やはり変な魔術がかかっている日記帳
【六月二十四日 晴れ
プリングでデートした。とても素敵な一日だった。まずはお昼ご飯にパスタのお店『パストラル』に入った。侍女や護衛騎士には事前に言い含めてあったからふたりきりで食事を楽しめたわ。エイダン公子様ったらとても所作がお綺麗。さすがフィリーズの血筋でいらっしゃる。
そのあとはキトラ公園でのんびりしながらドーナツを食べてそして最後に夜景のきれいな丘モーゼで美しい景色を見た。最後になんと!口づけを……。エイダン様……好き……キャー書いちゃった。どうしよう】
ここまで読んで思わずぷっと噴き出した。全くこの女性の日記は毎回楽しい。
それにしても会って三日で口づけとか早すぎ。
すごいやり手ね。エイダン様もあなたも。
【もうひとりのあなたへ
あなたの生きる時代がロズウェル歴六ニ八年ですって?じゃぁあなたは未来人だわ。今は六〇一年よ。あなたは未来人だったのね。すごいわ。ほんとにあるのね時空を超えた交換日記。ということはあなたはわたしたちの子孫?いやでもあなたは双子の叔母と言っていたわね。双子がわたしたちの子孫かしら?でもわたしはプレストンへ嫁に行くかもしれないし……。公爵家はどうなるのかしらね】
え?
最後の文章を見て、混乱した。六〇一年?今から二十七年前?そんな過去の女性が書いてるの?
ウィルバートが二十六歳だから彼が生まれる一年前の出来事ということ?
そのとき公爵家にいた女性がこれを書いている?
ばかばかしくなってきた。
一体何なのだろうこの日記は……。
幻想を植え付けるような魔術がかかっているのだろうか?
そうだ。明日図書館で探してみよう。
こういう事例がないかどうか……。
【六月二十五日 雨
今日は格段何もなかった。だけど明日ウィルバート様と双子とともにプリングに遊びに行くことになった。とても楽しみだわ。わたしも『パストラル』に行ってみようかしら。今もあるかな?
もうひとりのあなたへ
過去の人だったとは驚きだわ。時空を超えた交換日記なんて有り得るのかしら?明日図書館で事例を探してみるわ。エイダン様との恋うまくいきそうでよかったわ。応援してるわね】
簡単に書くと鍵を閉めた。
この日記に対する疑念の方が高まっている。
明日絶対に調べよう。




