キングスフォード公爵家の内情4
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「お呼びですか?ヤーコン様」
ヤーコンの更に下で働く者のようだ。
「ハンナ嬢に城の中を案内してほしい」
「かしこまりした」
影の様に働いている人間なのかもしれない。存在感をあまり感じさせない男だとハンナは思った。
「ところで、ヤーコン様。昨日わたしが届けたものは見ていただきましたか?」
「お届きものですか?」
ヤーコンは眉をひそめてから両肩をすくめる。
「何かおいしいものでも届けていただいたのでしょうか?」
冗談だと思ったのか。
やはり手紙は届いていないようだ。
そういうことね。
それから部屋を出るとハンナはマッキノンに着いて城の中を見回った。もちろん自分の護衛騎士のひとり、ソルディも一緒にである。
「ハンナ嬢。キングスフォード公爵家の城は広大なためとてもではありませんが、一日ではすべてご案内できません。本日は外を、明日は中をご案内したいと思います」
「お願いするわ」
そして歩いてみてわかったのは、マッキノンの言う通り、壮大な大きさだということだった。
実家の伯爵家と比べてみても仕方はないが、本当に大きい。さすがとしか言いようがない。
城外は表は庭園が広がり、緑の木々が整然と植わっておりきれいに剪定されている。
そして裏には兵舎があり、演武場では兵士たちが練習を行っていた。
だがよく見ると兵舎は急仕立てなのか、家屋をぶちぬいて改良しているように見える。
「ここは今まで何だったの?」
「はい。離れの家屋がございました。先の公爵閣下は私兵はお持ちではありませんでしたので。ですが、ウィルバート閣下は私兵を組まれることになりこちらを改良されたのです」
今まで私兵は持っていなかったということなのか。
「そうなの」
なぜ私兵を持つことになったのだろう。
ここにも何か疑問点がある気がする。
ハンナが通りかかると兵士たちは陽気に挨拶をしてくれた。
「マッキノン。今日はどちらのお嬢様だ?」
「こちらはハンナ嬢です」
「ハンナ・キャロライン・バーディナです。しばらくこちらにお世話になることになりました。よろしくお願いします」
マッキノンがハンナのことを公爵夫人の妹だと紹介しなかったので、ハンナはそれは言わないほうがいいのだろうと踏み、名前の紹介だけに留めた。
「閣下のお客様ですか?」
「そうです。伯爵令嬢ですから、礼節を持った対応をお願いします」
「そうなんっすね。またいつでも遊びにいらしてくださいね。汗臭いですけど女性に見られると頑張るやつもいるんでー」
概ね皆友好的だわ。
屋敷の中とは違うわね。
「訓練がんばってくださいね」
ハンナはみんなに手を振られながらその場を去るとマッキノンに質問してみた。
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