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第5話 「始まりの願い(前編)」

今回は前編後編です!楽しんでもらえると嬉しいです。

「広すぎて……全部、視えない。」


佳子の震えた声が静まり返った別荘に響く。


次の瞬間。


ガシャンッ!!


窓ガラスが砕け散った。


反射的に視線を向ける。


割れた窓の向こうに、二つの影が立っていた。



黒い外套をまとった男。


その後ろには、一人の女。


「見つけた。」


男が不気味に口元をゆがめた。


御鏡が咄嗟に指示を出す。


「陽菜は俺の近くに」


「佳子は落を頼む」


御鏡が戦いやすいように上手く戦力を割り振った。


「それで応戦できるのかしら?」


女が不敵に笑う


「好きに言え。お前たちは何がしたい」


問いかけ、戦いやすいように扉を開けて外に出た。


そして御鏡が呟く


「(佳子。最悪、裏口に回ってトラップエリアに向かえ)」


「(了解です。)」


男が言う。


「お前に話すことは何もない」


ボコッ!地面が盛り上がり鎖が現れ


御鏡を拘束しようと襲う。


「反射!」


鎖を跳ね返し、回避した隙に


二人が俺たちに向かってくる。


体制を整えた御鏡がギリギリ女の足止めをする形に。


佳子は俺の腕をつかんだ。


「落さん!」


「こっちです!」


迷っている暇はなかった。


俺たちは別荘の奥へ向かって走り出す。


ただ必死に足を動かした。


「はぁ……はぁ……。」


ようやく足を止めた、その時だった。


「逃がすと思ったか。」


低い声が響く。


少し先に男が立っていた。


「なんで……。」


上から回り込まれていた。


男はゆっくりと歩き出す。


「自由は平等じゃない。」


一歩。


また一歩。


「生まれた時から自由な奴もいれば、何もかも縛られて育つ奴もいる。」


距離が縮まる。


「俺はずっと縛られてきた。」


男の右手から黒い鎖が現れた。


ジャラ……


「だから、お前も縛られろ。」


鎖が蛇のように襲いかかる。


「くっ!」


避ける間もなかった。


右腕。


左腕。


胴。


足。


全身へ鎖が絡み付き、俺は勢いよく床へ叩きつけられた。


「ぐあっ!」


鎖が締め上げる。


息が苦しい。


体が動かない。


「落さん!」


佳子が駆け寄ろうとする。


「来るな!」


叫んだ瞬間、男はさらに右手を握り込んだ。


「お前の体の自由は俺が奪った。」


「一生、そのまま縛られてろ。」


鎖が食い込む。


視界が揺れる。


その時だった。


ズシッ。


「……っ?」


男の右腕が突然、下へ引きずり下ろされた。


「なんだ……?」


男は顔をしかめる。


腕を持ち上げようとするが、見えない何かに押さえ付けられたように動かない。


理由が分からない。


男にも。


俺にも。


その異変を理解できたのは佳子だけだった。


佳子の右目には、落を中心に淡い光がこの周辺一帯を波紋のように広がって見えていた。


本来なら一点へ集まるはずの力。


それが制御できず、一帯へ漏れ続けている。


佳子は小さく息を呑んだ。


「やっぱり……。」

ついに落の能力が明らかに!

xでキャライメージ持てるように画像なども投稿してます!

https://x.com/otiaiam

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