【探偵#18】
瀬礼市の市民ホールの裏道、薄暗い空間に殺気を放つ二人の忍び。
見た目はどちらも完全なる忍びだが、首元の金のアクセサリーなど派手なお洒落さがどこか若者を感じる。
「こいつ、タフだね、でも爪で引き裂くだけだけど」
椿がそう言いながら某国の爪のヒーロのような構えをとる、手甲鉤は本来は手のひらサイズだが、椿の手甲鉤は裏拳から長く伸びる完全なる接近戦用。
「ハニー、油断は禁物だからね、こいつ面倒なガキだから」
そう…この二人はどこか他人事のような、いや正確に言えばパートナー以外の事に全て興味がない。
そしてその二人の前に立つのは煉獄とスライムを体に纏う男、二対一でも一切怯んでない。
「俺は負けられないんだよ、”これ”が役目だからな」
煉城はもうすでにボロボロ。だがこの程度の戦場は幾度となく乗り越えてきている。
そして椿の苦無によって第二ラウンドが始まる。
「じゃ死んでね、お礼はいらないよ」
忍びの搦め手、椿が苦無を投擲していた。
「ふざけてんのか?」
視認しずらい搦め手、だがすでに煉獄刀を振りかぶっていた。
「逆にお前が死ね、あと謝罪しに地獄から戻って来いよ」
なんと、煉城が弾丸ライナーで苦無を打ち返す!
「生き返ってるでしょ、それ」
椿に向かっていく苦無、それをさらりと避ける。
こいつらの恐ろしさは夫婦のコンビネーション、豪太はすでにサイドに回っている。
「ハニーの贈り物を受け取らない…死刑だ」
豪太の斧による刺突が迫る、だが煉城は見えている。
「もうお前らのことは読んでいるだよ」
すでに迎撃態勢、煉獄刀が逆袈裟で跳ね返す。
「ハニー、僕がかっこいいとこちゃんと見ててね」
再びの真っ向勝負。両者の刃が凄まじい火花を散らす。
だが今回は煉城が優勢、豪太の刃は届かない。
「何回同じことするんだ?馬鹿なのかよ」
煉城の攻撃のギアがさらに上がった!豪太は刀を防げずに血煙が上がる。
(く…やっぱりこの男に真正面は無理…)
「ダーリン!!!」
椿が心配そうに声を張り上げる!すでに懐に手を忍ばせている。
「ダーリンをいじめるな」
椿が鎖分銅を投擲!高速回転しながら斬り合う男たちに向かっていく!
「お前、嫌いだからハニーのところ戻る」
気づけば豪太はバックステップを踏んでいた、行動に境目が無い…
「お前ら、俺に搦め手は悪手なんだわ」
次の瞬間、煉城が青に染まるスライムの幕を展開!
「搦め手は食らわねーよ」
鎖分銅がスライムに飲み込まれたと同時。
煉城は二人目掛けて飛び出す、その爆発はもはや弾丸のよう。
「目の前のガキは学習しないんだね、ダーリン」
「そうだねハニー、もう手遅れだね」
用心棒を迎撃するため、二人も臨戦態勢!
「もう、お前ら同時に攻略するわ」
すでに用心棒は煉獄刀を金に光る鞘に収めていった。
気づけば二人は射程内、そして!
「ここだ!!」
繰り出したのは煉獄を纏う最速の居合斬り!!
「これはヤバい!」
「止めるよハニー!」
煉城が放つのは研ぎ澄まされた達人の居合!
「最中アイス見たく割れとけ!!」
「止める!!ハニーのために!!」
だが豪太はそれに反応!ギリギリで刃を滑り込ませる!!
だが…その斬撃は特別。
「止まら…ない!!」
「吹き飛べよ、クソ旦那!」
煉城の居合を止めれない、刃を豪快に弾きながら煉獄の斬撃が豪太を削る!
「ダーリンを何回も傷つけて…許せない」
一人の隙をもう一人が補う…すでに椿は動いている。
「見えてるぜバカ嫁」
そこから今回二度目の2対1の正面衝突!再びお互いの刃が嵐のように噛み合う。
「クソっていうな、言っちゃいけない言葉でしょ」
「バカっていうな、言ったほうがバカなんだよ」
奴らの斧と鉄爪、並みの戦闘者なら一瞬で終わる。
「本当のこと言ってるだけだけどなぁ!!」
用心棒は持ちこたえる…が、手数が違う。用心棒が一歩的に削られてしまう…
「訂正しろ、バカから美人な奥さんに」
「訂正しろ、クソから頼れる旦那に」
煉獄刀による攻撃は全て弾かれる、まさに鉄壁。
それでも相手は煉城練斗。すでにゾーンに入っている。
「スライム…煉獄龍…全力だ!力貸せ!!!」
二つの封印された能力の出力を盛大に上げる、そしてそこから爆発的な加速!
「破壊力もスピードも次元が違うんだよ!!」
ここで煉城が攻撃の手数を増やす、スライムの能力で異様に腕が伸びる拳。
「こいつ…なんだ?」
「ハニー、これはちょっとまずいかも」
そして…煉城が異様ともいえる爆発力で椿と豪太を押し返した!!
「痛い、痛いよダーリン!」
「ハニー、少し待ってね、今こいつを殺すから」
(なんだ…この圧力は…)




