【探偵#24】
私の名前は星都風香。
「みんな、無事でいて…」
爆破があった地点へと急ぐ、金花探偵事務所の探偵。
私が向かうのは、不思議なSOSを出したミニゴーレムがいた地点、そこには練斗を向かわせたはず。
(なに…これ…)
私が付いた地点に飛び込んできたのは、無数の爆破で大破している裏道。
相当な爆破があったと推測される、しかも無数の暗器も落ちている。
「風香ちゃん!!来てくれたの!!」
そこにはメリーがいた、様子を見る感じ、怪我はないようだ。
「いったい何があったの?って…これは…」
メリーの後ろの地面に転がるのは、血まみれの男女、男の方は腕が片方ない。
「風香ちゃん、この忍びが今回の主犯、ここで練斗と戦って二人は負けた」
「さすがは、練斗ね、でも練斗は?」
「練斗は謎のメイドの女性とホールに戻っていったよ」
メリーが指さすは私がさっきまでいた建物。
「この二人、相当な実力者、いくら練斗でも無傷ではないでしょ、それにメイドって?」
私の問いに、まだ納得しきれていないように答える。
「よくわからないけど、そのメイドは多分この二人にやられていたんだ、でもホールにまだ主人がいるかもしれないって…」
状況がそれなりに見えてきた、とは言え襲撃者が異界生物とこの二人の忍びだけとは限らない、まだ油断はできない。
私とメリーが状況をすり合わせている時だった。
何やらかすれた声が耳に入る。
「ハニー…いか…ないで…」
その声は地面から、弱弱しくもどこか諦めていない声。
「まだ…生きてるの…?」
メリーがそう思うのも無理はない、女の方も相当な刀傷に爆傷、十分致命的だ。
さらに男の方がさらに重症、どれだけ斬られているんだ?
私は情報の為に話しかける。
「あんた、うちの用心棒と喧嘩して負けた、もう死ぬ、分かる?」
けれど、この男の言葉はこれだった。
「死なない、死ねない、ハニーの為に…」
その男が伸ばす手の先、その女性はどうやらパートナーのようだ。
ならば、この交渉もある。
「素直に情報を吐けば、二人とも生き残れるかもしれない、どうする?」
ここはあえて圧をかける、反抗してそのまま死ぬ可能性も孕んでいはいる。
男は吐血しながらも何とか話し始めた。
「森田…から異界人殺せって言われた、女は攫えって言われた…瀬礼市が狙い…」
その時、私の脳内が情報の点を線で結び始める。
「まさか…数か月前の異界人集落の事件、実行犯は貴方達二人?」
生き残った鬼人族や亜人族の人々からの情報では、実行犯の二人は男女。
そして、忍の技術を戦闘で使っていたと。
「この二人が…みんなを…許せない」
メリーもどうやら気づいたようだ。
数か月前、瀬礼市にある異界人の集落が何者かによって襲撃を受けた。
その集落は異界からも日本からも見捨てられた社会の闇。
しかし、突如として何者かがその集落の半数を殺し、若い女性は誘拐されたと。
「でも、忍びってことは主人の命令ってことだよね」
私の所長が泣きそうな顔で私を見る。
金花メリーは底なしに優しい、それが良いか悪いかは今はどうでもいい。
「そうね、ゴーレムと情報屋から仕入れた情報的に、この二人は轟一族の忍び…つまり森田財閥が首謀者」
事件の手掛かりをまとめ、私はたどり着く。
「とにかくこの二人、病院に連れて行こう。まだまだ聞きたいことはある」
そして、この事件の首謀者の目的も大体わかった。
「メリー、私は練斗達がいるところに行く、あとはいろいろ任せたよ」
「またこの役回り??所長をなんだと思ってるのさ!」
私は現場にメリーを残し駆け出した。
(私の推理が正しければ…このままじゃ! )
そして、市民ホール襲撃事件はクライマックスに向かっていく。




