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日記の中の夜景の綺麗な丘


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ウィルバートが出てきて、手を差し出してきたので、エスコートされることにした。


「どうだ?うまかったか?」


「ええ。とても。また来たいですわ」


「ああ。今度はふたりで来るか」


にやりと笑って馬車へと乗せてくれる。

どんな顔をしたってドキッとしてしまうのはイケメンすぎるからだろう。

馬車の窓から外を覗いてはしゃぎまくっている双子を見ながらまた横にウィルバートの体温を感じて少しこそばゆい気がしていた。


それからジェニファーが来たがった動物園でいろんな動物をはしゃぎながら見て、そのあと公園でクレープをほおばってからようやくモーゼの丘にたどり着く。

双子がいるので夜景というわけにはいかないが、気づけばもう夕暮れ時だ。


ふたりはここに来て、キスを……。

二十七年前の出来事だが、目の前のベンチに座って抱き合いキスをするふたりが見える気がしてくる。


「座るか?」


双子はわいわいがやがやはしゃいでいるので、ウィルバートのエスコートでベンチに座った。


「眺めがいいな」


「ええ。すばらしいですわ」


キングスフォード公爵領が一望できるのだ。

目の前には公爵領の資金源である金麦の小麦畑が広がりその先には青い海が微かに見えていた。

反対側にはプリングの街並みが見え、その向こうの少し小高いところに大きくて白く美しいキングスフォード公爵城が聳え立っている。

美しい景色である。


「ここに来たのは初めてじゃない気がする。小さい頃に来たことがあるな」


「まぁ。ウィルバート様なら女性と何度も来ているのかと思いましたわ」


「え?」


キョトンとした顔でハンナを見る。


「俺はこんなところで口説くような女と今まで付き合ってはいなかったからな」


「え?」


「俺が相手にしていた女は皆遊ぶことが目的だ。夜会で知り合ってそのまま朝まで過ごしてさようならだ。こんなロマンチックなところに来ることなどない」


「ああ……」


「だから俺もこういうのは初体験だ」


「荒廃的な生活を送られていたのですね……」


「はっきり言うな」


ふふふと笑ったら、ウィルバートも笑った。


「君は本当に飽きない。今度はふたりでここに来よう。夜にな」


「そ、それは……ノーコメントで……」


「ふふ」


ウィルバートはじっとハンナを見つめてきたので、ハンナは思わず照れ隠しに俯いてしまった。


いやだわ。顔が赤くなっているかもしれない。薄暮の頃でよかった。


「そろそろ行こうか。双子はもう夕食の時間だろう?」


「はい。そうですね」



楽しい一日になった。

お読みいただきありがとうございます。

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