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細海先輩と御森くん  作者: 紙屋川トカゲ
2章 本格始動
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第24話 細海先輩と御森くんともしかして:

どうもここ最近、漠然と体調が不安定だ。

熱は無いのでウイルス性のものでは無いだろうが、どうにもスッキリしない。


食事を疎かにする悪癖も出てきてしまい、どうしたものかと頭を悩ませていた。


「あれ、今日もお弁当じゃ無いんですね」


栄養補助食品のパッケージに気付いた御森くんが、心配そうに声をかけてくる。


「なんとなく生活習慣が崩れて、楽な方に流れてしまって…」


御森くんの教育係になるまでは、自分の行動を特段気にしたことは無かった。

けれど、この花丸健康優良児な後輩に生活サイクルの乱れを見せるのは、なんとなくバツが悪い。


「実は最近、ちょっと体調の変化についていけていないんですよ」


「体調の変化ってどんな症状なんですか?」

「そうですね…軽い食欲不振とか、気が立って寝付きが悪い感じですね」


「しょくよく、ふしん・ねつきが、わるい」


オウム返しをしながら、カチャカチャと御森くんがキーボードを叩き、Enterを押す。

するとブラウザー画面のトップに〝もしかして:〟という文字と共に、ひとつの病名が浮かび上がった。


「「ごがつびょー…」」


同時に出た言葉に、思考が止まる。


五月病??


「五月病って、新入社員がなるやつですよね?」

「そうですね、一般的にはそういわれていますね」


「「・・・・」」


気まずい沈黙の後、


「なんで俺じゃなくて細海先輩が先に五月病になってるんですか!!」


と、御森くんが声を上げた。


「いーえ、症状を調べたら出てきただけです。まだ私が五月病とは決まってません」


目を見開いてモニターを凝視するが、出てくる単語に心当たりがあり、冷や汗が流れ始める。


「でも食欲不振なんですよね?」

「はい」

「寝付きが悪いんですよね?」

「はい」

「で、ここ最近やる気が出なくて栄養補助食品ランチが続いてますよね?」

「……はい」


普段は星でも飼っているのかと思うほど輝く大きな目を細め、

ジトーという擬音が似合う視線を向けてくる御森くん。


「いや逆に俺は一気に体調を崩すタイプなんで、細海先輩みたいに不調でも動けるのは不思議なんですけどぉー。ちゃんと美味しいごはん沢山食べて、いっぱい寝てほしいと思います~」


「くッ…次の休みは前日から21時に布団に入り、8時間以上寝れるように努力しますし、沢山お肉食べますからその目はやめてください!!」


結局、自分の症状が五月病だったのかは定かではない。


ただ、次の休日に突発唐揚げ祭りを開催したところ、電池が切れたようにぐっすり眠れた。


翌朝、頬に少しだけツヤが戻っているのを手触りで確かめながら、

――まあ、悪くはないかもしれない、と思った。

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