第8話「戦いの足音」
バトルメインの新章。
どんどん発展していきます!
◇
薄暗い部屋。
静寂を破るように扉が開いた。
「クソが。失敗した。」
拝島 拘の不機嫌な声が響く。
「私は悪くないし。」
「だって御鏡ってやつに邪魔された。」
ペアの女、他原 卑弥が気怠そうに答えた。
拝島は鼻で笑う。
「予想以上だった。」
「あそこまで使いこなすとは思わなかった。」
突如、奥にいる人物が静かに口を開く。
「言い訳は不要だ。」
拝島の目つきが変わる。
「あ?」
部屋の空気が張り詰める。
「俺は、お前の手下になった覚えはない。」
やがて奥の人物が小さく笑った。
「……好きにしろ。」
「結果だけ持ち帰れ。」
拝島は鼻で笑う。
「命令するな。」
「不自由なんだよ。」
奥の人物は、少し間を置いて言った。
「必ず回収しろ。」
「……核を。」
拝島が少女へ声を掛ける。
「行くぞ。リア、今度はお前も来い。」
「はい。」
糸間 リア(いとま りあ)が素直に返事をする。
三人は部屋を出ていった。
奥の人物は壁一面に映し出された世界地図を見つめる。
世界各地で、小さな光が次々と灯り始めていた。
「始まったか。」
◇
遠くで爆発音が響く。
建物の向こうから黒い煙が立ち上る。
誰かが走り去っていく。
誰かが悲鳴を上げる。
世界は、もう動き始めていた。
御鏡が周囲を見渡す。
「思ったより早いな。」
「もう能力者同士が接触している。」
「佳子。見える範囲で現状を見てくれ。」
「分かりました。」
佳子は静かに目を閉じる。
数秒後。
ゆっくりと目を開いた。
「……十。」
俺は思わず聞き返す。
「十?」
「今、私に見える範囲だけでも能力者は十人います。」
「私たち三人を除いて七人。」
「ただ、今すぐ接触できる距離ではありません。」
佳子はさらに集中する。
「三人はまとまって動いています。」
「残りは、ばらばら。」
「……でも。」
佳子の表情が曇る。
「別の四人が、こちらへ向かっています。」
俺の背中を冷たいものが走る。
「敵なのか?」
「まだ分かりません。」
「ですが、能力者です。」
◇
街角。
制服姿の少女が立ち止まる。
脳裏に浮かぶ三つの光。
少女は静かに目を閉じた。
「……いた。」
彼女は迷うことなく、三つの光へ向かって歩き出した。
◇
その頃。
別の路地裏。
「三人か。」
拝島が小さく笑う。
卑弥は嬉しそうに両手を合わせる。
「ふふっ。」
「楽しみ。」
それぞれの思惑が。
ゆっくりと、一つの場所へ集まり始めていた。
それぞれの影が、同じ場所を目指して動き始める。
最初に出会うのは、敵か、味方か。
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