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胸糞展開で倒されるラスボスに転生してイライラするので、ストーリフラグ全部破壊することに決めた  作者: 竜頭蛇


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胸糞スキーの悲願成就フラグ破壊


「降伏勧告だと? 強化騎士たちはもう破れたというのか!? 最新鋭鎧を与えたというのになんという体たらくだ!!」


 いきなり攻め入ってきて、表にある商会が吹き飛ばされていたことでランズインダストリクスの会長であるサムは混乱の極地にあり、苛立ち紛れに周りにある鎧に搭乗していく強化騎士たちに檄を飛ばす。


「どうせこいつらはもう寿命のない使い捨てだ。薬を倍量投与しろ!」


 周りにいる従業員たちに指示を出すと、この場から逃げる為の算段を立てる。


「金と技術書類だけは全て確保して、ミュウちゃんと共に国から脱出しなければいけない。 こんな時に限ってあの子は研究所に缶詰とは」


 サムは不定期に訪れる娘の技術提供には感謝していたが、今日ばかりは恨めしく思った。

 敵が目前に迫ったそのタイミングで大幅なタイムロスを喰らうなど、愛想のいい娘で金の種を差し出してくることがなければ肉親といえども見捨ているところだと内心で悪態をつくと、損失の二倍分の金の種をミュウに吐き出させることを決め、持てるだけの金と技術資料を集め始める。



 ーーー


 ミュウも降伏勧告が国中に響き渡ったことで、ランズインダストリクスがヴィランに落とされそうになっていることはわかっていたが、脱出する手段に絶対的自信もあったこともあり、自身の欲望を優先させることにした。


「先ほどの降伏勧告が聞こえましたか? 時間がありません。こちらの鎧にお乗りになって下さい、ゼイン様」


「この鎧は?」


「ランズインダストリクスが技術を集約して作った試作鎧『ホワイトホーク』です」


 ミュウは早く乗れよと内心毒づきながら、2の主人公であるゼインに試作機に乗ることを促す。

 ゼインが操縦席に座ったことを確認すると、近くにあるコンソールを操作して、ハッチを閉じる。


『この機体は変わってますね。後部座席に箱みたいなのが積まれてる。こんなの今までで見たことがありません……』


「ああ、それですか。説明するよりも見てもらった方がわかると思うので箱の上にある覆いを取って頂いていいですか?」


『はあ』


 ミュウは待ち望んだ瞬間が来たことにほくそ笑みながら、ゼインを地獄に突き落とす仕掛けを彼自身に発動させるように促す。


『な、なんですか!? これは? 人の脳みそじゃないですか!?』


「びっくりしましたよね。ホワイトホークには搭乗者の操縦をサポートするための人工知能が搭載されているんです」


『人工知能? 誰の脳みそなんですかこれは?』


「これはあなたの恋人のカチュアさんの脳みそです。彼女は優秀な騎士だったのでさぞや役にたつでしょう」


 鎧内部を確認するために用意した水晶に目を見開くゼインの顔が写っていることを確認すると、背筋をゾクゾクとさせながら、ミュウは追い打ちをかける。


「鎧のパーツにするためには絶望させて自我を漂白する必要があるんですが、マジックミラー越しにあなたの目の前で彼女の体を刻む拷問をしていたんです。彼女は体が刻まれるごとに君に見えてないことも聞こえてないことも知らずに君の名前を呼んで、本当にいじらしかったなぁ。今も録音した音声を毎日聴いているくらい僕のお気に入りなんだよ。あら? すいません、興奮して品のない口調になってしまいました」


『殺す……。殺してやる! お前だけは絶対に!』


 ミュウの言葉で恋人がここ最近特別任務で姿を消したことと、研究データを取るという理由で少ない回数ミュウに呼び出されたことの合点がいき、全てを理解したゼインは、憎悪のままにゼインは目の前にいるミュウをホワイトホークの圧倒的質量で踏み潰す。

 だがミュウはあらかじめコンソールを操作し、本来の自分を透明にして、偽物の自分を鎧に映していたため、ミュウに当たることはなく、偽物のミュウに翻弄されゼインは出撃ゲートに誘導されていく。


「彼女は貴方が激しい動きをするごとに消耗していくので、是非とも激しい戦闘をして自分の手で彼女に止めを刺してあげて下さい」


 笑顔でミュウは修羅とかしたゼインを送り出す。

 2の主人公のゼインはゲーム上では胸糞な目に合わせることができないキャラであるため、かねてからミュウは彼を胸糞の悪い目に合わせたいという願望があり、もうすぐ恋人を手にかけて胸糞が完成するという今この瞬間、彼女の喜びは絶頂に達する直前だった。


『グアアア!!』


 だがその喜びを絶頂を迎える前に破断された。

 出撃ゲートから出ていくはずだったホワイトホークが四肢を切断され、吹き飛ばされたのだ。


「!?」


 自分の組み上げた最上の胸糞が唐突な終わりを迎えたことにミュウが事態を飲み込めずに出撃ゲートを見ていると、赤い皇国鎧が入ってくるのが見えた。

 皇国鎧と異様な強さを持った騎士という特徴からこの暴挙をしでかした下手人が誰かミュウは悟った。

 胸糞ゲーの世界で胸糞を叩き壊して回る異端ーーヴィランだ。

 相手を認めたことで正気に戻ると、ミュウは髪を振り乱して発狂する。


「ヴィランンンンンンン!! よくも! よくも! 僕がこの世界で育ててきた最高の胸糞をおしゃかにしがって! お前が僕の全てをおおおお! ごろしてやる! 絶対にだ! ごろしてやるううううううう!」



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