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【探偵#10】

森田コーポレーションのオフィス。


そこにいたのは森田コーポレーションの幹部で現状に頭を抱える島崎という男。


「くそ…また修也様からの無茶振りか…」



島崎は血縁関係無しでこの地位まで上がってきた実力者、現在は森田修也のお世話係に近い厄介事を任されている。


「私は…森田会長が望む未来のために…」


島崎は目に入れてもいたくない、大切な一人娘がいた。


ただ、幼き子には見合わない突然の不幸、居眠り運転をしていた車両に轢かれてしまう。


命は助かったが、二度と意識が戻ることはないと告げられてしまう。


延命の金額も途轍もない…そんな時だった。


「治療費は、私が負担しよう」


現会長である、森田浩平に彼は救われた、そして…


【俺は…森田様に生涯を捧げる…】


そうして血を吐くほど過酷な競争を乗り越え、この地位まで登ってきた。


だからこそ、その息子である修也の事をむげには出来ないのだ。



___________




緊張を殺しながらも、島崎はとある暗殺者と接触していた。


「この依頼はあんたらのご主人直々だ。殺すには十分な理由だ」


島崎は手の震えを気合で我慢しながら資料を渡す。


「狙いは異界のエルフの王族、生け捕りにしろとの事だ、そのエルフにつく護衛と人間は殺して構わない」


その言葉の先にいるのは。


森田財閥に使える轟一族の暗殺者。椿と豪太。


姿は完全なる忍び、だが身に着けている金のアクセサリーがどこか若者を感じる。


「ダーリン、このおじさんなんかキモイ」


「ハニー、女の子なんだから言葉使いは気をつけようね」


主人である森田財閥すら手に負えない問題児。かつては一族から絶縁になりかけたことも…


(こいつら…もし会長の名前を出さなかったら、死んでいたのは俺だ)


島崎は過去にも何度か森田財閥から轟の暗殺者を借りていたが、今までとはまるで違う。


「依頼は本家ではなく、この森田コーポレーションが依頼する。だから今回は依頼料に期待していい、それと、これはターゲットのここ数日の行動スケジュールだ」


情報の詳細が書かれた書類を手渡しながら、島崎は過去に雇った轟一族の暗殺者からの発言を思い出していた。



(島崎さん!依頼料がもらえて助かります!森田家からの依頼だと報酬ってないんですよ)



この発言から島崎は轟一族は森田財閥からの命令は完全にノーギャラ。

いや、一族を全て雇っているのだから、こまごまと支払うのではなく年俸制に近しいのだと推測していた。


「あと、これは追加情報だが、彼らがいる瀬礼市には厄介な奴らがいるのはご存じですか?」


「厄介な奴ら??ハニーとの間を邪魔することなんてできないよ」


「ダーリンの言う通り」


この二人から漏れ出す殺気、常人なら耐え切れずに逃げ出している。


(なんだ…こいつら、話を聞いているのか?)


その強烈な殺気、島崎とてこの魑魅魍魎な世界を生き抜いてきた男、簡単に飲み込まれはしない。


「この世界にいたら自然と耳に入ると思うが、瀬礼市の探偵、金花探偵事務所が介入してくる可能性がある」


「探偵???」


二人は興味なさそうに首を傾げる。



「探偵の星都風香は、すさまじい頭脳を持つ天才。見抜けないトリックや策略はないといわれるほどです」


「へぇかっこいいな、ダーリンも探偵しよ」


「ハニー、人の話は最後まで聞こうね」


椿はさらに纏わりつくように豪太に腕を絡ませる。



「そして、もう一人の警戒人物は用心棒の煉城練斗です、皆さんもこのなくらいは聞いたことあるのでは…?」


「聞いたことあるかも」


「ダーリン、わかんないよ」



金花探偵事務所の最高戦力、煉城練斗。


異界の中でも最高クラスの戦闘力を持っている、身に宿すドラゴンとスライムの力は対策不能。


金花探偵事務所の強さとは、そのままその男の存在。この世界ではそういわれるほどの戦闘者。


「彼は封印者、片方の能力を使っている間には別の能力に制限が掛る、そこが弱点です」


額に流れる汗を拭き、恐怖を抑え込み、口を動かす。


「瀬礼市で動けば、必ず介入してきます、警戒してください」


島崎は二人にお願いするように、視線をじっくりと合わせた。



「お金…沢山くれるの??」


「てことはハネムーンだね、11回目だけど」


表情を一ミリも変えないまま、島崎の顔を二人は覗き込む。


「はい!出せるだけの金額は出させていただきます!」


島崎の言葉を耳にいれた二人はさらに顔色を良くした。



だが…この二人の狂気は、ここからだった。



「あ、でもこいつさっきハニーにセクハラした」


「うん、私セクハラされた。とても悲しい」


空気がまるで山の天気のように突然変わる。


「い、いえ。私はそんな目で…」


島崎必死の言い訳も…この二人に耳には届かない。


次の瞬間だった。


豪太がとんでもないスピードで炸裂弾を懐から取り出す。


「性加害はこの俺が許さない!!」


バーン!!


豪太が地面に炸裂弾をぶん投げる、そしてもうすでに椿は両手に忍びの暗記、手甲鉤が装着していた。


「痴漢野郎は引き裂いて殺す」


そして…


「やめろ!!!あああああああ!!」


島崎が炸裂弾の爆発で盛大に吹き飛ぶ。


もうすでに椿は背後に回っていた。


グサァ、と肉を穿つ嫌な音…


「警察には通報しといたから、死ね」


「なんで、ガハァ…」


なんとこの二人…依頼者である島崎を意味不明に殺してしまったのだ。


「ダーリン、また戻ったら今度こそ絶縁て言われちゃうかな」


「ハニー、性犯罪者を殺すことを悪くいう奴なんていないよ。まぁ依頼は依頼だから、こいつら殺そうか」


____________



そして…数日後二人はすでに瀬礼市に入っていた、フィリア達の襲撃までカウントダウンだ。


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