腑に落ちない何か3
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「ウィルバート閣下。お待ちください。お手紙は見ていただいておりますわよね?」
今度はきちんと届くように、昼間にウィルバートの執務室まで自ら出向いてヤーコンに渡しておいたのだ。
「手紙?ああ……。まだ見てないが?」
悪びれもせず言ってのける目の前の男にいら立ちが募る。
ディナーのときは相変わらず会話もなく、さっさと食べ終わって部屋に戻って行こうとしたので、ハンナもあわてて食事を終え、後を追って来たのだ。
ウィルバートの部屋の前でようやく捕まえたところである。
「これのことか?」
胸ポケットから少しよれっとした昼間にハンナがしたためた白い封書が出てきた。
本当に封は切っていなさそうだ。
「はい。大至急!読んでいただけませんか?」
「ここでか?」
人に聞かれて困るような内容は書いていない。読めと言わなければいつまで経っても封は切られまい。
ハンナがゆっくり頷くと、仕方ないというふうにウィルバートは小さくため息をつき無造作に封を切り中を確認した。
書いてあることはこれだけだ。
【双子のことで相談にのっていただきたく、どこかで近日中に時間を作ってください】
それだけ。
ウィルバートは確認すると手紙を元通りにしまい頷いた。
「いいだろう。いつがいい?」
「明日、午前中に執務室に伺ってもよろしいですか?」
「ああ。かまわない。朝食後に来てくれ」
「わかりました。それでは失礼します」
ようやく約束をとりつけた。
ハンナは自室に戻りながら、明日の交渉方法をひたすら考え続けていた。
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