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細海先輩と御森くん  作者: 紙屋川トカゲ
2章 本格始動
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第61話 細海先輩と御森くんと日焼け事情

「おはようございます!本日もよろしくお願いします!」


夏季休暇明け、開口一番元気な声が居室に響き渡る


自席にたどり着くまでの間に旅行に行っていた先輩方からお土産を渡され

あれよあれよという間に御森くんの手には各地の銘菓が集結した。


「おはようございます、本日もよろしくお願いします」

「おはようございます!やーおやついっぱいになりました」


嬉しそうに机に並べる姿を見ながら

おそらく終業時刻には全て平らげているのだろう、と思い何気なく彼の顔を見て“おや?”と首をかしげる


「御森くん、鼻の頭痛そうですね」


そう言うと「やだぁ~いわないでくださいよー」と手で該当箇所を隠した


「(リアクションが女子高生のようだ)」

「地元の友達と遊んだ時に日焼け止め塗りなおしできなかったんです」


本人も気にしているようで、人差し指の腹で鼻先を撫でる


「それくらい楽しかった、ということでしょう、早く治るように祈っておきます」


パソコンに視線を戻す私の横で

「楽しかったですけどー」と自席に座った。


「俺なんやかんや最近の子じゃないですか?」

「そうですねぇ」

「スキンケアめっちゃ頑張ってるんですよ!」

「君がスキンケアどころかくせ毛を気にしてて清潔感にもちゃんと気を使ってるのは痛いほど伝わってますよ」

「そんな俺の鼻の頭が日焼けで赤くなってるのってすごくないですか」


凄いかどうかは分からない


「しっかり保湿して刺激を与えないようにしましょー」


そう言った私の顔をじーっと見つめ

「細海先輩ってどうやって日焼け対策してるんですか」

と、聞いてくれたが申し訳ない

「私の肌は強めの日光で痛みを感じるほど脆弱なので、まず外に出ないが基本です」


私にとって日焼けなんてほぼ火傷だ


「予定がない休日はなるべくカーテンを半開きにとどめ、薄暗い部屋で過ごします。外に出る時は日焼け止めに日傘必須ですし、あまり半袖も着ません」

「吸血鬼すぎません?」

「吸血鬼レベルで良いんですよ、日焼けで黒じゃなく赤くなるので」


と言うと「あーなるほど」と御森くんは首を縦に振った


「健康的な日焼けができるのは、健康的で強い肌を持った個体の才能ですからね」


おかげさまで、そこまできめの細かい肌ではない私でも

腕の内側みたいなパーツだけで見ると紙のような白さを維持している

物部曰く“オタクホワイト”と呼ばれることもあるらしい


「日焼けも炎症している状態だから、焼けてしまうと回復するためにエネルギーを使って疲れるんですよ」

「細海先輩についてまだ半年くらいなのに、疲れる原因の多様性がエグいっす」



ハハハハハ健康優良児め…



「さて御森くん、打刻したら出張の報告書と交通費請求方法の説明。ケガをした先輩への共有資料作りにとりかかります、が、その前に」

「その前に?」


ガサリと紙袋を取り出して御森くんに渡す。


「出張先で買ったお土産をみんなに配る係に任命します」


そう言えば「了解です!」とお土産を配りに行くため

嬉しそうに打刻をした御森くんを微笑ましく見ながら

私は宿泊時に経験したことをまとめ

部長に次回からなるべくあのホテルを使わないよう打診すべく

キーボードを叩いた。

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