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細海先輩と御森くん  作者: 紙屋川トカゲ
2章 本格始動
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57/82

第51話 細海先輩と御森くんと腹の虫のクレーム

学生さん達が夏休みに突入した今日この頃。

私たち社会人は、夏季休暇前のプチ繁忙期に

連日押し潰されています。


「夏季休暇もらった4日まで終わらせておくタスクがこれだけあるから…今日中にここまでやって…」


特に今年初めて、自分で取った夏季休暇の予定と

そんなことお構いなしに舞い込む業務とのバランスを確認しなくてはいけない状況に

御森くんから〝あせあせ〟という擬音が日に日に大きく聞こえるような気がする。


そして、かくいう私も〝何日までに対応〟という至急案件に追われていた時です。


〝ぎゅるるるるる〟


と、普段おとなしい腹の虫が結構な音量で鳴いた


「細海ちゃん…」

「細海先輩…」


〝もしかして、体調不良の前兆?〟という空耳が御森くんと後ろの席の物部から聞こえた気がしました。


「私のお腹から凄い音がしましたね?」

「呑気な事言ってて良いんですか!?…カロリーメイトとか買ってきましょうか?」

「細海ちゃん、嘘でしょ、この時期に戦力を失う訳には…」


私以上に深刻な表情の2人をよそに、少し首を捻った。

〝なんでこんな中途半端な時間にお腹が減ってるんだろ〟


「2人とも落ち着いてください、本当に凄くお腹が空いてるだけです。病気の前兆のような体の怠さが無い、逆に元気だからお腹すいてるやつですよ」


そう言うと

「そっかそっか、細海ちゃんが言うなら間違いないね、良かったら何か買ってきな?」

「仕事量多いですし、消耗したのかもしれませんね」

と、2人は胸を撫で下ろした。


確かに、今年は去年と違い御森くんが居る分

少しだけ私の仕事量に変化はある

とはいえ、基本はいつものメンバーで対応しているから

そこまで大変では無いはずなのに…


「…そうですね、カロリー不足でミスしたら大変なので下のコンビニで何か買ってきます。」


周りに迷惑をかけてはいけないと思い、財布を持って居室を出た。


「(自分で思ってるより、根つめすぎたかな?)」


エレベーターの中で

さて何を買おうか

相変わらず間食は苦手だからゼリー飲料かな

なんて考えながら〝チン〟という音と共にエレベーターが開いた時だ


「はぁ、はぁ、ま、間に合って良かったぁー」


何故かさっき居室で別れた御森くんが目の前に…



……?


「御森くん、まさか階段で追いかけてきたんですか」

「はいっ、あの、先輩が居室出た後、部長が」

「部長が?」


ふー、と息を整えると


「『細海さん、お昼ご飯食べてなくない?』って」


今日の記憶を巻き戻してみると、御森くん達をランチタイム見送って、そしたら電話が鳴って…そのまま対応を……あ……。



「た、食べて、ない…?」

「食べてないんです!物部先輩が置いてあったお弁当箱持ち上げて『中身入ってる重さだこれ!!』って言ってました!」


〝はいっ〟そう言って、お弁当箱を手渡される

持ってきてくれたんですか…


「細海先輩の業務の進捗に問題無いって部長も言ってたので、このまま休憩室で遅めのランチとるように、とのことです!」


〝もー!細海先輩ちゃんとご飯食べなきゃダメですよ!〟


ぷりぷりとお怒りの後輩から注意を受けつつ

明日からは気を付けなくては、と思う夏の昼下がりだった。

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― 新着の感想 ―
仕事に集中するあまり昼食を食べ忘れてしまうという展開は、社会人なら思わず共感してしまう「あるある」で、とても自然に感じました。お腹の音を聞いて周囲が体調を心配する場面は微笑ましく、そこから御森くんがお…
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