強制エンドロール
「この鎧は操縦者に危険が訪れると極大魔法『フォートレス』が発動して、操縦席は保護されるんだよ! 残念だったな! 形成逆転だ!」
半径50メートルにいる鎧を強制破壊する初見殺しの極大魔法『アーマー・パージ』を発動して、生身のヴィランが出てくるのを見ると勝ち誇ったようにそう叫び、ビットを出して追撃をかけたミュウだったが、ビットが破壊され、漆黒の悪魔ーーデウスエクスマキナが姿を表した瞬間に凍りついた。
「う、嘘だ……」
不味い。
最弱鎧ですでに押されていた状態だったので初代のチート鎧に乗り換えられるのは非常に不味かった。
だがデマキが転移できることを知っているので、逃亡の一手は取れない。
このまま戦う他ない。
ーーー
「サイコロステーキにして確実に殺すか」
通常攻撃を四連で発動する。
普通の鎧ならばここで終わりだが、デマキの場合は追加攻撃が発動し、追加で網目状の斬撃が発動する。
アンドロメダに見事命中して細切れになる。
破片の隙間からバリアに守られた胸糞スキーの姿が見えた。
先ほど致命傷を与えても死ななかったカラクリが解けた。
今までの攻撃ではあのバリアの貫けるほどの威力がなかったから、殺しきれなかったのだろう。
高威力の攻撃が必要だ。
「デマキ、大宝剣アヴァロンを持って来い。試し斬りに使う」
『承知しました。マスター』
空中に紅く輝く禍々しい大宝剣アヴァロンが出てきたので手に取り、再生したばかりのアンドロメダに向けて振りかぶった。
『馬鹿が! それがイベント特攻兵装だと知らなかったのか! 貰った!』
『アンドロメダから出る魔力波と共に複数の鎧が魔法を発動するのを確認しました』
「遠隔操作か。このタイミングで使うとは運のない奴だ」
デマキによってアヴァロンが魔改造されており、常時使用可能であることを知らないため、胸糞スキーが好機と見て再び突進と、奴の進路以外を塞ぐようにして遠距離から遠隔操作された共和国の鎧達が魔法を放つ。
「馬鹿はお前だ。死ね」
振り下ろされたアヴァロンから禍々しい紅い光を帯びた魔力の奔流が生じると共に紅い衝撃波が全方位に展開し、周りの鎧とアンドロメダを魔法ごと消し飛ばす。
『うああああああ! なんで!?』
周りの鎧は綺麗さっぱり消え失せ、アンドロメダも消しクズ程度まで消し飛ばせたが、思ったよりもバリアの方が頑丈なようで、胸糞スキーは依然健在のままそこにいた。
「ちまちまと試すのも面倒だな。最大火力で行くか。デマキ衛星兵装を使用する」
「使用により周囲一帯が消し飛ぶ可能性がありますが、よろしいでしょうか?」
「構わん、やれ」
『承知しました。衛星兵装発動します』
デマキは一気に離れたところまで転移すると、先ほどまでいた研究所付近に空から一条の光が落ち、大爆発が起きた。
衛星から射出された鉄塊が寸分違わずにアンドロメダに当たったようだ。
デマキのカメラで拡大して見るが、周囲に鎧の残骸も残らなければ、バリアを纏った胸糞スキーの姿も見当たらない。
流石にラスボスが発動する貫通無効で全てのダメージをゼロに抑えるバリアの極大魔法『絶対防御』を無効化する貫通無効貫通というめちゃくちゃな効果を持っているだけあって、胸糞スキーのバリアも突破できた様だ。
プレイヤーから『強制エンドロール』と呼ばれるだけのことはある。




