捜査file4. 音速の憑依と祈りの焔
ウー——ッ!! ピポパポピポパ……
秋の陽光が差し込む首都高速道路。
漆黒のセダンの背後で、赤色灯を激しく回転させた白バイが横付けされた。
「はい、前の黒いセダン、左に寄せて止まってくださーい。」
ハンドルを握っていたQ(九尾)は、信じられないものを見るような目でバックミラーを見つめた。
「な……なぜだ!? 俺は至って安全運転を心がけていたはずだぞ!?」
隣の助手席で、書類に目を通していたJ(山田迅)が、メーターをちらりと見て冷ややかに言い放った。
「法定速度60キロの首都高を、お前はたった今120キロで駆け抜けた。どこが安全運転だ。」
「車間距離は十分保っていた! 九尾の狐の動体視力を舐めるな!」
「舐めているのは道路交通法だ。……ほら、白バイ隊員が来たぞ。」
窓がコンコンと叩かれる。Qが引きつった笑みを浮かべて窓を下げると、バイザーを上げた白バイ隊員が爽やかな笑みで敬礼した。
「運転手さん、ちょっとスピード出てましたね〜。免許証拝見できますか?」
「あ、いや……これはその、極秘の警察捜査でだな……。」
身分証明書を出したQにJの呆れた声がかかる。
「Q。無駄なあがきはやめろ。」
「あー…特殊捜査班の方でしたか…。でも、違反は違反なんですよね…。」
Jは隊員に丁寧にお辞儀をした。
「ご苦労様です、交通課の方。どうぞ遠慮なく切符を切ってください。身内の甘やかしは厳禁ですので。」
「おいJ!? お前仲間だろ! 庇えよ!!」
隊員は手帳を開きながら、免許証を片手に端末のデータを叩いた。
「えーっと、九十九さん(Q)ね。あ、これ……先週も赤信号無視と一方通行逆走で加点されてますね。……今回のスピード違反で、ちょうど累計15点。免許停止、点数『0点』でーす。」
「ゼロ……っ!?」
Qは胸を押さえて絶句した。
「明日から『違反者講習』受けてきてくださいね。じゃ、安全運転で〜!お疲れ様です!」
白バイが軽やかに走り去った後、車内には重苦しい沈黙が流れる中、Jは静かにコーヒーのボトルキャップを開け、一口含んで呟いた。
「……よかったな、Q。歩くのは筋肉の維持にいいぞ。」
「笑い事じゃない!! 俺が徒歩通勤になったら、あの地下本部のと往復だけでプロテインがいくらあっても足りん!!」
「自業自得だ。……それと、BOSS(お初)からメッセージが来ている。」
Jが画面を見せると、そこには着物姿のお初が湯呑みを片手にニコニコと微笑むスタンプと、短い一文。
『Q。明日からみっちり自動車教習所で講習を受けておいで。サボったら地下掃除1ヶ月ね。』
「……ううっ……人間に教習されるなど、大妖怪の面目が丸潰れだ……!!」
Qがハンドルに額を押し付けて悶絶していると、Jの端末に緊急捜査要請の通知が滑り込んだ。
「……遊んでいる暇はなくなったぞ、Q。千葉県警から正式な捜査協力要請だ。」
◼️◼️◼️
数時間後。千葉県郊外に位置する、険しい峠道。
現場には黄色い規制線が張られ、黒く焦げ付いたガードレールと、大破して炭と化した車両の残骸が転がっていた。
「うわぁ……酷い惨状ですね。」
後から現場へ合流したS(佐々木)とK(鴉天狗)が、痛々しそうに事故現場を見下ろす。
『みんな〜! 現場ついた〜?』
Jの暗号化端末から、地下本部でモニターを操作するE(神条)の軽快な声が滑り込んだ。
「ああ、着いたぞ。E、所轄からなぜ我が班に要請が下りたのか、詳細を共有しろ。」
『はーい! 本来ならただの「違法公道レース中のスピード出し過ぎによる自爆事故」で処理されるはずだったんだけどね。……現場検証に入った鑑識さんが、事故現場のすぐ脇の森で“ドエラいもの”を見つけちゃったのよ。』
Eが本部から現場の端末へ、写真を転送する。
そこには、森の中の古びた祠の前に作られた異様な一角が写っていた。
切り取られた猫の頭部、乾燥したカラスの死骸、酒瓶、そして黒く燃え尽きた大量の蝋燭。
「うわっ……! なんですかこれ、呪いの儀式ですか!?」
Sが不快そうに引きつった声を上げる。Eの解説が続いた。
『でしょ? それだけなら「怪しいオカルト好きのイタズラ」で済んだかもしれないんだけど……決定打は被害者の遺体! 亡くなった佐藤美鈴(23)の首元から、科学的に説明のつかない“燃え残った藁の灰”が検出されたの。しかも、死因の爆発痕を詳しく調べると、車体の内側から霊的なエネルギーが拒絶反応を起こして破裂したような不自然な痕跡があってね?』
「現場の不気味な祭壇、首元の藁の灰、そして車内からの不可解な霊的爆破反応……。それでオカルト案件としてS.I.C.Sに回ってきたわけか。」
Jが静かに手帳を閉じた。Kは黒マスク越しに、鋭い眼光でその祭壇を見つめている。
「……ただの儀式ではない。強い霊気が残っている。何者かが明確な意図を持って、この地で怪異を呼び出そうとした痕跡だ。」
『ちなみにね!美鈴ちゃん、事故の数日前から「誰かに狙われている」「後ろに何かがいる」って周囲に漏らしてて、家に入る時も何重にも鍵をかけたりして、めちゃくちゃ過剰に警戒してたらしいよ!』
「誰かに命を狙われていると怯えていたのか……あるいは……。」
Jは思索を巡らせた後、チームへ指示を出した。
「SとKはレース業界のラインから車の細工と敵対チームの動きを洗え。……Qと俺は、この怪しげな祭壇と呪術のルートを追う。」
「……待て、J。」
Qが哀愁を帯びた目でJを見つめた。
「俺は明日から教習所だが……捜査はどうするんだ?」
「安心しろ。教習の『合間』に捜査してもらう」
「合間!? 休む暇がないじゃないか!!」
Jは冷酷な笑みを浮かべ、Qの肩をポンと叩いた。
「大妖怪ならそれくらいこなしてみせろ。……さあ、作戦開始だ。」
◼️◼️◼️
深夜、エンジン音が地鳴りのように響く千葉県の暗い峠道。
改造されたスポーツカーが数十台集まり、大音量の音楽とハイビームの光が飛び交うギャラリーエリアに、一台の黒いスポーツカーが滑り込んできた。ハンドルを握るのはS。助手席には革ジャンに身を包み、黒マスクを付けたKが乗っている。
「うわぁ……すごい熱気だな。本当に漫画みたいな世界があるんだ。」
Sは周囲の車好きたちから浮かないよう、派手なジャケットの襟を立てて車を降りた。
「油断するな、S。周囲を観察しろ。」
Kが低い声で囁く。二人は「走り屋の兄弟」になりすまし、被害者・佐藤美鈴が所属していたチームのメンバーへ接触を試みた。
「あ? 美鈴のこと聞きに来たのか?」
たむろしていた若者の一人——ライバルチームのリーダー格の男が、煙草をふかしながら不快そうに鼻を鳴らした。
「あいつは最後の方、完全にイカれてたよ。レース前になると『誰かに狙われてる』『後ろにナニかがついてきてる』って青い顔してぶつぶつ呟いてさ。車に乗る時も、誰かに細工されてないか何十回もエンジンルーム点検してんだよ。過剰警戒もいいところだ。」
「車に細工……ですか? 誰か美鈴さんの命を狙うような敵はいなかったんですか?」
Sが身を乗り出すと、男はフッと嘲笑った。
「そりゃあいつは速かったからな、恨んでる奴はごまんといたさ。だが、車を爆破させて殺すようなヤツはいねえよ。……ただ、あいつの兄貴だけは違ったがな。」
「兄?」
Kの瞳が光る。
「ああ。美鈴の兄貴は腕のいい整備士なんだが、『妹を公道レースから引きずり降ろしたい』ってずっと揉めてたらしい。事故の数日前も、二人が激しい大喧嘩をしてるのを見た奴がいる。」
その言葉にSとKは顔を見合わせた。
一方、都内郊外の自動車教習所。
「はい、じゃあ次の教習生の方〜。九十九さん、入ってください。」
教官に呼ばれ、教習車の小さな助手席に乗り込んだのは、爆発的な巨躯を誇る九十九こと大妖怪・Qだった。狭い車内で大胸筋と広背筋をみちみちに縮こまらせ、体育座りのような姿勢でシートベルトをパンパンに張らせている。
「えーっと……九十九さん。あなた先週、120キロオーバーに赤信号無視ですか。……ダメですよ〜、車は走る凶器なんですからね!」
優しそうな年配の教官が、ニコニコしながら注意する。
「……うむ。重々承知している……。」
くそっ……! なぜ数千年の時を生きるこの俺が、人間のおっさんに説教されねばならんのだ……!
Qが青筋を立てながら耐えていると、教習所のコース脇のフェンスから、カサカサと不気味な音がした。
見ると、通りすがりの低級な河童や一ツ目小僧たちがフェンスにへばりつき、Qの惨状を見て指をさして爆笑している。
『ギャハハ! 見ろよあの九尾の狐! スピード違反で点数引かれて人間に教習受けてるぞ!』
『超ダセぇ〜! 大妖怪(笑)じゃん!』
Qの眉輪筋がピクピクと痙攣した。黒いサングラスの奥で、瞳が金色に怪しく光る。
……後で全員皮を剥いで、燃やしてやる……!!
そこへ、教習車のダッシュボードに置かれた通信端末がピコンと鳴った。
『Q。教習は順調か?』
相手はJだ。
「順調なわけがあるか!! 精神的拷問を受けている最中だ!!」
『それはよかった。……教習が終わったら、そのまま千葉の山中へ向かえ。祭壇の呪術解析が終わった。あの地に眠る“本物”と接触する』
夕刻。千葉県・峠道の奥深くにひっそりと佇む、鬱蒼とした竹林。
教習所を命からがら抜け出してタクシーで乗りつけたQと、漆黒のスーツを纏ったJが、苔むした古い祠の前に立っていた。Qが首の数珠をジャラリと鳴らし、微量の霊気を竹林へ放つ。
フィ……ッ!
竹林の影から、二つの不気味な赤い火の玉が揺らめき、ゆらりと一匹の怪異が姿を現した。尾がふたつに分かれた、古風な巨大な猫——「猫又」だ。
『……何の用だ、人間。それに……禍々しき大狐よ』
猫又は低い声で唸り、Qたちを警戒するように毛を逆立てた。Jが静かに一歩前へ出た。
「昨夜、この山で死んだ娘……佐藤美鈴のことを聞きに来た。……あの不気味な祭壇は、娘を呪い殺すためのものだったのか?」
すると、猫又は哀しげに目を細め、首を横に振った。
『愚かな。誰かを害する呪いなどではない。……あの娘が、無垢な命と引き換えに私を呼び寄せるための「切実な祈りの祭壇」だ。』
「祈り……?」
Qが零せば、猫又の目がスッと細くなった。
『そうだ。あの娘はレースの恐怖と「絶対に勝ちたい」という執着に心を病んでいた。……誰かに命を狙われているのではない。勝てない自分という架空の存在に怯えていたのだ。どこであのようなものを調べてきたのか…娘は勝ちたいがゆえに、自ら妖の力を借りて車を走らせようとしていたのだ』
猫又は静かに語りを続けた。
『祭壇の供物と引き換えに、私は娘の車に降臨し、莫大な霊的エネルギーを与える約束をした。女の首にあった藁の灰は、私と契りを交わした証……。……あの娘はただ、次のレースで勝つことだけを強く願っていたのだ』
Jの瞳が一瞬で鋭さを増した。
「……妖の降臨。高濃度の霊的エネルギーの付加……。Q、もしその状態で車に『あるもの』が混入していたらどうなる?」
Qがハッと目を剥いた。
「……拒絶反応だ。あやかしの霊気と、不純な燃料や薬品が混ざれば、エンジン内部で制御不能な大爆発を起こす……!」
その発言を聞いたJは素早くSに連絡を入れた。
◼️◼️◼️
夜のS.I.C.S第二基地・取調室。
スポットライトの下で項垂れているのは、被害者・佐藤美鈴の兄である佐藤浩司(26)だった。
ガラス越しに観察するSとK。取調室の中では、Jが静かに取り調べの書類をテーブルに並べていた。
「……佐藤浩司さん。妹さんの美鈴さんが亡くなった事故について、少し確認したいことがある。」
浩司は真っ赤に腫らした目を上げ、震える声で呟いた。
「……事故じゃないんですか? あいつは……公道レースなんて危険な真似をしてたから……自爆したんじゃ……。」
「最初は警察もそう判断していた。……だが、こちらで美鈴さんの大破した車のデータを復元したところ、不可解な痕跡が見つかった。」
Jが写真を一枚、浩司の前に突きつけた。
「彼女の車の『燃料噴射装置』だ。固定ボルトが意図的に数ミリ緩められてた。……これではまともに走行できず、走行中に燃料が漏れてエンジンが不調を起こす。……お前がやったな?」
浩司の身体が大きく跳ね上がった。
「な……!? なぜそれを……!」
「お前は腕のいい自動車整備士だ。妹の車に手を加えることなど容易かったはずだ。」
ガラスの向こうで、Sが苦々しい表情を浮かべる。
「やっぱり……ライバルの仕業じゃなくて、兄貴が妹を殺そうとして細工したってことですか……?」
「待て、S。」
Kが黒マスクの奥から静かに制した。
「Jの表情を見ろ。……それだけが理由ではないはずだ。」
取調室の中で、Jは冷ややかな瞳で浩司を見つめていた。
「浩司さん。お前がインジェクターに施した細工……あれは『人を殺すためのもの』ではないな?」
浩司がハッと息をのんだ。
「ボルトのゆるみは、走行開始から数キロでエンジンが不調を起こし、スピードが出なくなって不戦敗するように計算されたささやかな細工だ。……お前は妹を殺したかったのではない。危険な公道レースから妹を降ろし、無事に生きて家に帰したかっただけだろ?」
「〜〜〜ッ!!」
浩司の目から、溢れ出るように涙が零れ落ちた。
「……そうだよ……!! あいつは……美鈴はどんどん変わっていったんだ! 夜な夜な峠に通いつめて、『勝たなきゃ意味がない』って……! 数日前からは誰かに追われてるみたいに怯えて、家でも震えてて……! だから俺は……次のレースで負けさせれば、恐怖に気付いてレースをやめてくれると思って……!!」
浩司は顔を覆って号泣した。
「なのに……なんで爆発なんて起きたんだよ!? 俺はただ……あいつを負けさせて、レースをやめさせたかっただけなんだ……!!」
Jは静かに目を閉じ、猫又から聞いた「もう一つの真実」を浩司へ告げた。
「……お前が知らなかったことが一つある。美鈴さんは、勝利への執着とレースの恐怖に心を病むあまり、妖——『猫又』へ縋り、契約を交わしていた。」
「あやかし……? 何を言ってるんですか……?」
「彼女は猫又を車に降臨させ、出力を爆発的に上げるため、『高濃度の呪術用アルコール』を大量に積んでいたんだ。首に残っていた藁の灰は、あやかしを車へ招き入れるための媒介(依代)だった。」
Jが惨状の写真を手でさすった。
「お前が施した『インジェクターの緩みによる燃料漏れ』。それが、美鈴さんが積んでいた高濃度アルコールと揮発ガスに引火し……さらに車内に降臨していた猫又の強力な霊気と触れ合った。……結果、霊気とアルコールが最悪の拒絶反応を起こし、制御不能な大爆発を引き起こしたんだ。」
「そんな……じゃあ……俺の細工のせいで……俺が美鈴を……!?で、でも、妖なんて…そんなのいるわけないじゃないか!!」
浩司の叫びが、取調室に響く。痛々しい沈黙の中、Qが中に入ってきてサングラスをとった。そこに現れたのは人間とは似ても似つかない…紅く縁取られた狐の目。それが、怪しく光る。
「妖を信じるか信じないかは人間次第だ…。だが、彼らは、お前が思うよりもずっと身近にいる。」
Qの言葉を聞いた浩司が瞼を皿のように見開いて息を詰める。ガタガタ全身が震えていた。
「今回の事件は…お前の『妹を救いたい』という小さな細工と、妹の『勝ちたい』という狂おしいまでの祈り……。その二つが最悪の形で噛み合ってしまった事故だ。」
Jが静かに告げれば、浩司は堰を切ったように泣き出した。
「うあああああぁぁぁぁっ!! 美鈴ゥゥゥッ!!」
取調室に、妹を失った兄の悲痛な叫び声が虚しく響き渡った。
ガラス越しに見ていたSは、切なさで胸を締め付けられ、拳を強く握りしめた。
「……悲しすぎるだろ。兄貴は妹を助けたくて、妹は勝つためにあやかしに縋って……誰も殺すつもりなんてなかったのに……。」
Kも静かに目を伏せ、首を横に振った。
「……すれ違った祈りが招いた悲劇だな。…人間とは実に愚かで…儚いものだ。」
◼️◼️◼️
数日後。都内郊外の自動車教習所。
「はい、お疲れ様でした〜! 九十九さん、本日の『違反者再講習』すべて修了です!」
教官から講習修了証を受け取ったQは、みちみちに詰まっていた教習車の運転席から命からがら抜け出し、大空に向かって深く息を吐き出した。
「ふぅぁぁぁぁ……! やっと解放された……! 人間の交通ルールなど、二度と御免だ……!」
Qが普段着を整えて胸を張った、その時。ポケットの中の端末がピコンと高らかに鳴った。画面に表示されたのは、着物姿で湯呑みを掲げるBOSS(お初)のスタンプと、冷酷なメッセージ。
『Q、講習修了おめでとう。……あ、言い忘れていたけれど、免許の点数を戻すための「学科再試験(100問テスト)」が明日あるからね。合格するまであなたは内勤よ。』
「……な、なんだと……!? 100問テスト……!?」
Qの顔面がみるみるうちに蒼白になり、スマホを握りしめたまま膝から崩れ落ちた。通りすがりの河童たちが、遠くからその姿を見てクスクスと指をさして笑っている。
「笑うなカッパども!! 今すぐ灰にしてやるー!!」
Qの悲痛な叫びが、秋晴れの教習所の空に虚しく響き渡るのだった。
その頃、Jは一人デスクで事務処理をしたいが、ずっとあることが引っかかっていた。それは、猫又の言葉。
『どこであのようなものを調べてきたのか』
【あのようなもの】とは、猫又…妖を呼び出す祭壇…。今はインターネットでなんでも調べられる時代たがら、検索すれば調べられないものはない…。
そう納得しているはずなのに…。
「…考えすぎか…__。」
Jはパソコンの電源を落として、軽く頭を振る。そして、上着を手に取るとオフィスの明かりを消し、オフィスを後にした。
…その姿を、陰から見ていた人物に気づくことはなかった。
(第4話・完)




