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王宮へは被害者のリズベットと一緒に登城した。
通された応接室には既に陛下とクロイツ殿下がソファに座って待っていた。内装は派手すぎず調度品は落ち着いたものでありながら、高級感がある。
何故か私の顔を見た陛下は何か言いたげで、表現は難しいけれど悲しそうであり、嬉しそうでもあり、よく分からない表情だった。ただ顔色も良くないし疲れが隠せていない。
前回、私が殺された日は陛下は他国の結婚式に招待されて留守にしていたはずだ。今回も結婚式自体は行われているはず。国を代表して出席していたはずの陛下が何故ここに居るの?
⋯⋯まあ、疑問は頭の隅に置いて、リズベットと揃って礼を執り、陛下の対面に座るクロイツ殿下の隣に座った。
てか、クロイツ殿下が当たり前のようにポンポンと"隣に座れ"の指示を出すのはいつもの事だ。
これもいつもの事なので素直に座る。リズベットは私の隣だ。
で、陛下を交えたギリアン殿下の取り調べの内容はリズベットの言っていた通りだった。
まず、私を監禁するための屋敷を用意し、監禁仕様へ改造?改装?したそうだ。着々と準備を進めていたところ、アリーシャにそんな家を用意していることがバレたそうだ。
アリーシャはアリーシャで、リズベットが自分の従妹だと最初から気付いていたそうだ。
まず、アリーシャがワーグナー子爵家の養子になった経緯は、修道院に送られそうになったアリーシャは、娘に甘い両親に泣きながら行きたくないと訴え、娘を不憫に思った父親の侯爵が、アリーシャが送られるはずだった修道院に多額のお金を支払い、あたかもアリーシャが修道院にいるように装ってもらい、国には除籍したと虚偽の申告をし、仕事の関係で知り合いだったワーグナー子爵を脅し、強引に養子縁組させたそうだ。
そのことがリズベットの口から広まることを恐れていたアリーシャのところに、リズベットの母親から娘を売り飛ばす計画を持ち掛けられたそうだ。
アリーシャは邪魔なリズベットを密かに排除するためにギリアン殿下を利用した。
ギリアン殿下もリズベットを監禁することで、監禁部屋に穴がないか確認できる。と、二人の利害が一致したことにより手を組んだそうた。
卒業パーティーで生徒たちが私に謂れなき罪を被せたのは、味方ひとりいない状況に追い込んで、颯爽と助け出せば自分に依存するだろうと思ったからだとか⋯⋯
ツッコミどころが多くて、なんだかな~
ギリアン殿下の頭の中も大概だな。
ここでクロイツ殿下から補足があり、アリーシャの元実家、ラシュエット侯爵家は虚偽の申告が発覚したことで子爵位まで降格されたそうだ。
まあ、それだけが理由では無いだろうけれどね。
ここまで話して陛下は『ギリアンは廃嫡の上幽閉する。二度と外には出さない』と私の目を見て安心させるように言った。
⋯⋯これで終わった?本当に終わった?
前回、私を殺したべティー母娘とギリアン殿下と二度と関わらなくてよくなった?
ずっと重かった胸が軽くなるのを感じると同時に、ググッと目の裏が熱くなり滲む光景。私だけしか知らない事情でここで泣くわけにはいかないと、目に力を入れた。
突然、ノックもなしに大きな音を立てて応接室の扉が勢いよく開いた。
そこには怒りの表情のお父様がいた。
「リリーシア!卒業パーティーを台無しにしたそうだな!お前は何をやっているんだ!生徒たちに数々の嫌がらせをして困らせて!」
⋯⋯やっていない。
「お前が俺の娘なのが恥ずかしい!」
もう、無理だ⋯⋯お父様に期待するのを止めたはずなのに⋯⋯心が沈んでいく⋯⋯
「黙れ!」
「レアンドルいい加減にしろ!それは冤罪だ!」
「リリーシアはそんな事をしていません!」
静かに怒るクロイツ殿下の声も、陛下の声も、リズベットの声も遠くに聞こえる⋯⋯視界もボヤけていく。
もう、いい⋯⋯
もう、無理だ二度と修復できない⋯⋯
もう、ここに未練はない⋯⋯
いつも誤字報告ありがとうございます。
とても、とても助かっています。




