↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
細海先輩と御森くん  作者: 紙屋川トカゲ
2章 本格始動
PR
59/82

第53話 細海先輩と御森くんと代打

「そっかそっか、大丈夫。こっちで業務は振り分けておくから、お大事にね」


部下からの電話を切り、さてどうしたものかと管理表を開く

出勤途中に自転車と衝突して救急車で運ばれたと連絡があった時は肝が冷えた。

検査が終わるまで気は抜けないが

幸い本人は怪我だけで元気と言うのでひとまず安心だ

僕にできるのは労災の申請確認と

そして、彼の言う〝怪我〟の治療に専念してもらうための準備をする事


「(彼が担当している業務はこれで……この期間に夏季休暇を取っていないのは……)」


社用タブレットと睨めっこしていた時だ


「おはようございます部長、廊下にいらっしゃるの珍しいですね」


抑揚の少ない特徴的な声に〝確認してみよう〟と

声の主へ顔向ける


「細海さん、おはようございます。ちょうど良かった。少しご相談良いかな?」

「はい、なんでしょうか」

「実は…」


部署の子が出勤中に事故にあった事

本人から電話もあり、元気そうだが現在検査結果待ちな事

そして


「骨折してるみたいで、しばらく出社は難しそうなんだ。そこで細海さんと御森くんにも彼の業務を振り分けようと考えています」

「彼の業務…と言うことは」

「はい、遠方の説明会です」

その言葉に少しばかり細海さんは影を落とすが

「同僚が大変な時に好き嫌い言ってられませんね、私は大丈夫です」

と答えてくれる


「細海さんは理解していると思いますが一旦確認です。今回は出張という形になるので宿泊が必要だけど、それでも引き受けてくれる?」

「理解したうえで大丈夫と回答しました。御森くんが拒否した場合も私1人で行きます」

「他の子達もこの時期はスケジュールが埋まってたから助かります。じゃあ、御森くんにも確認とってみるね」


そう言って居室に向かう細海さんを見送り

人員を確保できたことに安堵する


「(さて、次は御森くんだな)」


残りの業務をリスト化し

部署内のチャットに共有事項と共にアップロードすれば

少しずつ『対応可能です』とコメントが集まりはじめた

良かった、これなら彼が入院する事になっても業務に支障は出ないだろう

フォローや残業が必要ないか確認していると「ぶちょー!!」とお目当ての人物の声が響き思わずプッと吹き出した。


「御森くん、おはようございます」

「あ、おはようございます!あの、怪我された先輩大丈夫なんですか!?」

社用携帯を握り、不安そうに声をあげる


「検査の結果待ちですけど、電話連絡があった時は元気そうだったから落ち着いて」

「良かったぁ」


はぁー、とため息をついて胸を撫で下ろす彼に

「で、相談があるんですけどね」


そう言って細海さんと同じ説明を御森くんにもしてみる


「俺は全然大丈夫です!ただ、細海先輩がダメだった時は俺1人で行く覚悟決めなきゃですか…?」


二人を組ませて良かった、と改めて思う。


「細海さんからも了解を得てます。御森くんが拒否した時は1人で行くと言ってましたよ」

「行けます!細海先輩と一緒なら安心です!」

「では、出張申請の仕方や宿泊費の請求方法も教えてもらってください」


少しずつ頼もしくなっていく2人の部下に

思わず笑みが溢れた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。