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細海先輩と御森くん  作者: 紙屋川トカゲ
1章 研修期間(仮)
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第20.5話 御森くんと物部さん

「物部先輩…俺、本当に帰ってよかったんですか…」


多分、今の俺を擬音で表すなら〝トボトボ〟が一番しっくりくる。

そんなに引きずるタイプでは無いと思っていたけど、今日はなぜか1日の行動ひとつひとつが全部後悔として俺にまとわりついてくるみたいだ

朝の服選び、前髪が少し伸びてるだけで気にしたり、業務の間の会話だって調子に乗ってなかっただろうか…

この会社に入ってから順風満帆だったのが理由の一つだろう、ここまで大きなミスもなく、本当に楽しい社会人生活を送れていた。

その気の緩みもあったのかもしれない。

足どりの重い俺に物部先輩は〝そうだなぁ〟と呟く


「御森くんが会社に残って業務の見直しがしたいのはさ、全部確認して大丈夫だったって安心して1日を終わりたいからだと思うけど、違う?」


そう問われて「違います」とは言えなかった。

自分でも分かっている。

今の俺は、ただこの罪悪感を払拭したいだけだ

黙る俺に物部先輩は優しく続けた


「それはさぁ、御森くんの都合でしょ。細海ちゃんの判断は明日以降の業務のことを考えての判断なんだよ」


その言葉にグッと唇を噛み締める

ミスした事への心のダメージに更に〝自分の事しか考えてなかった〟と気づいてしまった


「俺、自分がしたミスの大きさやリカバリーの仕方もまだ分からない事が分かりました」


だから、もう、俺に出来るのは、先輩達の言うことを聞いて素直に今日しっかり休むことだ

きっと凄く恵まれているはずなのに、無力な自分がとても情けなくて鼻の奥がツンとする


「とはいえね、細海ちゃんの判断が100%正しいかどうかなんて実際わからないんだよね〜…、その証拠に御森くんはこんなに落ち込んでるわけだし」


そんな言葉に視線をあげた


「もしかしたら、御森くんは残って業務の再確認した方が完全燃焼できて明日に引きずらないかもしれない、それが正しかったのかもしれない、それでもね…」


そう言って俺の方を見て物部先輩は笑った


「細海ちゃんが成長しようと踠いてるみたいに見えて、細海ちゃんの肩を持っちゃったんだ、ごめんね御森くん!」

その言葉に先日の部長との会話を思い出す。


『今、御森くんも研修中だけど、細海さんも成長してる途中なんです。お互い、尊重し合って成長するところを見せてください』


そっか、じゃあ俺も落ち込んでないで成長できるように踠かないとダメじゃん

踠かなきゃ、今日のミスがただの嫌な思い出で終わっちゃうじゃん


「そんな落ち込まなくても大丈夫!キミに出来ることは、明日いつも通りのポテンシャル発揮できるように今日を整えることだよ」

「物部さん!!今から飯、付き合ってくれませんか!?」


突然大きな声を出してしまい物部先輩は驚いていたが、構わず続ける


「俺みたいな大きい男が1人で泣きながらご飯食べてたら、まわりが不審がるので」


とにかく明日のために沢山食べようと思った

物部先輩は二つ返事で「いいよ!」と承諾してくれた


「で、何食べに行くの?」


そんな物部先輩に「唐揚げおかわりできるお店の定食です!!」


と、言うと「マジかぁ…軽いご飯もあると嬉しいなぁ」と物部先輩は呟いた


店まで徒歩15分、泣くのはまだ早い

第一章ここまで読んでくださりありがとうございます。

よければ「いいね」をいただけると次も頑張れます。

いいねの数だけ御森くんが唐揚げをおかわりします。

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