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【探偵#4】

私の名前は金花メリー。


「今回の事件、許せないよ…」


「あぁ、でも現場には証拠らしい証拠は一つもなかった」


調査を終えた探偵と用心棒を迎える、金花探偵事務所の所長。



何者かによって引き起こされた悲劇、異界人集落襲撃事件。



跨線橋の下で暮らす異界人の半数を死亡させた凶悪な事件。


さらに集落の若い女性を多く誘拐したという。


けど、おそらく警察は動かない。


事件の被害者は、悪い言葉を使うならホームレスであり、違法滞在者。


違法なルートによって日本にやってきた彼らは、この国からも、そして祖国からも見放された、社会の闇。


でも、それでも瀬礼市で暮らす一市民。たとえ境遇や環境で差別しているなら、この私が許さない。


二人がジャケットを脱ぎ、ソファーに腰かけ、今回の調査結果を語り始めた。


「さっき、マリ―のところに行ったあと、現場の跨線橋に行ってきたわ、もう警察によってかなり規制されていたけどね」


警察にとって彼らは犯罪者、きっと面倒ごとだと思っているに違いない。



「まぁ当然現場は凄惨だったが、これだけは分かった。どうやら犯人はプロの暗殺者だ」


練斗がポケットから取り出したのは手裏剣、鈍い光を放っている。


「病院にいた患者の傷口と現場に落ちていた手裏剣、そして襲われた奴らの話を聞く感じ、忍びの類だな、しかも人数は二人、こりゃ相当強いな」



鬼人族やオーク、さらには獣人族もいる集落。異界人の彼らをたった二人で制圧できるものなの?



その時、裏から銀色の巨体が待合室に現れる。


「皆様、新情報を手にシマシタ」



「ゴーレム?何かあったの?」


現れたのはゴーレム。金花探偵事務所の雑務兼保護者兼サイバー担当。



「風香様、先日、異界の王族、エルフ種、アストレア家の姫が瀬礼市の学校に通い始めたという情報を入手シマシタ。」


独特の機械音が事務所に響き渡る、これはなかなかかも…


「おいおい、アストレアって王族中の王族だろ、そんなんがなんで東京にきてんだ?」


練斗が笑いながらも立ち上がる。



「ゴーレム、現在はどこで何してるの?滞在時間と目的は?」


「風香様、目的は人間界との関係強化、文化理解などなど様々デス、社会勉強カト」


「ありがとうゴーレム、でもこれはまた厄介なことになったわね」



アウトレア家、それはエルフの国を取り仕切る王族、しかも国王の娘。


それがこの街に来たとなれば、必ず周辺の組織や敵対勢力が姫を狙って動き出すだろう。


「そういえば、前にもあったよね?妖精族の王子が社会見学の為にわざわざ瀬礼市のショッピングモールに遊びに」


私につられて思い出したのか、二人の顔色が悪くなる。



「あー、やべぇくらい偉い王子ね。秘密裏な来日だったのに、敵対してる国のヒットマンが、ショッピングモールで魔法爆破事件を起こした奴な」


「ほんと、異界の連中って容赦がないし、日本だからどれだけの被害をだしてもいいと潜在的に思っているのよ」



どういうわけか異界の連中は、本国を離れた異国の地での暗殺を好み、大体窓口である瀬礼市はいつも抗争に巻き込まれている。



「つまり、また何かの事件がおきる可能性が非常に高いね」


しかも彼らは瀬礼市や東京に一切の相談もなくいきなり来日するのだ。


「学校は瀬礼国際高等学園、学校の方針で異界交流を広げることが目的のようデス」


ゴーレムは壁に移された情報を読み上げた、機械音が癖になってきたかも。


「護衛は一人、その従者が雑務や護衛の任務を本国から任されているようデス」



「おいおい、護衛が一人って、そりゃやべーな、相当な実力者か?」


「本国は大人数で押しかけたり、国の騎士団をつかわないのは、異国の地では少数精鋭の方がいいと判断したのね」


風香ちゃんは情報からすぐに現状にたどり着く。



「追加情報にヨリマスと、学校で知り合った同学年の男子生徒と共に行動しているソウデス」



「そんなお姫様の近くに入れる男の子って、一体何者なのかな?」


異界人集落を襲った正体不明の暗殺者、さらに突所として瀬礼市にやってきた王女。


ここ最近の暇が吹き飛ぶくらいに、瀬礼市の状況が慌ただしくなってきた。


「まぁ、しばらくは街での諜報活動を増やして、テロを未然に防ぐ、それが金花探偵事務所としての今後の動き、二人とも、いいね?」


探偵が固めたのは今後の方針、私達の存在意義は瀬礼市を事件から守ること。



「まぁ忍びの暗殺者ももしかしたらアストレア王女が来たことに関係してるかもな」


練斗の推測、安直だが、可能性はある。



「まぁ誰が何しようと、この瀬礼市に俺達がいる限り、異界人も人間も関係ない。事件を解決するだけだよ」



烈火のごとき覇気を纏う用心棒、まさに頼もしすぎる。



「そうだね、さぁメリーちゃんもがんばるぞ!!」



でも、私達を取り巻く巨悪は、すでに喉元まで迫っていたんだ。

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