12 クエストと鍛冶スキル上げ
冒険者ギルドで薬草や毒消しを作成した結果、薬学のスキルLVが3になった。これで回復ポーションの作成も問題ない。
レンタルルームから出るとシャルロッテさんが居た、目が合って手を振ってくる。NPCだけどこんなのもいいよね、思わず手を振り返しちゃう、えへへ。
『お待たせしましたこれがガラス瓶二百個、それと余った材料です、それじゃあ頑張ってくださいね』
トレードが終わるとクエストが達成されて何故か経験値が千百入った、一体どこに経験値が貰える行為があったのか不明だけど、クエストだしこんなものだろう。
よし準備万端だ、うなだれているおばさんに話かける。前回と話している事は一緒だ。もしかして、またラブラブフラグをゲットしちゃったりして。
『ユーニククエスト:“鈍感系主人公は見境なくフラグを立てて、いつの間にかハーレムになる。
なんて期待しちゃった? しちゃったの? MMORPGなのに? しかもこんなおばさんにまで欲情しちゃったの? ぷぷぷ、勘違い系オッサンはキモ過ぎる”を受けますか? “はい” “いいえ”』
クエスト名を聞いてぶち切れる、どんだけ人をおちょくるつもりなんだろうここの運営は。しかし、それも悪くないなと思う、“はい”を答えてクエストを受ける。
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『本当にありがとう、助かったよ。これお礼だよ』
両手を包む込むように握られブンブンと振られると体がブランブラン波打つ。やっぱりこんなけ力があったら、その辺のモンスターを退治したり採集してたら何とかなったんじゃ無かろうか?
フルダイブだから俺も勘違いしちゃうけど、ゲームなんだからそろそろ割り切らないとな。細かい仕様は気にしないようにしよう。錫石千個と銅鉱石千個を手に入れたので、休憩をはさみつつ鍛冶スキル上げを行い、LV3まで上がった。
鍛冶スキルがLV3になった、これで良さげな武器が作れる可能性が。期待に胸が膨ら……いや最初から膨らんでた。
レシピを開き、剣、槍、弓、鈍器、矢の候補から剣を選択すると片手剣と両手剣が表示されている、どちらも青銅十個で出来るみたい。他の種類も見てみたけど、正直どれもレア武器の臭いがしない。
まあ序盤でレア武器が手に入る訳が無いか、しかも始めたばかりの鍛冶職人なんだから当然と言えば当然。鍛冶初心者レシピだしな。
とりあえず片手剣なら無難そうなので作成してみる、青銅を十個使用して出来たものは青銅の片手剣だ。木の杖よりも物理攻撃力が高いが魔法攻撃力が下がった。戦闘スキルは持ってないので武器は何でも構わないけど、魔法攻撃が主になっているからあんまり役立ちそうにもない。
魔法使いっぽいというのであれば、やはり杖だな。片手杖を選ぶと素材が丸太のみとなっている。出来たのはモビンギの杖、魔法攻撃力が若干高くなって物理攻撃力はただの木の杖と変わらない、今よりはマシだからこれを使おう。ちなみに武器一個で経験値三十三熟練度三十が手に入った。
翌日、チュートリアの町を見学する。大抵が民家で店の数は少なく露店もない。大抵は農家なのだろうか、先日採集に向かった方面以外には多くの畑があってチラホラ人が見える。
そういえばつるはしが欲しかったから鍛冶屋の店に寄ってみる、店の看板には“鍛冶屋ドワージン”と書いてあるので間違いないだろう。
中に入り店の品揃えを見る、武器や防具以外にも鍋や鍬なども置いてあった。店の奥からはカンカンと何かを叩く音が聞こえる、店主は奥で何かを鍛えているのかも知れないな。邪魔しても悪いので商品の値段を確認して回る。つるはしは五万Gで冒険者ギルドと変わらない値段だった。
手持ちのお金は一万六千Gまで減っているので何かクエストでもしてお金を稼がないと。冒険者ギルドに戻り、毒消しがだぶついているので納品クエを四十回(二百個)程達成させるがまだ足りない。
掲示板を眺めるが高額なクエストも無い、うなだれている人も居ない、チッ。仕方ないのでヒポ草の群生地に向かう、途中見かける動物やモンスターを狩りながら。
草むらを抜けると目の前にはデッカイトカゲがいた、多分だけどあれがヤモリンな気がする。ヤモリンはこちらに気が付いたようだが、ノンアクティブのようで目の前を無視して歩いて行った、ドキドキするわ。ある程度離れたところで、
『ファイヤーアロー、ファイヤーボール、ウインドカッター、ファイヤーアロー』
安全な距離を取って近づく前にダメージを与えて美味しくいただきました。動物っぽいのに何故か百Gが手に入った。こいつら買い物でもするのか?
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採集ポイントで採集を行い、町に戻った。既に夜になっており歩ている人は殆どいない。酒場兼食事処のお店は営業しているようなので入ってみる。
中に入ると凄い賑わっている、四人掛けの丸テーブル席が十、カウンター席が十くらいかな。ほぼ満席だ座る場所も無さそうなので帰ろうとしたら、
『カトウさん、こっちこっち』
シャルロッテさんの声が聞こえた方を見るとカウンター席から立ちあがって手招きしている。隣が空いているようなので、エールを注文して座わる。どうやら一人で飲んでいたようだ、顔が若干赤みを帯びてちょっと色っぽい。
何気ない会話をしながら……、したいんだけど女性とこんな風に、いや人とこんな風に話す機会があまりなく会話が続かない。少ない話題の中で例の変態店主の話になった。
『ごめんなさいね、マルグリットさんも悪気は無いのよ、ここは娯楽が殆どないから楽しい事に対して貪欲なの』
貪欲というレベルじゃないぞあれ、どうやらプレイヤーは街中には来ることが無いみたいだし、限られた町の中では、酒場で飲むか町人との会話か、偶に来るNPC行商人との会話くらいらしい。それはつまらなそうだね。
『カトウさんの楽しみって何ですか?』
「そうですね、モンスターと戦って経験を積んだり、採集で素材を集めたり、薬学や鍛冶で物を生産する事ですかね」
『……』
何かまずい事を言ったのだろうか、顔を少しゆがめていた。
『それって普段の仕事ですよね? 仕事が娯楽ってことなんですか』
ああなるほど、私はこの世界での生産や戦闘をするために、それが目的で来ているけど、こっちの人にはこれが生活なんだから違和感があるんだろうな。
「他から来ている旅人達の大半は私と同じだと思いますよ、それが楽しいんです。普段は別の生活というか仕事がありますから、なのでこっちでの生活が楽しいんです」
『そうなんですね、ちょっと理解し辛いというか、じゃあカトウさんは普段何をなさっているのですか?』
「……何もしてません」
『……』
だってしょうがないじゃん引退したんだもん。
武器製作 06話では「矢じり」設定でしたがそれは誤りで、「矢」に変えました。
矢じりだけあっても撃てないよね。




