ビアンカの告白3
【一度殺して過去からやり直させろと。そしたら双子の命は助けてやると】
双子が自分の子でないこともばれたのかしら?
【ジェイに乗りながらわたしが気が狂いそうになって叫んでいたのを見られてしまった。外だからと安心していたけれど、常に監視していたみたい。だから双子がやつの子でないことがばれたの】
「どういう意味だ?クロノスの加護持ちは指定した場所へと逆戻しできるのか?」
「はい。そうみたいです。そのためには加護持ちが対象者の命を奪う必要があります。そして加護持ちが指定すればその時に戻せるのです」
「なんという能力だ」
どうやらクロノスの加護者として日々成長しているらしい。最近は何も調べずとも何ができるのかわかる様になって来た。
勝手に頭の中で理解している。最初から知ってたみたいに。
これも神の与えたものなのかもしれない。
だけどそれをフランチェスコが知っていたとは……どこまで調べつくしているんだ。ぞっとする。
【ここからはまだ実行していないから、うまくいったとして書くわね。
わたしは彼のいうとおり彼を殺すつもりよ。そして間髪入れずに公爵家を出奔する。やつの願いを阻止するためにね。
わたしが生きている限りやつの望みをかなえるためにあいつの父親バイロンは何をするかわからない。
わたしが死ねば絶対にそれはできない。だから死ぬの。そしたらあいつは永遠に死んだままよ。
フィーネとグスタフにはフランチェスコ閣下を助けるためには一年必要だと言っておくの。わたしが身を隠して術を使わねばならないと。
そしたらあいつらは一年間祈り続けるでしょう。主人の帰りを待ち続ける。ばかみたいにね。その間にあなたが双子を救い出してくれれば……。
だいたい彼らはわかっていないのよ。フランチェスコが過去に戻れたとして、双子を助けるとか……。過去に戻ったらわたしはここにいないのよ。そしたら双子が彼らとかかわることはないはずなのにね。バカとしか言いようがないわ。
これでフランチェスコは永遠に葬り去れる。後はあいつの父バイロンのみよ。あの男には気をつけて。絶対に報復にやってくるから。
そろそろ戻るわ。明日実行するの。もちろん簡単には死なせない。思い切り苦しめるつもりよ。
今までありがとうハンナ。ハンナととウィルバート公子様に全てを委ねます。こんなバカな姉でごめんね。ではくれぐれも双子をよろしく……】
しばらくふたりとも何もいうことができず黙り込んでいたがウィルバートが口を開いた。
「何と言うか……あまりに色んなことが一気にわかって何も言えないな」
「はい…そうですね」
頭が混乱している。整理したいが追いつかない。
「だが、ハンナ。ここを早めに出たほうがいい。もしグスタフやバイロンが俺たちをつけていたら……」
本当はじっくり頭を整理したいけれど、ウィルバートの言う通りだ。
「そうしましょう」




