表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、異世界で獣人になりました!  作者: 星宮歌
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/57

第四十五話 残酷な言葉

 隠せる、と、その瞬間はまだ思っていた。親兄弟を騙せるだけの力くらいはあるだろう、と。彼らに嘘を吐くのは難しいことだと、その瞬間には気づけていなかったのだ。



「リコ、一つ、運命の番に関して知らせていなかったことがある。本来は、運命の番に関して知った時に説明すべき内容だ」



 徐ろに話し始めたお父様。私が知る運命の番というのは、獣人にとって惹き寄せられてやまない大切な半身、くらいの認識だ。

 そもそも、貴族階級にある者は、運命の番に関して教えられずに育つことが多い。

 私の場合は、ゼラフが親に教えられていたために、私にも教えざるを得なかったという背景があり、レノに関しても、ことあるごとに『運命、運命』とうるさいゼラフのせいで知ることになった。

 ただ、そういう知り方をしたからこそ、詳しく知っているのかと問われると疑問が残る。平民であれば常識として知っているらしい運命の番に関する情報を、私は調べようとしたことがなかった。



 きっと、無意識に、耳を塞いでいた……。



 ゼラフという悪例しか見たことのなかった私は、ゼラフのようにはなりたくないという一心で、きっと、その情報を得ようと動かなかったのだ。そして……。



「運命の番を見つけた獣人は、運命の番以外との婚姻が不可能になる」



 あまりにも残酷なその言葉に、私は息を詰める。



「なぜなら、獣人は運命の番を見つけてしまうと、運命の番以外に欲情できなくなるし、子を産むことができなくなってしまうからだ」



 心情的なものであるならともかく、そんな肉体的な部分まで、運命の番に縛られるのだということを突きつけられ、頭の中が真っ白になる。



「ゆえに、運命の番に出会ってしまった貴族階級の者は、相手次第で身分を捨てることも、国から去ることも許されている」



 きっと、お父様は運命の番に出会ったのであればその人についていけるのだと、親切心で教えてくれている。しかし、今の私にとって、それは絶望でしかない。



 片翼でもない私が、セインさんについていくことは……。



 どう考えても、それはセインさんへ迷惑をかける行為であり、セインに片翼が見つかってしまえば、悲惨な未来しか見えない。なまじ、セインさんの側へ行けるという希望を教えられたからこそ、諦めなんてつかないだろう。



「リコ、相手がどんな者でも構わない。お前が、その人を諦める必要はないんだ」



 優しく、優しく告げられた残酷な言葉。

 悲惨な結末しか待ち受けていないのだと、それを告げる勇気などなかったが、それでも、バルトリア家の一員として、震える唇で声を出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ