驚くべき事実3
「双子のことか?」
「はい」
「あなたにとっては情はないのかもしれませんが、わたしにとってはかわいい甥っ子と姪っ子です。姉から届いた手紙にも『くれぐれもふたりを頼む』と遺言のように書かれていました。ですからわたしには双子を育てる義務があるのです」
ウィルバートはしばらく考え込んでいたが……。
「では、君に任せる」
「は?面倒だと思われてますか?」
言い方が適当な気がする。
「違う。俺はいずれはあのふたりのどちらかに公爵位を継承するつもりだ。だから公爵として恥ずかしくないよう教育は行いたい。だが、確かに今の教育はあまりに厳しい。それは見ていて俺もわかる」
いずれ公爵位を継承する?
自分は結婚する気はないのかしら?
「だから、君に任せようと思う。君には責任感がありそうだからな」
責任感……?
そうかもしれない。
ビアンカは実家を顧みなかったし、母は小さな弟の世話にかかりきりだったため、ここ数年間年齢とともに弱りつつある父を補佐して実家を仕切っていたのは自分だ。
弟がしっかりしてきた今だからこそこうやって実家を空けてここに来ていられるけれど……。
「では、双子の教育の見直しなどはわたしが仕切っても問題ありませんか?」
「ああ。君にその権限を与えよう。双子に関することは君に任せる。双子に係る教育係や使用人をクビにしてもかまわない」
「え?」
そこまで権限を?
「適切な処置を期待してる」
その言い方だと、使用人のクビを期待しているような言い方に聞こえる。
ウィルバートも気づいているのだろうか?
使用人たちの何かおかしな雰囲気を。
「わかりました。ではさっそく今日からその権限を行使させていただきます」
「ああ」
ウィルバートは執務机の中から分厚い紙を取り出し、ハンナに双子の教育を任せるという一筆を描いてくれた。
「正式なものは追ってヤーコンに作成させるが、これがあれば使用人を黙らせることはできるだろう」
「ありがとうございます」
ハンナは大きく礼をとると、その用紙を握り締め執務室を出た。
よしっ!まずはあの侍女からね。




