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レムリアの女王  作者: みすみ草
一章 記憶
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三.側近

姿を消して見守っていた三つの影は、夫婦がリビングへ移動した後姿を現した。

その姿は息を呑むほど美しい白銀のオオカミ、黒猫、白いカラスだった。三匹は、オオカミがマガミ、黒猫はライラ、白いカラスはハクウという。



マ「巫女は死んでしまったが、姫は無事生まれた。姫はオリビン(ペリドット)を持っている。ハタレマに見つかれば奪いに来る事は目に見えているがまだ姫に防御する力はない。ライラ、お前の力で隠せ。」


ラ「ええ。任せて。」


ライラは胸の前で手を合わせて目を瞑り呪文を唱え始めた。手を合わせた指の先からゆらっと白い気が立ち上る。するとライラは手を開き白い気を放った。


白い気は丸い球体になって沙羅の握っているオリビンを包んだ。オリビンは球体の中に入って淡くキラッと光り、それが沙羅の胸の中へとふわっと吸い込まれていった。


ラ「これで良し!姫様が覚醒するまでここが一番安全よ。ハタレマにも気付かれる心配はないわ。」

マ「次は我らも隠れる。それぞれの姿で姫の近くに居ようぞ。」

ハ「おう!仲間に紛れ込むとしますか!」


そうしてマガミは白い犬、ライラは三毛猫、ハクウは黒いカラスとなって消えた。


沙羅が誕生する数日前。


上高地。この地は神が降りる場所として古くから神降地と呼ばれていた。雲ひとつない真夜中の空に満月が青白い光を放っていた。

河童橋から徒歩で一時間位歩くと明神池がある。明神池の水面が月を映し出し神秘的に美しく光っている。ここは穂高神社の奥宮が鎮座している。


そこに小さい水の波紋が三つ静かに現れた。水の波紋は段々と大きく広がって、やがて白く光る三つの発光体が水面から現れ、ゆっくりと浮上し池の畔へ移動した。

発光体は変化し始め、はっきりと姿を現した。それは白銀の狼、黒猫、白いカラス。三つの動物は息を呑む程美しく、気品に満ち溢れていた。


白銀の狼”マガミ”は凛とした佇まいに品格が漂い、サファイヤのような青い瞳がキラッと光り、体長は裕に2m近くは有ろうかという堂々とした姿。


黒猫の”ライラ”は夜の闇よりも深い漆黒の毛並みが非常に艶々している。頭の先から足先、尻尾の先まで隙が無くピンとして気高く、瞳は金色に光り輝いていた。


白いカラスの”ハクウ”は羽の一つ一つがほんのりと青白く光り、瞳は漆黒で気品に満ち溢れている。見つめられると吸い込まれてしまいそうな程美しい。しかし三匹が話し出すと、イメージが変わった。


ラ「マガミ~。姫様がやっとお生まれになるわね~。二万年も待ったわよ。二万年!この時を待ってたわ~。」


マ「ああ。やっとだな。吾ら側近、今度は絶対に姫を奪われないように守り抜かないと。そして再びシリウス様と夫婦になり、銀河と地球に平和と調和を取り戻さねばならん。二万年前のようなヘマは絶対にしてはならないな!覚悟して掛かるぞ。ライラ、ハクウ。」


ラ「そうねえ~。何が何でも必ず成し遂げるわよ~。今度は絶対にハタレマの好きにはさせないんだからぁ。ああ~、もう!姫様にお会いするのが待ち遠しいわね~!」ライラと呼ばれた黒猫は、腰をくねくねさせながら何とも艶っぽい雰囲気を発揮して興奮を隠しきれずにそう言った。


すると今度は白いカラスのハクウが話した。

ハ「あ!こんな事しちゃいられねー!急いで向かわないとハタレマに見つかるぜ!」


ラ「そうね~。ハクウ~、姫様の所へちゃんと案内するのよ~。」


ハ「おう。任せとけ!マガミ、ライラを乗せて俺に付いて来い。」


マ「承知。」


ハクウは空を見上げて羽を広げ、あっという間に北に向かって飛び立った。

マガミは慌てることなくライラを背中に乗せて、物凄いスピードでハクウの後を追いかけて行った。


三つの影があっという間に消えた後の明神池は静寂を取り戻し、満月の青白い光が池を照らすのみだった。


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