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【完結】肉球の交差点 ~ツンデレ猫と忠犬の入れ替わり事件簿~  作者: 海野 さや
第1章. 入れ替わり・脱出編

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8話. 納得はいかないけど理解はしたわ!

 ―ハッ―と我に返った。

 お漏らしまでして…あられもない姿で寝転がっている自分を…仁美(ひとみ)さんに抱かれた状態で見下ろしているハヤテがいる。


『もう私…こんなんじゃ生きていけない…あの駄犬(だけん)の姿になっちゃって、オマケにこんな姿をアイツにみられるなんて屈辱(くつじょく)にたえられないわ!』


 慌てて起き上がり、何事も無かったかのように姿勢をただす。


「クゥーン…(違うのよ!)キャンキャン!(私よ!ココは私!)」


 しゃがんでいた由利江(ゆりえ)ママの膝に手を置き、必死に訴えてみる。


 発する声まで私のかわいらしい甘い鳴き声ではなく、全く別のものとなっていた…


「ニャーン(大丈夫だよ!)ニャーーーーン(犬ならよくやることなんだよ!)」


 甘ったるいような猫のかわいい声が聞こえる。私の姿で鳴いているハヤテからは、心配する匂いと、気づかってくれている優しい匂いがした。


私は仁美(ひとみ)さんに抱かれているハヤテの方を見て


「ワン!ワン!(うるさいわね!そんなの知らないわよ!)」


と吠えた。


『あれ?なんかアイツの喋っている言葉が理解できるわ!?』


体が入れ替わったせいなのか、元は自分が猫だったからなのか…ハヤテの喋っている言葉が理解できた。


「あらあら、まるで2人でお喋りしてるみたいね」

「本当に!ぶつかった時にはどうなるかと思ったけど、それがきっかけで仲良くなれたのかしら?」


由利江(ゆりえ)ママと仁美(ひとみ)さんが、嬉しそうな匂いをさせてのほほんと喋っている。


「ココとハヤテはもう大の仲良しのお友達だもんね~」


凛子(りんこ)もこの通り…まるで転んだ私のおかげよ!とばかりの得意気な匂い…


『もう友達だとか仲良しだとか、どうでもいいのよ!とにかくどうにかして元の体に戻らなくちゃ!』


仲良くなったならお2人でどうぞ、とばかりに仁美(ひとみ)さんは元の体の私を優しく撫でたあと、そっと地面におろした。


向かい合う私と、私の姿をしたハヤテ…


凛子(りんこ)はというと、ハヤテと走り回って遊ぶのには満足したようで、もうこちらには興味無し!とばかりに椅子に座り、お菓子を食べ始めていた。


「ミャーー…(よくわからないけど…ごめんね)」


最初に声を発したのはハヤテだった。

金色の綺麗な瞳をそらしながら、体は小さく縮めて怯えている様だった。


心の底から謝っている匂い、どうしたらいいかわからずに戸惑っている匂い、私に対しての優しさしかない匂いだった。


「クンクン…(まぁ…アンタのせいじゃないと思うし、謝らなくてもいいわよ)」


鼻の頭をひっきりなしに舐めては、気持ちを落ち着けようと試みた。


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― 新着の感想 ―
入れ替わったことで、お互いの感じていることだけじゃなく、言葉まで分かるようになるのが面白かったです! 特に「理解できる」と「納得できる」は別なんだな、というのがタイトルも含めて印象に残りました。 …
約半分の第8話まで読ませて頂きました。 全編がDog&Cat Loveに満たされていて、犬猫好きの一人としても、どちらも飼ったことがある飼い主視点としても、とても楽しくて共感できる場面が多かったです。…
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