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捜査file.11 決戦の東京タワー

東京タワーの真下に滑り込んだ黒塗りの大型バンが、激しい不協和音を響かせて急停車した。


「──状況は最悪だ。」


助手席のJ(山田)が冷徹な手つきで拳銃のホールドオープンを確かめ、スライドを戻す。チャキリ、と引き締まった金属音が狭い車内に響いた。

タワーを見上げれば、かつて昭和の象徴だった赤と白の鉄骨は、いまや禍々しい紫黒の妖気に蝕まれ、天を突く巨大な呪詛の柱と化している。足元からは地鳴りのような振動が絶え間なく伝わっていた。


E(神条)が、ラップトップを叩きながら口を開いた。


「マップによれば、エレベーターシャフトの最深部、地下五百メートルが『旧江戸大霊脈』の心臓部だよ。」

「行くぞ。」


Jの簡潔な指示に、後部座席の面々が不敵な笑みを浮かべる。


「派手に暴れられそうだな。」

「俺、特撮映画みたいな大決戦、初めてだぜ!」


Q(九尾)に続いてS(佐々木)が軽口を叩きながらタクティカルベストの留め具を締めた。


チームがタワー1階のエントランスを打ち破って侵入した瞬間、空間が歪む。そこはすでに近代建築の内部ではなく、異界の沼地のごとき不気味な大空洞へと変貌していた。


「ひぃっ!? なにアレ、機械……いや、妖!?」


Sが悲鳴を上げる。

天井や壁面から蠢き現れたのは、東京タワーの配線や鉄骨を取り込み、サイバーな発光パターンを明滅させる異形の蜘蛛妖怪の群れ──大軍勢だった。幾重にも重なる機械的な駆動音が、鼓膜を痛烈に刺す。


「あ〜、現代のインフラと結びついた悪霊の類だね。ほんっと、面倒くさい小細工いれてくれるよ。」


後方に陣取ったEが、ラップトップのキーボードを高速で叩き叩き叩く。その隣で、N(芦屋)が懐から和紙の式札を何十枚と撒き散らした。


「J、みんな、ここは僕とNちゃんに任せて先に行っていいよ!」


Eがヘッドセットのマイクを押し下げながら叫ぶ。


「デジタルハッキングと私の式神術式を同期させたました! この階層の制御権をこっちで奪取して、最深部への直通エレベーターを強行起動します!」

「……できるか、E、N。」

「僕を誰だと思ってんの? 元・警視庁サイバー犯罪対策課をハックした男だよ!」


Nが印を結び、澄んだ声を響かせる。


「急いでください、Jさん! チームの往くべき道は、私とEさんで切り開きます! 急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)!」


撒き散らされた式札が空中であでやかな青い光を放ち、デジタルデータのバイナリコードへと変化する。Eの操作と連動し、青い光の帯が網目状に広がり、襲い来る蜘蛛妖怪たちの動きをピタリと止めた。


「よし、回線ジャック成功! エレベーターの安全装置(セーフティ)を解除した! 飛び乗って、みんな!」


Eが叫び、エレベーターの防護扉が強力な妖気と火花を散らしながら強制開閉された。J、Q、K、Sの4人は示し合わせたようにその開いたシャフトへと躍り込んむ。しかし、その直後、背後で蜘蛛たちの拘束が解け、猛烈な金属性の悲鳴が上がり始める。


「へっ……オタクと陰陽師のコラボレーション、舐めんなよ!」


Eが凶悪な笑みを浮かべ、キーボードを叩きつける。


「Nちゃん、例の『特製ウィルス式神』、一発ぶち込んでやってよ!」

「言われなくても! 祓い給え、清め給え──極大術式【電脳百鬼夜行】!」


背後で巻き起こる大規模な爆発と電撃の嵐を背に、Jたちはエレベーターシャフトのケーブルを伝って、地下深くへと急降下していった。



◼️◼️◼️




地下三百メートル地点。

エレベーターのワイヤーが何者かによって叩き切られ、4人は巨大な地下螺旋階段の踊り場へと着地した。


「ハッ、お出迎えご苦労だな。」


着地と同時に、Qが低く唸る。

目の前に広がっていたのは、漆黒の甲冑に身を包み、背から漆黒の巨大な翼を生やした異形の大軍勢──ぬらりひょん直属の親衛隊「天狗党・崩れ」の群れだった。その数、ゆうに百を超えている。手に握られた太刀からは、触れる者を腐敗させる猛毒の黒炎が立ち上っていた。


「ここからは空戦か。面倒だな。」


クールな瞳を細め、K(鴉天狗)が腰の小太刀を引き抜く。その背から、漆黒の美しい翼が一気に展開された。


「この数をJとQに相手させるのは時間の無駄です。私と──Sで片付けます」

「そうっすよ!俺たちに任せて先に行ってください。」

Sはニヤリと笑うと腰のホルスターからカスタム拳銃と対妖用の特殊警棒を引き抜いた。しっかりと背中を合わせるSとK。その姿はどこから見ても信頼で結ばれたバディだった。


「J、Q! 先に行ってください! 」

「……死ぬなよ、S。…頼んだK。」


Jは短く告げると、Qとともに天狗党の隙間を縫って最深部へと走り抜ける。


「逃がすか、人間ども!」


頭上から突進してくる3頭の天狗親衛隊。

その軌道を遮るように、Kが疾風のごときスピードで交差した。一瞬の閃光。小太刀の一閃により、天狗たちの翼が切り飛ばされ、鮮血が舞う。


「お前の相手は私だ。──行くぞ、S!」

「オッケー相棒! 射撃開始(ファイヤー)ッ!」


Sは脚力を使い身を躍らせ、天狗が放つ黒炎の斬撃をギリギリで紙一重かわす。その体勢のまま、空中で銃口を上方に向け、連射した。

バン! バン! バン!

ただの鉛の弾丸ではない。Nが事前につけた「霊撃の呪符」が貼られた特殊弾頭が、天狗の膝関節と喉元を正確に撃ち抜く。


「うおっ、当たった!? いける、いけるぞ俺!」

「調子に乗るな、後ろだ!」


Kの鋭い声と同時に、背後から迫る巨大な薙刀。Kが空中でSの襟首を掴んで強引に引っ張り上げ、そのまま回転して薙刀を小太刀で受け流す。ガギィィン! と重厚な金属音が地下空洞に谺(こだま)した。 


「くっ……数が多すぎる!」

「K、右! 撃つぞ!」


SがKの肩を足場にして跳躍、空中から下方に向けて拳銃を掃射する。弾丸が描く光の軌跡が、群がる天狗たちを次々と穿っていく。完璧なタイミングで互いの死角を補い合う二人。


「フン……悪くないコンビネーションだ、S。」


Kの唇が、マスクの中で綺麗な弧を描く。


「だが、ここからは手加減なしだ。ついて来られるか?」

「死んでもついていくぜ! 」


黒い羽毛と硝煙、そして紅い血煙が激しく舞い散る中、二人は圧倒的な数の暴力へと真っ向から飛び込んでいった。


仲間たちの命を賭した殿(しんがり)によって開かれた一本の道。JとQの二人は、ついに旧江戸大霊脈の最深部──数千年の封印が揺らぎ、紫色の巨大な光柱が渦巻く「霊脈の心臓」へと足を踏み入れようとしていた。



◼️◼️◼️



地下四百メートル。

旧江戸大霊脈の最深部を隔てるのは、かつて徳川幕府の陰陽師たちが築いたとされる巨大な神木の大門──「禁忌の御門(みかど)」だ。だが、その門の前に立ちはだかる影があった。

ぬらりひょんの側近にして、古代の戦乱で無数の将兵を喰らい尽くした伝説の大妖──「大元帥明王(だいげんすいみょうおう)・崩れ」。

全高五メートルを超える巨躯は黒鋼の鎧に包まれ、六本の腕にはそれぞれ禍々しい大剣や金剛杵を握っている。その体から溢れ出る圧倒的な妖気は、地下空洞の空間そのものを軋ませ、壁面をバリバリと亀裂させていた。


「ハハッ、とんだ巨漢のお出迎えではないか!」


Jの隣で、Qが肩をすくめて笑う。普段通りの筋骨隆々とした美男子の姿。だが、その瞳の奥には今まで見せたことのない獰猛で苛烈な光が宿っていた。


「J。お前は行け。こいつは俺に喰わせろ。」

「Q……相手は古代の大妖怪だ。一人では危険すぎる。」


Jが拳銃を構え直そうとした瞬間、Qの手がその肩を力強く押さえた。


「勘違いするなよ、相棒。」


Qは不敵に唇を吊り上げ、どこか古風で尊大な口調で告げる。


「我を誰だと思っておる。千の時を生き、国を傾けた大妖怪・九尾なるぞ。このような雑兵の相手に、お前という最高のバディの手を煩わせるわけにいかぬだろうが。」

「……Q。」

「お前の奪われた過去、そしてお前が掴み取るべき未来──全てあのぬらりひょん(瓢箪頭)から奪い返してこい。任せたぞ、迅!」


本名でもコードネームでもなく、自らが親しみを込めて呼ぶ「迅」の名。Jはその眼差しに込められた絶対の信頼を受け止め、短く頷いた。


「頼んだぞ、Q。絶対に……死ぬなよ。」

「クハハッ! 誰に口を利いておるか! しくじったらお前の上品な面を張倒してやるわ!」


Jが巨躯の脇を疾風のごとく抜け、門の隙間へと飛び込む。大元帥明王が六本の腕を一斉に振り下ろそうとした──その瞬間。


「我が相棒の邪魔をするな……不細工が!」


ゴォォォォンッ!!!!

天地を揺るがす衝撃音が轟いた。

Qの右拳が、巨大な黒鋼の剣を真正面から受け止めていた。いや、受け止めただけではない。衝撃波だけで周囲の岩盤が吹き飛び、大元帥明王の巨躯が数メートル後退する。


「な……ぬぅ!? 貴様、その妖気……!」

「フン。久しくこの皮肉な人間の姿で過ごしていたが……まあよい。愛しき相棒の命懸けの舞台だ。我も『最高の本気』を見せてやろう。」


Qの全身から、血のように濃密で禍々しい朱赤の妖気が爆ぜた。パキパキと骨の軋む音が響く。背中の服が破れ、黄金に輝く幾重もの巨大な尾が──一本、三本、六本……そして九本、夜空の月のように優美かつ恐ろしい威容を誇って広がる。美男子だった顔立ちには鮮烈な朱の紋様が浮かび上がり、瞳は獣の如き金色に発光。耳は鋭く尖り、鋭利な爪が伸びる。

人間の美しさと、大妖怪の神々しくも禍々しい威厳が同居する──「九尾の狐」の姿だった。


「待たせたな。……さあ、宴の始まりだ!」


Qが地面を蹴った。ドオンッと音速を超える衝撃波が走り、Qの姿が消える。 


「破ァッ!」


大元帥明王が六本の武器を振り回し、全方位に黒炎の斬撃を放つ。だが、Qは九本の尾を自在に蠢かせ、空中で複雑な軌道を描いて弾丸のごとく加速。黒炎を力任せに引き裂きながら、一瞬で敵の懐へと潜り込んだ。


「遅い!」


Qの鋭利な爪が、六本の腕のうち二本を鎧ごと削ぎ落とし、紫の体液が舞い散る。


「グオォォォッ!? 貴様ぁぁッ!」


狂乱した大元帥明王が、残る四本の腕で金剛杵を突き立て、Qの胸元を貫かんと迫ったがQは避けない。黄金の尾を交差させて硬化させ、鉄壁の盾となして攻撃を受け止めた。ガキィィンッ! と高音の火花が飛び散る。


「我と迅が紡いできた絆……貴様らのようなぬらりひょんの傀儡に断ち切れると思うなよ!」


Qの瞳に爛々と輝くのは、単なる破壊衝動ではない。

記憶を失い、孤独だったJと出会い、S.I.S.C.のバディとして背中を預け合ってきた熱い記憶。冷徹に見えて誰よりも情に厚いあの男を、自分は「親友」と認めたのだ。


「我が尾の一振りは、山を崩し海を割る! 喰らうが良い──【九尾爛漫・天狐爪華(てんこそうか)】!」


九本の尾が爆発的に膨張し、それぞれが意思を持った火竜となって大元帥明王の巨躯を束縛する。逃げ場を失った敵に対し、Qは両手の手爪に全妖気を集中させ、超高速の連撃を繰り出した。

ドカドカドカドカドカッ──!!!!

一瞬の間に数百回におよぶ爪撃。黒鋼の鎧が粉々に砕け散り、肉が裂け、咆哮すらも激しい衝撃音に掻き消される。


「これで……仕留めるッ!」


Qは空中に跳躍すると、九本の尾を一本の巨大な槍のごとく束ね上げた。そこに渦巻くのは、旧江戸の霊脈すら凌駕する純粋な破壊の炎。


「迅……ぬらりひょんをぶん殴ってこい!!」


魂の底からの叫びとともに、束ねられた九尾の槍が大元帥明王の脳天から貫通する。

ズバアアァァァァンッッ!!!!

地下空洞全体を白光が包み込んだ。

大爆発の激震が走り、古代の大妖怪は声もなく灰へと化して崩れ去っていった。


しんと静まり返る巨大な御門の前。


「ハァ……ハァ……!」


膝をつき、肩を上下させるQ。妖の姿から徐々に元の筋肉鎧を纏ったな美男子の姿へと戻っていく。全身は敵の返り血と自らの傷でボロボロだ。九本あった尾も消え、疲弊しきっていた。だが、その口元には不敵で最高に誇らしい笑みが浮かんでいる。


「ハハッ…久しぶりに暴れたなぁ…。」


Qは血のついた手で「禁忌の御門」の扉をそっと撫でた。


「……やったぞ迅。あとは……お前が決めろ。」


壁に背を預けてそのまま滑り落ち、Qは天井を見上げた。インカムの向こうから聞こえる仲間たちの荒い息遣いと、これから最深部に挑む親友の足音を感じながら、Qは静かに瞳を閉じた。



◼️◼️◼️


仲間たちの命を賭した繋ぎによって開かれた「禁忌の御門」をくぐり抜け、Jはついに最深部へと足を踏み入れた。


そこは、常識を遥かに凌駕した光景だった。

巨大なドーム状の地下大空洞。その中心には、東京の地下深くを流れる「旧江戸大霊脈」の心臓部が剥き出しになり、ドクン、ドクンと不気味な鼓動を打っていた。紫と漆黒が入り混じる膨大な霊気の血流が、網の目のように空間全体を覆い尽くしている。


その祭壇の頂点──滔々と湧き出る霊脈の真上に、男が一人、静かに佇んでいた。高級な絹の着物を羽織り、手に煙管(キセル)を携えた老人。

妖怪の総大将──ぬらりひょん。


「……遅かったな、山田迅。いや……。」


ぬらりひょんはふっと目を細め、紫煙をくゆらせた。その瞳には、果てしない愉悦と底知れぬ狂気が宿っている。


「よくぞ来た、朝山一樹(あさやま かずき)。……『霊脈の鍵』よ。」

「……ぬらりひょん。」


Jは冷徹な眼差しを崩さず、足元を固めながらゆっくりと拳銃の銃口を向けた。 


「無駄口を叩く気はない。東京を妖の世界に変えるお前の企みはここで潰す。覚悟しろ。」

「ククク、相変わらず冷徹で美しい眼差しだ。」


ぬらりひょんは喉を鳴らして笑い、煙管の灰をトン、と祭壇に落とした。


「だがな、一樹。お前は何も分かっておらん。なぜ我が三年前、朝山の一族を滅ぼした際、お前一人だけを生かして逃がしたと思う? なぜ記憶を奪い、凄惨な事故に見せかけてお初に拾わせたと思う?」


Jの眉間がかすかに寄る。

脳裏をよぎるのは、消された過去。自分が「山田迅」と呼ばれる前に持っていた、血塗られた朝山一族の記憶。


「朝山一族とはな、かつて徳川家康とともに江戸の霊脈を自らの『血』と『魂』で封印した、陰の守護者の一族だ。霊脈の封印を開くための鍵……それは、朝山一族の血を引く者の魂そのものなのだよ。」

「……俺の血で封印を解くつもりだったというわけか。ならば三年前に俺を殺し、血を注げば済んだ話のはずだ。」

「甘いな、実に甘い!」


ぬらりひょんの声が弾けた。


「ただ殺して血を流すだけでは、硬く閉ざされた封印は解けぬ。封印を解くための絶対条件……それは『朝山一族の者が、自発的な強い意志で魂を極限まで覚醒させること』。つまり、心の底から『誰かを護りたい』『命を懸けたい』と強く願う瞬間なのだよ!」


Jの息が詰まる。


「三年前のお前は、一族の過保護な庇護のもとで育った、温室のヒナに過ぎなかった。絶望と恐怖に震えるだけの汚れた魂では、鍵としての輝きが足りなかったのだ。だからこそ──。」 


ぬらりひょんは両腕を広げ、心底愉快そうに言い放った。


「我はお前の記憶を消した! 孤独と絶望の過去を消し去り、まっさらな人間『山田迅』として生き直させた! 図らずも、お前を保護したお初によって、頼れる仲間を与え、互いに背中を預け合う『絆』を育ませ、今日この日のために……最高の状態で魂を熟成させたのだよ!」

「……何だと?」

「ハハハハ! 気づかんか!? お前が今日、QやK、S、E、N……あやつら愛しき仲間たちの犠牲を貫き、ボロボロになりながらここまで辿り着いたその意志! その『護りたい』という強烈な魂の叫びこそが、我の欲しかった最後のピースなのだ!」


ぬらりひょんがパチンと指を鳴らした。

ズキュゥゥゥンッ!


「ぐあぁっ!?」


Jの胸の奥から、激しい灼熱の光が噴き出した。それは、仲間や東京の平和を想うJの心が限界を超えて覚醒させた、朝山一族本来の「霊脈の鍵」の力。だが、その光はJの意志とは無関係に、祭壇の術式へと吸い込まれていく。


『J! 聞こえる?J!』

『Jさん! 地下全域の妖気が一気に跳ね上がってます! 祭壇のシステムが強制起動したの……!?』


耳元のインカムから、ボロボロになりながらも叫ぶEやNの声がノイズ混じりに響く。仲間たちが自分をここまで届けるために流した血、その絆の全てが──ぬらりひょんの計画通りの「儀式の資材」として利用されていた。


「素晴らしい……実に見事な光だ、朝山一樹!」


ぬらりひょんの歓喜の叫びが空洞に響き渡る。


「お前が仲間のために抗えば抗うほど、魂は輝き、封印は急速に崩壊していく! お前の愛した『絆』が、東京を滅ぼす牙となるのだ!!」


祭壇の紫黒の光柱が暴走し、旧江戸大霊脈が地響きとともに爆発的な開花を始めようとしていた。


「がァァァァッ!!!」


絶望的な真実を前に、一人佇むJの全身を、過酷な呪縛が苛み始めたのだった。


(第11話・完)



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