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真実3

「今の話からすればバイロンがフランチェスコ閣下の誠の父親でしょうか?」


「そうなる。不思議だ。今まで忘れていたのに突然思い出したぞ」


「それはたぶんわたしとこの日記のせいです」


「どういう意味だ?」


「わたしにはクロノスの加護があるので、過去の人間と疎通した際、感情とかいろんなものも一緒に流れ込むそうです。だからその感情の流れから奥底にあった記憶が出てきたのでは?」


「なんという……」


すごい能力だ。

自分のアレスの加護もすごいとは思うが……。


「それにしても……バイロン?どこかで聞いたことがある気がするが……」


「日記で聞いてみます。母君に」


「そうしてくれると助かる。俺は今更ながら父、いやあの男を許せない。俺に母に会わせないように仕向けていたのはフィーネだ。あの女は俺に毎日『母君はご病気ですから坊ちゃんに会いたくないとおっしゃるのです』と言い聞かせるように言っていた。それで俺は洗脳されたんだ」


父などとこれからは呼べるわけがない。

それにしても色々と思い出す。

これなら少ししか会ったことがない祖父母のことも思い出さないだろうか?


「あの男があっさりと死んだのは、母を殺したせいかもしれないな」


「え?」


加護持ちを殺せばその本人は最悪な死に方をすると言う言い伝えがある。


「あ……本当ですね」


「ああ……」


どうやって死んだのかわからない。苦しんで死んだのなら本望だ。


しかし何という……。

あまりに突然色んなことがわかって頭がパンクしそうだ。


「ハンナ。ひとつだけ言わせてくれ」


「はい。なんでしょうか?」


「ありがとう」


「え?」


驚いたようで、目を丸くし、そして真っ赤になって横を向いた。


「君がいなかったら真実がわからず俺は公爵家を去り、兵士として一生を過ごしていただろう」


そしてそこで双子のことに思い及んだ。


双子は公爵家の血が入っていない。


ウィルバートが固まったのを見て、ハンナは察したのだろう。


「双子はすべて解決したらわたしが実家に連れて帰ります。姉の子であることは確かですのでわたしが責任をもって育てますからご心配なく」


「それは……」


双子に対する思い入れははっきり言うとなかった。

あの男の誠の子で自分は不貞の上で出来た子だと思っていたからだ。

だが、そうではなかった。


先日はじめて双子と出かけた。

そのときに少しではあるが双子に親近感を覚えていたところだった。


「それは少し考えさせてくれ。今はそこまで考えが及ばない。とにかく今は公爵家を乗っ取ろうとしている輩を許さない。あの男の息がかかった者たちをしらみ潰しにし、公爵家を取り戻す」


「はい。一緒に解決しましょう」


手でこぶしをつくってそう言うハンナを見て、思わず涙がこぼれそうになった。


関係ない人間にここまでしてくれるなんて……。


惚れても仕方ないと思え。

この俺がはじめて惚れた女だぞ。


くそっ!

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