んで休憩するために森の中に降りる。


「あっ、あれ?」

「ノチア、フラフラじゃん。休むじゃんよ」

「ありがとう」


 地面に降りた私は、想像より疲れていたようでフラついてしまった。

 その場で腰を下ろすと、持って来ていた水筒でお茶を飲む。

 すでに冷えてしまっているが、砂糖が入っているので体が喜んでいるように染みわたった。

 長めに時間を取って体を休ませているとあたりが暗くなり始める。


「そろそろ行かないとね」

「この後はゆっくり目で飛ぶから、背中で寝るじゃんよ」


 休憩の後は体に負担の無い速度で飛んでもらった。


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