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第五章:確かに、少し厄介だ

痩せてはいるが引き締まった神崎 蓮の背中が、瓦礫だらけの廃墟街を縫うように駆け抜ける。地形を知り尽くした豹のように素早く移動しながら、彼はシステムのレーダーマップから目を離さず、野生の生き物を探していた。

ゲーム序盤では、普通の野生生物から得られる経験値(EXP)は微々たるものだ。しかし、満腹度が急激に減って困っている彼にとって、新鮮な肉が何よりも優先される。体力がなければ、どれほど優れた技術や操作も机上の空論にすぎない。

小型の生き物を一時間以上狩り続けたあと、神崎 蓮は首を回した。関節が心地よく、こきこきと鳴る。

「今日は『凶暴星猪』に出くわさなかったが、経験値はもうレベル2目前だ。悪くない買い出しだったな」

だが、帰還しようと振り向いた瞬間、神崎 蓮の瞳孔が急に縮んだ。

道の角にたまったコンクリート粉塵の霧の向こうから、よろめく黒い影がいくつも近づいてくる。暗殺者のような直感で、彼は即座に身をかがめ、道端の割れたレンガを拾って力いっぱい投げつけた。

バキッ!

レンガは先頭のゾンビの頭に命中し、静まり返った空間に大きな音を響かせた。古典的な「釣り出し」戦術がすぐさま功を奏する。悪臭を放つ唸り声が上がり、廃ビルの奥に潜んでいた大量の黒い影まで、次々と飛び出してきた。

神崎 蓮は二歩後退し、冷静な目で戦場全体を素早く見渡してデータを分析した。

「レベル3の『ゾンビ』が14体、レベル2の『変異クモ』が8体……掃討するにはちょうどいい数だ。ここを全部食い尽くせば、少なくともレベル4には届く! ただ、あのクモどもは少々面倒だな」

レベル3ゾンビの基本ステータス:HP 150、AD 46、Armor 10

レベル2変異クモの基本ステータス:HP 100、AD 50、Armor 17、Magic Armor 20

現在の神崎 蓮のステータスなら、この群れを片づけること自体は不可能ではない。本当の難所は、時間と対処方法だった。

神崎 蓮は「変異クモ」がどれほど厄介な相手か、よく知っていた。群れで行動すると、遠距離から交互に「拘束の糸」を吐き出して標的を麻痺させ、その隙にゾンビたちが群がって食いちぎる。新しいアカウントを育て直すベテランプレイヤーでさえ、序盤でこの魔物に遭遇するのは嫌がるほどだ。

だが、神崎 蓮は初心者ではない。熟練のレベル上げ代行屋から見れば、変異クモの糸吐きは厄介でも、弾道には遅延がある。Agilityが十分に高く、発射前の硬直フレームを見極められれば、回避は難しくない。

キン! キン! キン!

軍用ダガーの冷たい鋼が、石のように硬いクモの外骨格と激しくぶつかり合う。神崎 蓮は残像のような動きで、四方から飛んでくる粘ついた糸の間を縫うように駆け回った。

糸を紙一重でかわすたび、彼はダガーを返し、クモの眼窩や脚の関節の隙間へ正確に突き刺した。三時間以上にわたる緊迫した死闘の末、最後の一匹がようやく倒れ、苦痛に身をよじりながら脚を折り曲げた。

遠距離攻撃を得意とする暗殺者型のクモを片づけた。次は本当の体力勝負、ゾンビの群れだ。

最初は14体だったが、長引く戦闘音に引き寄せられ、周囲の路地に潜んでいた仲間たちまで集まってきた。今、神崎 蓮の前には、レベル3の「ゾンビ」が四十体近く、歪んだ人の海となって咆哮しながら迫っていた。

最後のクモの頭をダガーで斬り落とした瞬間、神崎 蓮の体から暖かな光がほとばしった。

「ピコン! レベル2の『変異クモ』を討伐しました。『変異クモの糸』(アンコモン)×2、『魔石』(コモン)×1、『変異クモの目』(アンコモン)×2、EXP+20を獲得」

「ピコン! レベル3に到達しました。2レベル分の報酬をまとめて精算します。自由ステータスポイントを40獲得。システムによる追加配分:Strength+4、Stamina+3、Armor+2、Magic Armor+2、物理ダメージ+3、魔法ダメージ+3、Agility+1、攻撃速度+2」

「ピコン! 特権通知。全能職業を目指すため、宿主は永久に[無職散人]状態へ固定されます。レベルアップ時には追加で自由ステータスポイント5とランダム属性ポイント5を獲得します。さらにレベル20ごとに、自由ポイント20とランダムポイント10が追加されます。引き続き頑張ってください!」

神崎 蓮は一瞬動きを止め、驚きで瞳孔を大きく開いた。

これでようやく、今世の自分のステータスパネルが理不尽なほど強力な理由が分かった。

レベルが一つ上がるたび、ほかのプレイヤーやNPCより属性ポイントを10も多く得られるのだ! 代償として、無職散人の系統に永久固定され、暗殺者や戦士といった上位職へ転職できなくなる。しかし、この圧倒的なステータス差は、レベルが上がるほど彼を文字どおりの「怪物」へ変えていくだろう。

「今の問題は……こいつら四十体のゾンビを、仲間を呼ばれる前に丸ごと平らげることだ!」

神崎 蓮は気を引き締め、「呼吸抑制」を発動して魔物の群れへ突っ込んだ。まるで人間の処刑機械のような勢いだった。

ザシュッ! ドスッ!

「レベル3の『ゾンビ』を討伐しました。『魔石』(コモン)×3、『腐った肉』(コモン)×3、『腐敗毒液』(レア)×1、EXP+25を獲得」

「レベル3の『ゾンビ』を討伐しました。『魔石』(コモン)×1、『腐った肉』(コモン)×5、EXP+35を獲得」

……

さらに二時間、激しい消耗戦が続いた。神崎 蓮は一振りの刃、一突きの骨槍にも一切の無駄を許さず、体力を一滴たりとも浪費しないよう、極限まで正確に攻撃を重ねた。

最後のゾンビが腐った肉の山へ倒れ込んだころ、神崎 蓮は肩で息をし、背中は汗でびっしょりになっていた。攻撃力は上がっていたが、これほどの数を相手にすれば、十七歳の肉体のスタミナも容赦なく削られる。

毒々しい血の臭いが、さらに恐ろしい存在を呼び寄せるのは時間の問題だ。彼はその場にとどまらず、戦利品を素早く回収して撤退した。

十分後、神崎 蓮は拠点の石扉を蹴り開け、快適な床に倒れ込んだ。その瞬間、仮想画面にシステム通知が次々と弾けるように表示された。

「ピコン! 連続レベルアップによりレベル5に到達しました。2レベル分の報酬をまとめて精算します。自由ステータスポイントを40獲得。追加配分:Agility+7、Strength+4、物理ライフスティール+2、Magic Armor+1、物理貫通+6」

「ピコン! 隠し属性[Intelligence-知力]と[Knowledge-知識]を解放しました。解放抽選を開始します……」

「ピコン! 解放大成功! 知力20ポイント、知識20(+20)ポイントを獲得しました。幸運により報酬が倍増しました。幸運の女神が微笑んでいます!」

「ピコン! レベル5到達により、システム機能『ショップ』『実績パネル』『ラッキールーレット』が解放されました。引き続きレベルアップを目指してください!」

神崎 蓮は深く息を吸った。

「システム、詳細ステータスパネルを開け!」

「ステータスパネルを開く要求を確認。表示します……」

-------- ステータスパネル --------

名前:神崎 蓮|年齢:17

レベル:5(70/1500 EXP)

役割:NPC|勢力:なし|称号:未装備

職業:無職散人(永久固定)

名声ポイント:0|信用ポイント:0

基本指標:

Physical Damage(AD):39(+3[粗製骨槍])

Magic Damage(AP):9

HP:20(+10[革鎧一式])

Mana:150

Agility:351

Att Speed:10(2%/200%)

Piercing:36|0%

Armor:12(+6[革鎧一式])

Magic Armor:14(+3[革鎧一式])

Lifesteal:0|0.02%

Auto Regen HP:0.5/秒|Auto Regen Mana:5/秒

基本能力:

Strength:28

Stamina:33

Intelligence:20

Knowledge:40

Luck:5

(Brave、Ingenious、Resilienceは未解放)

自由ステータスポイント:80

スキルポイント:10

目の前に浮かぶ豪華なデータパネルを眺め、神崎 蓮は感嘆の声を漏らした。

このステータスはあまりにも豊富すぎる。レベル5の表示さえ隠せば、上級プレイヤーでもレベル10以上のNPCや小隊ボスのパネルだと勘違いするに違いない。

「自由ポイントが80も貯まったか……今の基礎能力なら、レベル7~8の魔物を圧倒できるし、レベル12近い相手に格上挑戦することだってできそうだ。とりあえず70ポイントは予備として残しておこう」

神崎 蓮は即座に決断した。

「システム、HPに3ポイント、攻撃速度に7ポイント振り分けろ!」

「配分命令を記録しました。データを更新します……」

以前、筋力を上げたときの力強い金色の光とは違い、今度は青と鮮やかな黄緑の光が絡み合い、神崎 蓮の筋繊維に沿って全身を駆け巡った。

指先に軽やかさと俊敏さ、あふれる活力が満ちていく。ほんのわずかなポイントを振っただけなのに、彼の反射神経は普通の人間をはるかに超える鋭さへと高まった。

神崎 蓮は口元をわずかに吊り上げ、廃墟を呑み込もうとする夜の気配が迫る窓の外へ目を向けた。

「基礎は整った。さて……ショップとルーレットには、どんなお宝があるかな!」


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