暴走馬車横入りフラグ破壊
「おーほほほ! 退きなさい! 私のために道を開けるのよ!」
上級貴族たちが乗っているだろう馬車に紛れて学園に向かっていると、一際派手に飾り付けをされた馬車が周りの馬車を押し除けながら進んでくるのが見えた。
ルールを守っている人間を押し除けて、自分だけうまい汁を啜ろうとしているらしい。
「気に食わんな」
風魔法で強風を起こし、爆走するド派手馬車をコースアウトさせる。
『ヴィラン、一体何を?』
周りの奴らは「突風が!」「いきなり何だ!?」などといっても俺の魔法だと気づくやつはいなかったが、俺と1週間行動を共にしてきただけあり、エスターは気づいたようで突っ込んできた。
「我々の目的をお忘れですか、陛下? あの馬車に乗っているのものは胸糞です。浄化しなければなりません」
『は!? 私としたことが目的を忘れて呆けておりましたわ』
陛下が正気に戻るとコースアウトしたド派手馬車がUターンし、周りで並んでいる入学者を抜かして学園の門の中に入ろうとし始めていた。
「おほほ! 真に人の上に立つ者は不死鳥のように何度も蘇るのよ!」
『人の上に立つ器ではなかったようですね』
エスターの水魔法によって土の上が水浸しになると、馬車の車輪に泥が絡まり、スリップする。
脱輪したようで止まった後に馬が引いても全く動かなくなった。
胸糞馬車は沈黙した。
浄化の一歩目としては上々だろう。




