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【探偵#23】

俺の名前は煉城練斗…


「マジで痛いな…クソが」


謎の忍びの暗殺者と戦って、ボロボロな用心棒。



現場は壮絶、俺とこいつらの戦闘の爪痕は強く残る。


俺達、金花探偵事務所は瀬礼文学園の演劇部の一大イベントの護衛を任された。


俺達の防御を抜けて、会場には謎の火柱と異界生物。


そして探偵、星都風香の指示で俺は路地裏に向かった。


っと思ったらいきなり俺達を狙ってきたのがこいつら夫婦の忍び。


「ごふぁ…マジで強かった…」


体には数えきれないほどの切り傷と爆傷。


刀を杖のように使いながら、俺は何とか立ち上がる。


「みんなは大丈夫か…」


連絡用のゴーレムは盾に使ったせいで故障、そして爆風の影響でスマホが不調。


「さっきは使えそうだったのに」


その時、一人の人物が仕切りにスマホを操作している。



「お嬢様…天瀬にもつながらない!?何が起きてる…」


このメイド、俺が駆け付けた時にはすでにボロボロだったのに、羽も含めすでに回復してやがる、何者なんだ?



「おいあんた、一体何者だ?ただの妖精ってわけじゃねーだろ」


俺の問い、焦りながらも答える。


「私は、リュシエラ・ノクス。エルフ族の姫、フェリア様の護衛兼使用人だ」


服装から推測できたが、戦闘者なのは意外だった。


金花探偵事務所でもマークしていたエルフの姫、その護衛とは。


ただ今回、こいつらを倒せたのはこのメイドの援護があってこそ。



「あんたがいたお陰でこいつらを倒せた、ありがと」


「いえ、本来なら私が倒すべき相手、自身の未熟さを呪っています」



「で、この夫婦が戦闘中にゲロってたターゲット、それはエルフって言ってたが、そう言う感じか」


俺の問いにメイドは静かに頷く、まぁエルフはこの日本ではほとんどいない種族。

異界では上位の存在。その姫ともなれば命を狙われるのなんて常だろう。



「彼らは轟流の忍び、それは貴方もご存じのはず、そう、クライアントは間違いなく森田財閥、心当たりもある」


「そりゃずいぶんな相手に狙われてんな、姫を攫ってどうすんだろな」



だが、俺の帰ってきた返答は予想もしていないものだった。


「私達が通う学校に、森田の子が一人。そしてお嬢様に好意がありました。ですが…」


「おいおい、それで轟を動かしたってとこか?」


そんなくだらないことが理由なら、俺はたとえ財閥と戦争になったとしても落とし前はつけてもらう。



その時だった、いつも聞きなれた所長の声が俺の耳に入ってくる。


「練斗!!大丈夫???」


現れたのは、我らが所長、金花メリー。


度重なる爆破の影響で市民ホールへと延びるこの路地裏は壊滅的だ。


「メリーか、とりあえず俺は大丈夫だ、被害は?」


「怪我人は出ちゃったし、爆破で二人…あとはゴーレムがぬっぺぼうを倒して、もう異界警察と消防も駆け付けて、とりあえず大丈夫そう」


二人…くそが。もっと早くに異常に気付ければこんなことにはならなかった。


「避難状況は?逃げ遅れた者の中にエルフの女性と人間の男はいなかったか?」


メイドさんがかなり焦りながらメリーの腕を掴んだ。


「えっと、詳しくはまだわかんないけど…運ばれた人の中にはいなかったよ」


「そうか…森田の奴が二人に接触してる可能性がある!…っう…」


限界なのか、メイドは片膝をつく。



「おいあんた、事情は知らねーけど、とにかく病院に行くぞ、その回復も一時的なもんだろ」


事実、メイド服から伸びる妖精族特有の羽は鮮やかな色を失っている。さらに体にも傷跡がまだ残っている。



「私はお嬢様を…フィリア様をこの命に代えても守る必要がある、これは私の問題だ!」


この感じ、どうやら覚悟は本物ぽいな、だがそんなのはさせない。



「わかったよ、なら、俺があんたを背負ってお嬢様とやらを探してやる」


メリーが慌てたように手を振り、反対意見を述べてくる。



「いやいや、二人とも大怪我だよ!?今すぐにでも…」


「メリー、傷の方は問題ない、スライムので止血すればもう少しだけ動ける、それに、このメイドも魔力が切れて恩恵が途絶えただけで、もう命までは届かない。」


「あのさ、今までで練斗の大丈夫が大丈夫だったことってないよ!」



俺達の不毛なやり取りの間に、メイドは凄まじい気合と共に立ち上がっていた。


「頼む、煉城練斗。お嬢様のもとに…」


「任せとけ!カンと嗅覚で見つけたらぁ!」


俺はメイドの彼女の腕を掴み、強引に背負う。



「メリー、あとこの忍び…多分生きてる、身柄の事は後頼んだ!」


「え!?じゃぁ急いで救護班と警察呼ばなきゃ!」


メリーが文句と何かに連絡する声を置き去りに、俺は市民ホールまで走り出した。



「俺はもはや死なないんだよ」


「お嬢様…天瀬…頼む」


背中から聞こえた一つの呟き、だがこの不安は最悪な事に的中してしまうんだ。

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