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秘密の洞穴

「いいぞ。ゆっくり慎重にいけよ」


「はい」


ゆっくりと枝を推してみるとびよんびよんと弾力が感じられたので、そろそろと枝を伝っていく。


問題なさそうだ。


ゆっくり動いて木の大きな幹にめがけて芋虫のようにだ。


ようやくたどり着いたところで、昔ビアンカと見つけた枝と枝の間にある小さな穴を探してみた。


「あった!」


そこは昔とかわらない大きさで存在しており、その中には予想通り白い封筒が埋まっていた。


少し変色しているが、これならまだ読めそうだ。


ぐいぐいと取り出して、下にいるウィルバートに封筒を見せて手を振った。


「見つけました。戻りますね」


「ああ。気をつけろよ」


「はい」


そろそろ戻って何とか窓枠までたどり着いた。枝から窓に向かって飛びたいが、このまま飛ぶと固い床に落ちてしまうことになる。どうしようか……。

すると下から大急ぎで戻ってきたウィルバートがやってきて、手をひろげてくれたので、その胸めがけて飛び込んだ。


えいっ!



「おっと……大丈夫か?」


固い。

けれど大きくて筋肉質なその胸板がとても頼りがいがあるように感じた。

安心感がある。


「ありがとうございます。ウィルバート様がおられなかったら床に落ちてしまうところでした」


「ああ。ずっとこうやっていてもいいんだが?」


「え?な、何を……」


よく考えてみたら、首に手をまわして抱き着いているような状態になっている。


あわてて首から手をはなすが、ウィルバートはお姫様抱っこしたままだ。


「なかなかいい構図だと思わないか?」


「何がですかっ!」


「男女はこうあるべきだろう?」


「降ろしてください」


仕方ないという風に肩をすくめて降ろしてくれたウィルバートに照れ隠しのようにハンナは枝の間から取り出した手紙を差し出した。


「ありました。読みましょう」


「俺も見ても大丈夫なのか?」


「ええ。見てください」


ふたりしてソファで横に腰掛け、間に手紙を置く。

取り出した時からかなり分厚いとは思ったが中を開けてみたら、十枚の便箋にびっしりと文字が並んでいる。

何を知ることになるのかと怖くもあったが、深呼吸をひとつすると、心してハンナは声を出して読み上げていった。

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