第十七章:狩猟(1)
五人の亜人の子供たちにそれぞれ寝室を割り当てると、静かな部屋には「おやすみなさい」という温かな挨拶が次々と響いた。神崎 蓮は微笑んで返事をし、自分の部屋へ戻ると、内側から二重に鍵をかけた。
周囲に誰もいないことを確認した途端、神崎 蓮の笑顔が一変した。落ち着いた年上の青年の顔から、口が耳まで裂けそうなほどの満面の笑みへと変わる。瞳には熱狂と恍惚が隠しようもなく浮かんでいた。
彼はアイテム欄から謎めいた品を取り出し、ごくりと唾を飲み込んだ。言うまでもない、『金庫』だ! 今日はショッピングモールの掃討に追われ、その後は子供たちの世話までしていたため、楽しみを後回しにせざるを得なかった。だが、夜も更けた今、ついにガチャ中毒者にとって神聖な儀式の時間がやってきた!
神崎 蓮は胸の前で手を合わせ、レベル上げ代行者たちが心の中で崇める幸運の最高神、「GN様」にぶつぶつと祈り始めた。すべての数値が確率のアルゴリズムで動いていることは分かっている。それでも、こうしたギャンブルめいた感覚を愛する者にとって、少しも験担ぎをしないというのは、まったくの嘘だった。
手元には回収した金庫が合計50個あった! 神崎 蓮はシステムの「一括クイック開封」機能など絶対に使わない。自分の手で抽選し、自分の手で開封することこそ、最高の体験なのだ! この中毒性の高い宝箱システムは、三人の天才ゲーム開発者が、何百年にもわたって有名MMORPGの傑作を研究した末に生み出した集大成だった。
神崎 蓮は両手をこすり合わせて温め、金庫の山をぎらぎらした目で見つめながら、敬虔な声でささやいた。
「金庫が50個……GN様、どうかお力をお貸しください。必要なものが出ますように……」
念入りに祈り終えると、神崎 蓮は深く息を吸い、いよいよ「箱開け」を始めた。
ガシャン! ガシャン! ガシャン!
おなじみの白い光――コモン(Common)――が次々と弾けては消えていった。中身の大半は、スクラップとして売っても魔石の欠片が少し手に入る程度の産業廃棄物だった。時おり、初級武器のアンコモン(Uncommon)を示す黄緑色の光がちらつく程度で、神崎 蓮はため息をつきながらすべてアイテム欄へしまった。
今の一行は、装備がほとんどない状態だ。子供たちに少しでも予備装備を持たせられるなら、それだけでもよかった。足りない物は、後で製作スキルを使って自分で鍛造できる。そもそも、運試しに手を出した以上、システムが何を吐き出すかなど誰にも予測できないのだ。
システムの空間画面を操作して十数分間ひたすら箱を開け続けた末、神崎 蓮は苦い結論を認めざるを得なかった。自分の幸運値5は、完全に飾りにすぎない。少しもご利益がなかったのだ! 金庫50個をすべて開けた結果、子供たち用の低級装備が数十点と、ちょっとした食料や飲み物、それに初級の9mm弾と7.62×39mm弾が大量に出ただけだった。
そして何より……5.56mm弾が一発も出なかった!
神崎 蓮は頭を抱え、口元をひくひくと引きつらせた。ステータス画面に表示された幸運値が間違っているのではないかと、本気で疑い始めた。5どころではない。どう考えてもマイナス1(-1)だろう!
金庫を開ける作業を、うんざりするほど続けたあと、神崎 蓮はため息をついて画面を閉じ、布団にもぐり込んだ。
今度の夢に現れたのは、前世の美しい日々だった。毎日、レベル上げ代行の依頼を受け、王さんや不動明王、小妖妖たちと『無限職業者』の世界で思う存分戦っていた頃だ。
夢の中で、神崎 蓮はこの瞬間が永遠に凍りついてほしいと願った。時間が流れれば、肩を並べて戦った仲間たちの顔さえ、いつか忘れてしまうのではないか。それだけが怖かった。避けられないことだと分かっていても、胸が痛んだ。目覚める直前、彼は心の底から願いをつぶやいた。
「みんな……元気でいてくれ」
「みんな、まだ君を待っているよ、陳兄」
ぼんやりとした声が返ってきた。神崎 蓮はゆっくり目を開けた。空はまだ明け方の薄暗さに包まれていたが、目の奥は熱く、今にも赤くなりそうだった。言葉にできない悲しみが胸の中で渦巻き、彼は埃だらけの天井を見つめたまま、しばらく呆然としていた。
目尻に残った涙を拭うと、神崎 蓮は勢いよく起き上がり、気持ちを切り替えて狩りの準備を始めた。アイテム欄を開き、昨夜手に入れた「ガラクタ」を整理する。どれも低級品ではあったが、集まった資源アイテムの数は決して少なくなかった。
不要な品を売り払ったあと、彼は資金を使って全身革鎧を数着と基本素材を買い足した。今回は本気で『製作・修理――鍛造技術と設計図』の系統に挑戦するつもりだった。無数のアカウントでレベル上げを請け負ってきた彼は、本物の製作者として自分の手で鍛造する感覚をずっと体験してみたかったのだ。
ところが、『Alvibion』の百科事典を開いた途端、神崎 蓮は動きを止めた。最初の一行を読んだだけで、バタン! と本を閉じてしまった。
ようやく彼は理解した。かつてゲーム内の製作者たちが、なぜあれほど金持ちだったのか。答えは単純だ。山のような資金がなければ、この職業を続けられるはずがない!
ざっと計算しただけでも、入門段階で二つのサブ系統に属する基本作業台が合計15台も必要だった。『製作・設計』に6台、『設計図の組み立て』に4台、『修理・強化』に5台。金属や合金を精錬するには必須の『冶金炉』も建設しなければならない。さらに鍛造用の金床、研磨石、分離石、精錬用の水槽など、細々とした設備が何十種類も必要になる……。
神崎 蓮はこめかみを揉み、せっかく稼いだ財布が震えながら悲鳴を上げている気がした。設備を作るだけでも大問題なのに、後々はレベルを上げなければならず、初級のまま使い続けることもできない。彼が知っていた『無限職業者』のNPCやプレイヤーたちが、理不尽なほど金に執着していたのも当然だった。
財布は痛んだが、子供たちを装備なしで狩りへ連れていくわけにもいかなかった。神崎 蓮は歯を食いしばり、資源を使って最低限の基本作業台をいくつか製作した。システムの操作補助を受けながら、夜の月が退き、朝日が昇る頃には初級装備一式をちょうど完成させていた。
自室を出ると、外はまだ静まり返っていた。子供たちは温かな布団の中で眠っているようだ。システム画面の時計を見ると、まだ午前6時30分だった。神崎 蓮は彼らをあと30分眠らせておくことにし、自分は先にログイン報酬を受け取った。
「ピン! ログイン六日目の報酬を獲得しました。パッシブスキル『強化分析』を習得しました!」
金色の光が現れ、神崎 蓮の身体へと流れ込んだ。彼は少し意外に思った。NPC用のスキルを得られることは知っていたが、今回のスキルは直接戦うためのものではなく、思考系の能力だった。
「へえ、NPCスキルか。ちょうど必要なところだったな……」神崎 蓮は口元をつり上げた。「あまり役立たずでないことを願うよ」
温かな朝食を自分で用意してから、神崎 蓮は子供たちの部屋を一つずつノックして起こした。皆、こんなに早起きすることに慣れておらず、少し眠そうだった。例外はクリスだけで、神崎 蓮が部屋に入ったときには、彼はとっくに身支度を整えていた。
神崎 蓮は多くを語らなかった。腹が満たされてこそ力が出る。バターを塗った香ばしい肉入りサンドイッチは特別においしいわけではなかったが、出発前に一行の体力を十分補うには申し分なかった。
狩りに出る直前、神崎 蓮は必要な装備を全員に配った。身に着けてみると、子供たちは皆驚いた。特注品ではないのに、どれも不思議なほどぴったりだった。
クリスはダガーを二本受け取ると、少し呆気に取られた。神崎 蓮が自分の合図の意味を見抜いていたことは分かっていたが、一本ではなく二本も用意してくれるとは思わなかった。二本とも『毒牙狼刀』のようなレア装備ではないが、品質も追加ダメージも決して悪くなかった。
「ジェズ、クリス、本気でその戦い方をするつもりか?」クリスが二本のダガーを滑らかに操るのを見て、アーロンがからかうように言った。「前にその戦い方をしたときは、まだあまり慣れていなかったよな?」
「君だって同じだろ」クリスも負けずに返した。額に青筋を浮かべながらも、声は比較的穏やかだった。「獣人に変身したあとの反動は小さくないのに、それでも君は変身したがるじゃないか」
二人が言い争いを始めそうになったとき、ぱん、と鋭い拍手が響き、張り詰めた空気を断ち切った。神崎 蓮はドアにもたれ、落ち着いた笑みを浮かべて言った。
「はいはい、そこまで。さあ……狩りに行くぞ、みんな。まだ言い争うなら、何も残してやらないからな!」




